リードエンジニアの仕事内容・年収・キャリアパスなどを解説
はじめに
- リードエンジニアとはエンジニアチームをまとめるリーダー的立場のエンジニア
- 仕事内容は設計サポート、コードレビュー、スケジュール進捗管理やタスクの割り振り
- 年収はデータ不測のため不明、参考データは400~770万円の幅
- リードエンジニアには仕事技術スキル、マネジメントスキルの両方が必要
- リードエンジニアにオススメの資格はシステムアーキテクト試験、情報処理技術者試験
- リードエンジニアの需要は高く、将来性は有望でキャリアパスも多岐にわたる
この記事ではリードエンジニアについての基本的な知識が解説されています。ひととおりのことが知れますのでご一読ください。
リードエンジニアとは?
リードエンジニアとは、エンジニアチームをまとめるリーダー的立場のエンジニアです。
それぞれのソフトウェア開発チームにおいて、技術的な側面をサポート・リードしてチーム全体の開発を円滑に進める役割を担っています。テックリードと呼ばれることもありますが同じものです。以下に記載する2つの役割があります。
- チームリーダー的役割:チームのリーダーとして、開発したソフト・システムの品質を担保する。また、チーム内の業務割り当てや任命・管理など、マネジメントも要求される。
- チーム窓口的役割:社内・社外との連絡や連携などを担う。おもにクライアントへの専門的な技術の説明・質疑応答などをおこなう。
類似職との違い
リードエンジニアと混同しがちな職種として、CTO(Chief Technology Officer)・PM(Project Manager)・EM(Engineering Manager)・ITアーキテクト、の4つがあります。リードエンジニアとの違いについて以下にまとめて記載しますのでしっかりおぼえておきましょう。
- CTO:リードエンジニアはチーム単体のリーダーで、CTOは企業や組織全体のリーダー
- PM:リードエンジニアが技術者を統括し、PMがプロジェクトの全責任を担う管理責任者
- EM:EMはエンジニアのマネジメントを専門的におこなう。エンジニア採用、環境整備、制度設計、課題調整、メンバーの目標管理や評価など
- ITアーキテクト:リードエンジニアの前段階を準備する。具体的にはプロダクト設計など
リードエンジニア 3つの仕事
ここではリードエンジニアの仕事内容について解説します。おおきく3つに分かれていますのでそれぞれ見ていきましょう。
1 設計サポート
リードエンジニアは「アーキテクチャの設計サポート」をおこないます。
システム全体の構造や構成要素を決定する際に、技術的な観点から最適な設計を提案したり、将来的な拡張性やメンテナンス性のある設計をおこなったりするのです。また、プロジェクトに最適なプログラミング言語・フレームワーク・ツールなども選定します。
2 コードレビュー
リードエンジニアはコードの品質を高く保つ必要があり「コードレビュー」をおこなうことでそれを実現します。その中で誤りを検出・修正することも重要です。具体的には以下に記載するような目的があります。
- バグを発見する:コードに潜むバグの発見・修正をおこなう
- コーディング規約を順守する:定めたコーディング規約が守られているか確認して、コードの統一性を保つ
- 設計の整合性を確認する:設計書に基づいているか、設計とコードの整合性を確認する
3 スケジュール進捗管理やタスクの割り振り
リードエンジニアは「スケジュール進捗管理やタスクの割り振り」をおこないます。具体的な内容については以下に記載します。
- スケジュールの進捗管理:プロジェクト計画の策定・進捗状況の定期的に確認、発生する可能性のあるリスクを洗い出して対策、上司や関係者にプロジェクトの進捗状況を報告する
- タスクの割り振り:メンバーのスキルと負荷を考慮してタスク割り振り、全体のバランスを見て負荷がかたよらないようにする、タスクの優先順位付け、変更への柔軟な対応など
リードエンジニアの年収は?
