ChatGPT Code Interpreterとは?使い方からできること・課題も解説
はじめに
- ChatGPTの新機能の紹介です。
- GPT-4で利用できるCode Interpreterの使い方やできることを紹介します。
- Code Interpreter利用時の課題や注意点を理解しょう。
- ビジネスにも活用できるCode Interpreterの使い方を習得しょう。
2023年7月に運営会社であるOpenAIが公開したChatGPT上で、Code Interpreter(コードインタプリタ)という新たな機能が公開されました。実際に何ができるのかを見ていきましょう。
Code Interpreterとは
Code Interpreterは、ChatGPTの有料版であるGPT-4(サブスクリプションで月額20ドル)で利用できます。ローカルファイルをアップロードしたり、Python言語を使ってコード実行したりできるGPT-4の新たな機能です。アップロードしたファイルの編集・データ分析やグラフの出力、Python言語によるプログラミングの生成・実行が可能となりました。
ChatGPT未経験の方は、まずこちらの記事からご覧ください。
ChatGPT(チャットGPT)とは?初心者向けの使い方を紹介
Code Interpreterの導入手順
最初にChatGPTの有料版であるGPT-4に登録します。アクセス後、設定画面から以下の導入手順でCode Interpreterを有効にして利用します。
1.設定画面より「Settings & Beta」を開く
2.「Beta features」タブをクリック
3.「Code Interpreter」を有効にする。
4.TOP画面に戻り、「GPT-4」をクリック
5.「Code Interpreter」を選択する
これで、Code Interpreterの利用ができます。右上の設定より、ファイルのダウンロードなどを行い編集が可能です。
ChatGPTには、無料で利用できるものと、Code Interpreterのように有料のものがあります。以下記事では、その違いを詳しく解説しています。
ChatGPT Plusとは?有料版と無料版の違いを解説
Code Interpreterの使い方
アクセスできたら基本的な使い方の特徴を解説します。ChatGPTの最大のメリットである簡単な操作方法です。
GPT-4を用いた自然言語での会話
チャットでの質問や指示・回答は、話し言葉である自然言語で行われます。普段使っている言語で質問するとその言語で返答されます。ダウンロードしたファイルの編集も、話し言葉で指示を出すことで実行可能です。
たとえば、Wordファイルに文字起こしした会話文をダウンロードして、会話部分「」を吹き出しコメントに変更する場合は、以下のような指示が考えられます。
記入例
文字起こしした会話文ファイルの「」部分を、吹き出しに変更して、会話を記載し並べてください。
コードの実行と結果報告
プログラミング未経験者でもコード生成ができます。ダウンロードしたファイルの編集を、自然言語で指示をすると、必要に応じてプログラミングによる処理が行われ、処理内容が解説された後にコードの実行がされます。プログラミングに必要なコードがPython言語で表示され、「この形式で実行されます」などの確認がされ、問題なければ実行される手順です。
結果報告もあり、Python言語を習得していれば、内容の理解もしやすいでしょう。
Code Interpreterでできること
Code Interpreterを使って、何ができるのかを詳しく見ていきましょう。
ファイルのアップロード
Excel・Word・CSV・PowerPoint・PDF・画像・音声などの、ローカルファイルをインストールしてデータの編集ができます。それぞれのデータを単体で編集したり、複数データを統合して編集したりも可能です。たとえば、Wordに記載された報告文に、Excelに記載された表データを統合してPDFファイルにまとめるなどです。チャット画面で行いたい操作を、会話形式で伝えていくことで、GPT内のPythonによりプログラミングされ出力もできます。
画像データを動画サイトにアップするために適した形式への編集も可能です。
データ分析
Excelファイルの整理・抽出・分析などができます。たとえば、Excelファイルにまとめられた商品別売上一覧から、売上個数の抽出・売上高の変遷を抽出するなどを人の手で行うと、いくつものExcelへの指示が必要になります。Code Interpreterを使って行うと、会話形式の指示だけで操作でき、さらに結果には傾向と対策を分析した報告が可能です。Excelの操作時間の短縮や分析データを活用してマーケティング利用もできるでしょう。
グラフの生成(多様な出力形式)
Excelファイルのデータを整理・分析してグラフとして出力することもできます。データの多いファイルを必要に応じてグラフに生成することで、見やすくなりかつ活用の範囲も広がるでしょう。また、生成したグラフをWord原稿とあわせてPDFファイルに置き換えることで、プレゼン資料などに活用できます。これも会話形式の指示で可能です。
Python言語による生成・実行
プログラミングは、JavaやHTMLなどのプログラミング言語を記載することで動作を行います。しかし、Code Interpreter内では、Python言語を用いて、指示に沿ったプログラミングを自動で行ってくれます。プログラミングができなくてもアプリ開発も可能です。会話形式の指示でプログラムを生成し実行できるのです。プログラミングの結果も表示されるので、プログラミング経験者にはPythonの配置を確認することもできます。
