LINEをビジネス利用するメリットとリスクへの対策方法を紹介
はじめに
- LINEはあらゆる端末から利用可能なコミュニケーションアプリのひとつ
- ビジネスシーンでは「LINE公式アカウント」や「LINE WORKS」が活用されることもある
- LINEをビジネス利用する際は情報リテラシーを身につける
- LINEのメッセージでは要点をまとめて伝えることを意識する
- LINEを企業から指示されて使う場合はセキュリティ対策に気を配る
LINEとは?
LINEはコミュニケーションアプリの一種で、パソコン・スマートフォン・タブレットなどあらゆる端末から利用可能です。メッセージやスタンプの送受信の他にも、ユーザのブロック・アカウントの引き継ぎなど、多様な機能が使えます。
2023年10月からは、Zホールディングスが傘下のLINE・ヤフーと3社合併して、「LINEヤフー株式会社」と名称変更したのをご存じの方も多いでしょう。
また、2023年6月末時点の情報によると、LINEの国内月間アクティブユーザ数は9500万人にも上ります。LINEの国内月間アクティブユーザ数を、日本の総人口1億2508万2000人(2022年8月1日現在[確定値]総務省統計局)で割ると、国内の約70%の人が使用している計算になります。
参考: LINEヤフー for Business|【公式】LINE公式アカウント
企業がLINEをビジネス利用するメリット
LINEは、ビジネスシーンでも広く活用されています。LINEはメールと比べて手軽であり、ビジネスメールのように挨拶や署名などを挿入するルールもありません。
また、グループを作成・招待することで複数人にメッセージを一斉送信できるようになるだけでなく、メッセージごとに既読数が表示されるため、伝達ミスが起こりにくいのも特徴です。さらに、インターネット環境が整っていれば、最大500人と無料で通話やビデオ通話を共有できます。
ビジネスシーンでよく目にするLINEのサービス2種
ビジネスシーンで活用されるLINEのサービスにはどのようなものがあるでしょうか。
代表的なものに、「LINE公式アカウント」や「LINE WORKS」がありますので、以下から両者の違いや使い方についてご説明します。
LINE公式アカウント
LINE公式アカウントサービスはLINEのサービスの一種です。企業や有名人などが顧客やファンに向けて情報発信する際の手段として利用しています。LINEは幅広い年齢層が使用しており開封率も高いため、企業が集客数や売上を伸ばすのに適しているともいえるでしょう。
また、「LINEアプリ」、「LINE公式アカウント」、「LINE WORKS」はそれぞれが独立したアプリケーションですので、プライベート用と仕事用のアカウントを間違える心配もありません。
LINE WORKS
LINE WORKSとは組織やチーム内で情報を共有できるコミュニケーションツールです。管理者となる人が組織用アカウントを作成後、メンバーを招待・追加してやりとりを開始します。
通常のLINEと同じ機能が備わっているほか、非正規社員や取引先・顧客など一般のLINEユーザともつながれます。また、「誰が既読で誰が未読か」を個々に判別できるため、情報の伝達漏れも防ぎやすいです。
主に企業のマーケティング手段として使用されるLINE公式アカウントに対して、LINE WORKSは社内や面識のある社外の人とのコミュニケーションツールとして利用するケースが多いでしょう。
LINE WORKSではタスク管理もできます。タスク管理は効率よく業務を行うためにも必要ですので、以下の記事もあわせてご覧ください。
タスク管理とは?新入社員でも上手にタスク管理できる方法を伝授
LINEをビジネス利用する際の7つの注意点
LINEをビジネスシーンで使用する際にはメリットだけでなく注意点も知っておきましょう。以下から解説します。
1.機密事項や個人情報のやりとりはしない
LINEはISO規格やIEC規格を取得しています。ISOやIECはどちらも国際規格であり、国際規格は4つに分けられた安全規格のトップに位置づけられています。
一方で、LINEでは過去に不正アクセスやアカウントの乗っ取り・情報流出などの被害も発生していますので、機密事項や個人情報のやりとりは避けた方が無難です。外部に漏らしたくない重大な情報の共有には、企業が推奨しているツールの使用をオススメします。
以下の記事では、ユーザの利便性を考慮するという意味である「ユーザビリティ」の重要性の他に、国際標準化機構(ISO)の規格の必要性についても詳しく解説しておりますのでご参考ください。
ユーザビリティとは?UI/UXとの違いから必要な理由を解説
2.プライベート端末からのアクセスは避ける
ビジネスシーンでLINEを活用する際は、プライベート端末からのアクセスを避けましょう。理由は2つあります。
1つ目の理由は、プライベート端末は企業側の管理が難しいため、情報漏洩やアカウントを乗っ取られる被害が起こるなどセキュリティ面での問題が発生しやすいからです。