リードエンジニアの年収も気になる部分ですが、まだ社会の中で職種として定着していないためまとまったデータはないのが現状ですが、チームのリーダーというからにはメンバーである一般エンジニアよりは年収が高くなることは確実でしょう。
参考になるエンジニアの平均年収は400~500万円くらいです。また、リードエンジニアに近い職種であるITアーキテクトの平均年収は約770万円となっています。
リードエンジニアに求められるスキル
ここではリードエンジニアに求められるスキルをおおきく5つ解説します。リードエンジニア就任を希望する人には必須の能力ですので、事前に身につけておく必要があります。
1 アーキテクチャ設計スキル
まず1つめとしては「アーキテクチャ設計スキル」が必要とされます。最終的にアーキテクチャ設計に対して判断をくだすのはリードエンジニアです。システムの全体像を理解して、その内容をチームメンバーにわかりやすく解説することもリードエンジニアの仕事となり、これをおこなうことが可能な能力を必要とされます。
2 コードレビュースキル
リードエンジニアに求められる2つめは「コードレビュースキル」です。リードエンジニアは自分が管理するチーム全体のコード品質を維持し、効率的かつ安全な開発プロセスを確保するポジションです。また、このプロセスに参加して問題を発見・修正する必要もあります。これらを実行可能な能力が求められるのです。
3 プログラミングスキル
3つめとして、リードエンジニアには「プログラミングスキル」が必須能力です。単にチームを管理する業務だけでなく、技術的にプロジェクトを引っぱる役割もこなす必要があるからです。技術的な意思決定、チームメンバーの指導、などの役割をはたすうえでプログラミングスキルは不可欠な能力といえるでしょう。
4 マネジメントスキル
リードエンジニアに求められる4つめの能力としては「マネジメントスキル」が挙げられます。
理由として、リードエンジニアは単なる技術的リーダーとしてだけではなく「開発チームを率いてプロジェクトを成功に導く」といった、より広い視野が必要とされるポジションだからです。チームの目標設定と進捗管理、タスクの割り当てと調整、発生した問題の解決など、をおこなう能力が求められます。
5 サポートスキル
5つめとしてリードエンジニアに求められるのは「サポートスキル」です。
具体例としては、チームメンバーの成長支援、問題解決のサポート、コミュニケーションの円滑化、モチベーションの維持、働きやすい環境づくりなど、のことです。チームメンバーへの支援は、プロジェクトを円滑に進めるために不可欠です。
リードエンジニアにオススメ資格2つ
ここでは、リードエンジニアを目指す人に取得をオススメする2つの資格を紹介します。
1 システムアーキテクト試験
1つめは「システムアーキテクト試験」です。
システムアーキテクトはシステム開発の上流工程を担う専門家で、システム全体の設計・構築・運用に関わる重要なポジションです。システムの品質・性能・コスト・セキュリティなどを考慮して最適なシステムを構築します。
情報処理技術者試験の高度区分に分類される難易度の高い国家試験です。
2 情報処理技術者試験
2つめは「情報処理技術者試験」です。試験の勉強でITエンジニア共通の知識・スキルが学習できます。情報処理技術者試験は、IT業界で働くのに非常に重要な資格です。難易度は高いですが、ぜひ挑戦してみてください。基本・応用の2段階設定されていますが、リードエンジニアを目指す皆さんは「応用」を取得しましょう。
リードエンジニアの需要と将来性
リードエンジニアの需要と将来性とはどのようなものでしょうか。
さまざまな職種がある中でもとくに需要の高いITエンジニアですが、そのリーダー的存在はさらに不足している人材です。またその将来性は、技術とマネジメントの両面で活躍できるプロフェッショナルな人材であるので非常に高く、さまざまな業界で重要な役割をはたすことが期待されます。
リードエンジニアのキャリアパス
エンジニアチームのリーダーを経験した人のキャリアパスは非常に多岐にわたります。技術のスペシャリストとしての道を進むか、マネジメントや経営の分野に進むかは、人それぞれでしょう。まとめて以下に記載するので参考にしてください。
- スペシャリストへ:特定の技術分野(AI、クラウドなど)のスペシャリストになる。技術的な課題を解決する。
- マネジメント層へ:チームリーダー、プロジェクトマネージャー、部門長など、になって組織を率いる。
- 起業家へ:自身のアイデアや技術を活かして、スタートアップ企業を立ち上げる。
- コンサルタントへ:企業のIT戦略策定やシステム導入支援をおこなう。
リードエンジニアになるための勉強方法
リードエンジニアになるには、どのような勉強方法があるのでしょうか。
1 本や書籍、学習サイトで勉強する
最も手軽な方法は「本・書籍を利用して知識や技術を学ぶ」というものです。今までの勉強となんら変わりませんが基本です。また、Web学習サイトの利用は「いつでも・どこでも」という利点があります。
2 スクールや勉強会・セミナーに参加して勉強する
「スクールや勉強会・セミナーに参加する」という勉強方法もあります。
利点は直接指導が受けられ、必要な知識を効率よく学べるというだけではありません。人脈を築き、モチベーションを維持するうえでも非常に有効な学習方法であるのです。
まとめ
リードエンジニアとは、エンジニアチームをまとめるリーダー的立場のエンジニアです。
混同しやすい職種は多くありますが「リードエンジニアはあくまでも開発プロジェクト内チーム単体のリーダー」ですので注意しておきましょう。
業務の内容としてはおおきく3つあります。
- 設計サポート
- コードレビュー
- スケジュール進捗管理やタスクの割り振り
リードエンジニアの年収についてはデータがまとまっていないので「○○〇万円くらいです」とはいえません。しかし、一般的エンジニアの平均年収は400~500万円くらいです。また、リードエンジニアに近い職種であるITアーキテクトの平均年収は約770万円となっています。これが参考になるのではないでしょうか。
リードエンジニアに求められるスキルは5つありました。
- アーキテクチャ設計スキル
- コードレビュースキル
- プログラミングスキル
- マネジメントスキル
- サポートスキル
リードエンジニアを目指す人にオススメの資格は2つあります。
- システムアーキテクト試験
- 情報処理技術者試験
リードエンジニアの需要は高く、将来性は有望で選択肢も多岐にわたります。
キャリアパスは、技術のスペシャリストとしての道を進むか、マネジメントや経営の分野に進むか、で大きく変わるので熟慮が必要です。
リードエンジニアになるための勉強方法は、本や書籍・学習サイトの活用、スクールや勉強会・セミナーに参加する、というものがあります。後者に関しては、単に知識を習得するだけでなく、人脈を築き、モチベーションを維持することが可能です。
エンジニアのチームをまとめるためにはリードエンジニアが必要不可欠です。この記事を読んで、そのような重要ポジションであるリードエンジニアについての知見を深めてはいかがでしょうか。