ITリテラシーとは?重要性と向上の方法について解説!
はじめに
- ITリテラシーとはIT技術を理解し、効果的に活用できる力
- ITリテラシーには情報基礎、コンピュータ、ネットワークの三種がある
- 高ITリテラシーは業務の効率化・生産性向上に効果がある
- 低ITリテラシーの状態ではセキュリティリスクがある
ITリテラシーとは?
スマートフォン、パソコン、インターネットなどの身近なIT技術は私たちの生活を支えています。しかし、IT技術が影響力を増すにつれて漫然と使うだけではなく、IT技術を理解し、効果的に活用できる力は重要です。
ITリテラシーの意味をわかりやすく紹介
ITリテラシーは、情報通信機器を使う上で必要不可欠な知識と技術です。ITリテラシーは3要素から成り立っています。まずは情報を効率よく検索・分析・管理するための情報基礎リテラシーです。次にパソコンやスマートフォンなどのデバイスの使い方や、ソフトウェアの操作方法に関する知識をコンピュータリテラシーといいます。そしてインターネットやネットワークを理解し、安全に使うためのネットワークリテラシーがあります。
なぜITリテラシーは現代社会で不可欠なのか
なぜITリテラシーは重要なのかというと、ITリテラシーを高めると情報収集や情報活用が効率的になり、業務の効率化や生産性の向上に直結するからです。ITリテラシーがあれば膨大なインターネットの情報を取捨選択して素早く正確に必要な情報を得られます。また、日進月歩で進化し続ける最新ITツールを使いこなせれば、業務効率を上げられるでしょう。逆にITリテラシーが低いとビジネスチャンスを逃してしまう可能性や、生産性の低下を招く場合があります。競合他社やライバルに競争力で負けないため、ITリテラシーは現代社会で不可欠な存在なのです。
ITリテラシーの3つの基本スキルとは
ITリテラシーには情報基礎リテラシーとコンピュータリテラシー、そしてネットワークリテラシーという、3つの基本スキルがあります。これらのスキルが具体的に何を意味し、どのような影響をもっているのかを紹介します。
情報基礎リテラシー
情報基礎リテラシーとは、情報を正しく活用するための基礎的なスキルや知識、正確性や信頼性を判断する能力、そして情報を扱う際のルールやマナーを理解することです。現代社会では、IT技術の発展によって誰でも手軽に情報を得られるようになりました。フェイクニュースや誤情報に惑わされないようにするため、入手できた情報源が信頼できるものであるか、情報が正確であるかを判断する必要があります。得られた情報を適切に活用する能力が重要になります。
コンピュータリテラシー
コンピュータリテラシーはコンピュータを利用するのに必要な基本的なスキルや知識です。コンピュータを操作して必要な操作・情報収集ができる知識と能力です。基本的なコンピュータの操作方法だけでなくソフトウェアの使い方やインターネットの活用方法、データの保存と管理、トラブルシューティングなどの技術的な知識もコンピュータリテラシーに含まれています。ウイルス対策ソフトの利用、パスワードの管理などは、自身と他人のデータを保護し、不正アクセスやサイバー攻撃から情報を守るため必要な知識です。
ネットワークリテラシー
ネットワークリテラシーはインターネットを正しく使うための知識や能力です。インターネットの情報や事象を正しく理解し、それを適切に判断、運用できる能力となります。インターネットの情報を正しく理解し、自分で情報の選択ができる力は、単に情報を得る力よりも重要です。情報を取捨選択する能力や個人情報漏えいなどの脅威から身を守る能力は、これから日常的にインターネットを利用していく際には不可欠な能力でしょう。
ITリテラシーが低いリスクとは
次に低ITリテラシーのリスクにはどのような問題があるのか紹介していきます。
個人や組織が注意すべきITリテラシーが低い実例
個人や組織が注意すべき低ITリテラシー実例を紹介します。
実例1:
ある大手企業のウェブサイトで、数万件に及ぶ顧客情報流出事件が発生しました。賞品応募者名簿やアンケート情報、商品購入者リストなどの情報が外部に流出したのです。これらの事件の大半は、基本的なサーバ設定ミスやセキュリティ対策の不備が原因でした。