Code Interpreterの課題と注意点
一段と使い勝手がよくなったGPT-4にも、課題や注意すべきことがありますので理解しましょう。
制約のあるところ
Code Interpreterには、安全性の担保や開発過程であるため、制約されるところがあります。目覚ましい進化をしているChatGPTなので、近い将来改善される可能性はありますが、 2023年11月現在の状況を解説します。
インターネットへアクセスできない
Code Interpreterは、インターネットにつながっていないスタンドアロンなコンピュータ上でPythonが実行されるため、インターネットへのアクセスはできません。さらに、Web上にあるデータのダウンロードも利用不可です。OpenAIが管理するコンピュータ上でAIを活用するということです。
Web版以外利用できない
現在、すべての機能を利用できるのはWeb版だけとなります。iOSアプリやAndroidアプリではCode Interpreterを選択できません。ChatGPTやGPT-4は利用できますが、ローカルファイルのアップロードなど、Code Interpreterの機能はまだ利用できない状況です。開発途中なので変わっていくでしょう。
ライブラリの一部は日本語対応が遅れている
ChatGPTの日本語対応はかなり進んできましたが、一部ライブラリでは、思い通りの回答が得られない場合もあります。こちらも順序改善されていくでしょう。ただし、AIの特性上収集した情報がすべて正しいと言い難いこともあるので、結果を確認・精査する必要はあるでしょう。
データの保存期間が短い
ChatGPTでは、混雑時キャンセル待ちになることがあります。GPT-4では、改善されていますが、利用できる時間はあまり長くありません。Code Interpreterにアップロードしたファイルの保存期間も、短時間なので注意が必要でしょう。
守るべきセキュリティ対策
ChatGPTはAIが学習した膨大なデータの中から最適解を提示します。そのため、ダウンロードされたデータは、AIの学習に使われる可能性があると認識しましょう。機密情報や個人情報などはダウンロードしない方がよいでしょう。
Web上にある多くのデータの活用や、Web上に公開することで生じる問題やトラブルについて、正しい認識をもつ必要があります。【新卒向け】陥りがちなコンプライアンス違反の事例と注意点。この記事はコンプライアンス違反について、記載してありますので、参考にしてください。
うまく使えないときの対処法
欲しい回答が得られないとき、動作が不安定なときなど、うまく使えないときは以下のことを試してみましょう。
プロンプトを変更・追記する
Code Interpreterを利用するときに、ざっくりとした質問や指示では、回答も大まかで広い範囲になったり、異なる方向にいったりしてしまいます。チャット画面での指示は、できるだけ必要条件を細かく指定する方が望む回答にたどり着きやすくなります。望む回答が得られるようにプロンプトを変更したり追記したりしましょう。
プロンプトについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ChatGPTのプロンプトとは?作成のコツやテンプレートも紹介。参考にしてください。
ブラウザのキャッシュをクリアに
動作が不安定なときは、ブラウザを軽くしてあげることも一手です。ブラウザ内の不要なキャッシュを削除してみましょう。
再ログインしてみる
再ログインによって機能がリライトされ正常に作動する場合がありますので試してみましよう。作成したデータの自動保存機能もあります。しかし、タイムアウトなどでデータが消失する場合もあるため、こまめな保存も必要でしょう。
ビジネスへの利用が広がる
Code Interpreterは、さまざまな場面でビジネスに活用でます。業務の効率化を図るために、多くの手順の必要な操作をCode Interpreterに任せてしまうのもよいでしょう。安全性や正しい情報が担保されることで、今後の利用価値もあがっていくでしょう。GPT-4に搭載されて間もないCode Interpreterです。今から利用して、早い段階から操作に慣れておくことが望まれます。
類似したサービスにGoogle Bardがあります。以下の記事はGoogle Bard とChatGPTの違いについて記載しました。Google Bardとは?ChatGPTとの違い 。自分にとって使いやすいサービスを知ることも大切です。一読ください。
Pythonの知識を学ぼう
Code Interpreter を利用するにあたって、プログラミング後に、自動生成されたコードが正しいかを判断できれば、実行された結果の修正に時間をとられることもありません。Pythonの知識があれば、どのように指示を出せば、思い通りの結果にたどり着けるかも理解しやすいでしょう。Code Interpreterをよりいっそう有効活用するために、Pythonの知識習得をオススメします。
まとめ
ChatGPTが公開されてから、わずかな期間に目覚ましい進化を遂げています。Code Interpreterを利用することは、これからのビジネスパーソンにとって有効な手段と言えます。しかし、正しく利用するためには人間自身の在り方も大切です。AIの特性や注意点を理解して、有効活用しましょう。