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夏冬ボーナス/賞与の平均額は? いつ支給? 計算方法は? を解説

date2022年12月22日
夏冬ボーナス/賞与の平均額は? いつ支給? 計算方法は? を解説
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はじめに

業種や職種、働き方などによってボーナス(賞与)にはさまざまな事情が存在します。ボーナスの平均額や手取り金額を計算する方法、ボーナスの使いみちなど、聞いてみたい、知っておきたいボーナス事情についてご紹介します。

ボーナス(賞与)とは

ボーナス(賞与)とは

固定給で働いている労働者に、給与とは別に支給される一時金を「ボーナス(賞与)」と呼びます。しかしボーナスは必ずしも支給する義務があるわけではなく、企業が利益を上げた場合などに、従業員に利益を還元するために支払われる一時金であるとも考えられています。

由来は?

語源は「よい」という意味をもつラテン語、「ボヌス」です。そこから派生し、英語の「bonus(ボーナス)」となりました。ラテン語の「ボヌス」とは、ローマ神話に登場する成功と収穫の神、「Bonus Eventus(ボヌス・エヴェントス)」が由来です。
日本での発祥は江戸時代にまでさかのぼり、商人たちが盆と正月に配った「氷代」や「餅代」が由来であるとも言われています。賞与としての記録は、明治9年の三菱商会のものが最古となるようです。

支給日はいつ? 平均は? 何ヶ月分?

一般的にボーナスは夏と冬の年2回支給されます。しかしあくまでも年2回は平均的な回数であり、企業によっては年に3回支給や、年度末にまとめて1回というケースもあるようです。
ひとことで夏と冬と言っても、公務員と一般企業では支給日が異なるケースもあります。両者の違いを支給時期や平均金額などを交えて紹介しましょう。

国家公務員

国家公務員に支給されるボーナスの平均金額は年間175万円です(令和4年)。月給の4.3ヶ月分を年2回に分けて支給されます。支給日は6月30日および12月10日(土日祝日にあたる場合は前日・もしくは前々日)と定められています。

参考:内閣官房内閣人事局|国家公務員の給与

地方公務員

地方公務員のボーナスは自治体や職種、学歴などによって金額がことなります。東京都の場合、所得税等控除前で平均184万円、控除後で平均146万円が夏冬2回に分けて支給されます(令和4年)。月給の4.45ヶ月分です。支給日は国家公務員と同じ、6月30日と12月10日です。

参考:東京都|夏季の特別給の支給について

一般企業

一般企業のボーナス支給状況は企業によってまちまちです。年に1回のところもあれば3回のところもありますし、業績によってはボーナスなしという場合もあります。また、企業の大きさによってもかなり差が開きます。令和3年の従業員数10人以上の企業の平均支給額は87.5万円で月給の2.6ヶ月分ですが、1000人以上の企業の平均支給額は117.0万円で月給の3.1ヶ月分です。また、支給日も公務員のようには決まっておらず、夏は6月下旬から7月上旬、冬は12月というところが多いです。

参考:厚生労働省|賃金構造基本統計調査

ボーナス支給の条件や金額の決め方

ボーナスが支給されるかどうかは通常、就業規則や雇用契約書に定められています。支給されるのは正社員のみ、支給日に企業に在籍している人、としているところが多いようです。正社員であれば、たとえ育児休業中であっても支給されます。
全体の支給額は企業の業績によって決まり、個人の支給額は個別の貢献度などの評価(査定)によって決まります。

決算賞与って?

企業は年に一度決算をおこないます。決算賞与とは、決算が終わったあとに通常のボーナスとは別に支給されるボーナス(賞与)のことです。あくまで臨時ボーナスであり、企業の業績が悪化していた場合は支給されないこともあります。社員にとっては自分が頑張ったおかげで企業の業績が上がり、決算賞与がもらえるとモチベーションが上がるでしょう。一方、企業にとって決算賞与は税金対策にもなり、メリットがあります。3月に決算をおこなう企業が多いので決算賞与も3月に支給されることが多いです。

業績賞与って?

業績連動賞与ともいいます。これまで一般的だった給料何ヶ月分、といった給料連動型賞与に対して、企業の業績や個人の評価と連動させる仕組みなのが業績賞与です。大企業を中心に業績賞与を取り入れる企業が増えています。
業績によって支給額が変わることで、たとえば新入社員でも頑張った人には多く支給され公平感が生まれます。一方、あてにしていた金額が支給されないことで、家計のやりくりが大変になる従業員が出てくるというデメリットもあるでしょう。モチベーションが上がる従業員と下がる従業員とに分かれてしまうのです。業績賞与を取り入れる企業には工夫が求められます。