引用:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/kokumin/business/business_case_01.html
実例2:
大手企業のある社員は、コミュニティサイトの運営を委託されました。しかし、業務用のパソコンを社外にもち出し紛失します。このパソコンにはロック機能がありました。しかし、1000人以上の顧客情報が含まれていたため問題になります。また、ある病院の職員が、患者の個人情報データをUSBメモリに保存し、それをもち出して紛失するという事件も発生しました。これらの事件はいずれもIT機器の管理ミスが原因でした。
引用:https://jp.norton.com/blog/emerging-threats/leakage-case
実例3:
ある年の婚活マッチングイベントで問題が起こりました。通常、イベント参加者へ一斉送信するメールは、他の送信者に内容が見えないようにBCCで送信します。しかし、誤って直接宛先に個人のメールアドレスを入力してしまったため、参加者同士の情報が互いに知られてしまうという事態が発生しました。
引用:https://www.security-next.com/140931
ITリテラシー向上のメリットとは
低ITリテラシーの問題について紹介してきました。では、ITリテラシーを高めるとどのようなメリットがあるのでしょうか?
まず、業務効率化による生産性向上です。全体のITリテラシーを上げることで、一部の従業員にかかる負担が軽減されます。セキュリティリスクを理解し適切な対策が実施できるようになると、強固なパスワードの設定の方法や安全なウェブサイトの見分け方、フィッシングメールの識別などができるようになります。すると、データ流出などのリスクが軽減されるでしょう。デジタルツールを活用したコミュニケーションや協働、情報共有が円滑に行われるようになり、作業効率が向上します。リモートワークやフレキシブルワークが可能になると、従業員のワークライフバランスも改善されます。
以上のように、ITリテラシーを高めると、セキュリティ対策の強化から職場環境の改善まで、多くのメリットをもたらすのです。
ITリテラシー向上の方法を紹介
ITリテラシーを向上させる方法として、ITリテラシーは一度身につけたら終わりではなく、情報は常に更新されてアップデートする必要があります。そのため、情報収集は毎日、または定期的に行い、常に最新の情報を把握しましょう。
また、集めた情報を自分なりに理解し、興味をもった内容についてさらに深掘りして調べてみましょう。
ITリテラシーを高める資格
ITパスポート試験:
ITを利活用する社会人や学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。社会人や学生など幅広い層から支持され、多くの企業で積極的に活用されています。社会人として必要な基礎的能力を国が証明する試験です。
IC3:
IC3は、コンピュータとインターネットに関する基礎知識とスキルを証明する国際資格です。デジタルリテラシーの標準として認知されています。IC3にはGS5とGS6の2つのバージョンがあります。
情報セキュリティマネジメント試験:
情報セキュリティマネジメントの計画・運用・評価・改善を通して、組織の情報セキュリティ確保に貢献するスキルを認定する国家試験です。業種・職種を問わず、営業・企画・製造・総務・人事・経理などの部門で、情報セキュリティマネジメント人材が強く必要とされている現場での活用が想定されています。
基本情報技術者試験:
基本情報技術者は、「情報処理技術者試験」の一部であるIT系資格です。この試験は経済産業大臣が実施している国家試験です。基本情報技術者資格を取得すれば、高いIT技術・知識をもつことが証明され、実践的に能力を活用できる即戦力としてアピールできます。
まとめ
ITリテラシーを高めると、業務の効率化から情報の正確な取得、セキュリティ対策、そして職場環境の改善に至るまで大きなメリットが得られます。そのため、個々の従業員だけでなく、組織全体としてもITリテラシーの向上に取り組むことが強く求められています。ぜひこの機会にITリテラシーについて学習を始めてはいかがでしょうか。