2つ目は、業務時間外に仕事の連絡が来たり通信費が自己負担になったりすると、企業側がコンプライアンス違反になり得るケースがあるためです。また、公私の区別がつきにくいのもデメリットでしょう。
やむを得ずプライベートの端末を使用する場合は、他者が推測しにくいパスワードを設定したりアプリにロックをかけたりするなど、セキュリティ対策を行うことが大切です。
3.友達追加機能をオフにしておく
ビジネスアカウントでは、友達追加機能をオフにしておきましょう。仕事と無関係の人やアカウントを知られたくない人と、自動的に友達になる可能性が高いからです。
誤って業務上のメッセージを送信したり仕事仲間だけのグループチャットに招待したりしてしまうと、機密情報や個人情報が漏れてしまうリスクもあります。
また、個人が特定されやすいアカウント名はID検索されやすいため注意が必要です。なお、モバイル版アプリのLINE WORKSではアカウントを最大 5つまで追加できますので、必要に応じてうまく切り替えましょう。
4.情報リテラシーを身につける
LINEを乗っ取られて被害に遭うケースもあります。自分のアカウントが乗っ取られなくても、友人・家族・同僚・LINE公式アカウントなどが乗っ取られており、フィッシング詐欺の被害に遭う可能性もありますので不審なリンクにはアクセスしないようにしましょう。
実際に、企業の公式サイトと似た配列のURLにアクセスさせて、個人情報や電子マネーのパスワードが抜き取られた被害も発生しています。少しでも怪しいと感じたら即座にサイトを閉じて、正規のLINEアプリやブックマーク、公式サイトから再度アクセスしましょう。
以下は2021年までにLINE側が確認しているフィッシング詐欺の誘導手口です。
情報セキュリティ対策には、情報リテラシーを身につけることも有効です。情報セキュリティーとは?個人・企業別の対策や資格の種類など網羅的に解説でも、具体的な対策方法をご紹介していますのでご確認ください。
5.要点をまとめて伝える
LINEのトークメッセージの最大文字数は、1万文字まで入力・送信が可能です。また、メッセージの一行辺りの文字数は、各々が設定しているフォントサイズごとに10字から14字の間で調整されます。
長文になるほどレイアウトも縦長になり読みにくいと感じる人もいますので、メッセージを送信する際は適度に改行を入れたり、要点をまとめたりして相手にストレスを与えないよう工夫しましょう。
文章をわかりやすくまとめるには、PREP法がオススメです。以下記事ではPREP法の他にも、SDS法やDESC法など今日から使える文章作成のコツをご紹介しています。
PREP法とは?相手に伝わる文章の作り方【例文あり】
6.過去の情報を探せるようにしておく
LINEでは、新規メッセージを投稿するたびに古い情報から埋もれてしまいますが、キーワード検索機能を使うと全体のトークから過去の情報を探せます。
全員のトークから検索する場合は、トークルーム一覧の最上部にある検索窓にメンバー名やトーク内容、ファイル名などキーワードとなる単語を入力しましょう。
また、各トークルーム内で検索するには、画面右上の虫眼鏡マークからキーワードを入力・検索できます。虫眼鏡マークをクリックしたときに表示されるカレンダーマークをタップすると、日付を指定してトークを遡れるので便利です。
7.ビジネスマナーを守る
ビジネスシーンでLINEを利用する場合はビジネスマナーを意識しましょう。
たとえば、上司や取引先の中には絵文字や顔文字・スタンプなどを不快に感じる方もいますので、送信時には配慮が必要です。
また、受信メッセージを長時間放置すると不誠実に感じる方もいますが、夜分や早朝に送るとマナー違反になる可能性もあるので注意しましょう。
LINEはビジネス活用した方がいい?
LINEはビジネスにオススメできるケースとそうでないケースがあります。以下から解説します。
LINEをオススメするケース
パートやアルバイトなどの非正規雇用社員は企業からメールアドレスを付与されていないケースが多いため、LINEをシフト調整や緊急時の連絡手段に活用している企業もあるでしょう。
また、普段あまり顔を合わさない他部署の方々や、外回り・シフト勤務のメンバー達とコミュニケーションを取る手段としてもLINEはオススメのツールです。
職場で良好な人間関係を築くためにもコミュニケーションは欠かせません。ビジネスコミュニケーションの目的と求められる3つのスキルでも、必要性や活用方法をご紹介していますのでご参考ください。
異なるツールをオススメするケース
LINEやLINE WORKSはカスタマイズ性に乏しく、ITに強い企業やエンジニアにとっては物足りなさを感じるかもしれません。
また、LINE WORKSに関しては現在日本市場でしか提供されていないサービスのため、海外とのやりとりが多い企業にも不向きです。
まとめ
LINEは便利ツールとして広く普及している一方で、情報漏洩リスクやセキュリティ面の課題などもあります。ビジネスシーンでは異なるツールの利用をオススメしますが、職場の方針で使用せざるを得ない場合は注意点を意識して上手に活用しましょう。