ボーナスから引かれる金額

ボーナスから引かれる金額

ボーナスは全額もらえるわけではなく、税金や社会保険料が引かれ(控除され)ます。控除の項目は以下の通りです。

  1. 健康保険料
  2. 介護保険料(40歳以上の方のみ)
  3. 厚生年金保険料
  4. 雇用保険料
  5. 所得税

夏冬ボーナスの手取り計算方法

ボーナスの手取りはいくらくらいになるのか、誰しも気になるところです。計算方法は普段支給されている月給がいくらか、年齢はいくつか、扶養家族がいるかどうかにもよって変わってきます。ここでは手取り額を出す基本の計算方法を紹介しましょう。

まずはボーナスの額面から明細に書いてある上記1~4の社会保険料を引いた額(A)を出します。それが課税対象額となるので所得税率をかけたものが、所得税の金額(B)です。(A)-(B)が手取り額になります。もしボーナスの額面が100万円だったとしたら、手取りはおよそ7~80万円になります。

ボーナスの計算方法についてくわしくはこちらの記事、ボーナスに税金はかかる?手取りの計算方法と引かれる税金の詳細を参考にしてください。

手取り計算方法

手取り=
ボーナス-(厚生年金保険料+健康保険料+雇用保険料+介護保険料+所得税)

ボーナス「なし」で働くメリット・デメリット

ボーナス「なし」で働くメリット・デメリット

会社員として働く上で、ボーナスがあるかないかは大きな差になると考える人もいることでしょう。年俸制のようにボーナスがない働き方のメリットとデメリットをそれぞれ説明します。

メリット

昨今では欧米のように年俸制で働く人も増えました。ボーナスなしの働き方をするメリットについて以下2点、まずは確認してみましょう。

1.業績に関係なく固定給が高く安定している

年俸制を取り入れている企業では、年間の給与を12ヶ月に分割して支給するという形態をとっている場合があります。この場合、年収が同じであれば、ボーナス無しのほうが月々の給与額は高くなります。たとえば年収360万円のケースでは、年俸制でボーナス無しの場合は月々の給与が30万円になります。同じ年収で、年間60万円ボーナス有の企業の場合は、月々の給与が25万円になります。

2.企業の利益や景気に左右されず安定した収入を得やすい

前述のとおり、ボーナスは企業側に支払い義務のあるものではありません。そのため、企業の業績や景気が悪くなれば減額されたり、場合によっては無くなってしまったりすることもあります。年俸制ではじめからボーナス無しの場合は、ボーナスカットにより年収が下がるというリスクがありません。

デメリット

次に、ボーナスのない働き方をするデメリットについて以下の3点を見てみましょう。

1.業績への貢献度がすぐには反映されない

年俸制では1年の報酬を前もって決めてしまうため、年のはじめに業績に大きな貢献をしても、次の年の契約時まで報酬には反映されないといったことが起きる可能性があります。そのような時はボーナスのある働き方ならすぐにボーナスに反映されるのに、と思わざるを得ないでしょう。

2.社員のモチベーションの低下

ボーナスをもらえないことで社員が自分の業績に見合った収入を得られないとき、モチベーションが低下する場合があります。年俸制の場合、評価が給与アップとなって返ってくるのは長い場合では約1年後となってしまいます。1年もの間モチベーションを保ち続けるのは容易ではありません。転職が頭をよぎるのもこのような時かもしれません。

3.イレギュラーな出費対応ができない

ボーナスがもらえないと大きな買い物などがしにくい面があるかもしれません。結婚や出産、病気といったライフイベントの際にも「ボーナスがあったほうがよかったかも」と思う可能性はあります。何事も計画的に進めることができれば問題ないのでしょうが、なかなかそうもいかないのが現実というものです。年俸制の人はいざというときのために、年俸制でない人より貯蓄を増やすといった対策を取ることが重要でしょう。

ボーナス前に退職はもったいない?

ボーナス前に退職はもったいない?

「ボーナスをもらってから退職をしたほうがいい」。このような話を聞いたことはないでしょうか。しかし本当にボーナスをもらう前に退職すると損をしてしまうのでしょうか? 具体的に見ていきましょう。

ボーナス支給後の退職では

ボーナスをもらってから退職することは、決して悪いことではありません。退職後にまとまったお金があれば、生活面だけでなく再就職活動をするうえでも安心でしょう。
退職の仕方としては、ボーナスの支給後に退職届けを出し、引き継ぎをおこないながら退職するという流れがオススメです。ボーナスが支給された翌日に退職届を出すのは印象がよくないので避けましょう。具体的なスケジュールとしてはボーナス支給の1~2週間後に退職届を出し、1ヶ月程度かけてきちんと引き継ぎを済ませて円満退職を目指しましょう。

ボーナス支給前の退職では

ボーナスが支給される前に退職を希望する場合は、勤務先企業の就業規則を事前に確認しておくことをオススメします。ボーナス支給前の退職では、企業によってはボーナスがもらえたり、もらえなかったりと違いがあるからです。
多くの企業の就業規則には、ボーナスが支給される日に企業に在籍していないと、ボーナスは支給されないとされています。ただし、有給休暇の未消化分が残っている場合はボーナス支給日から逆算して有給休暇を消化し、支給日には出勤していなくても在籍となるようにすることも可能です。
一方でボーナス支給前に退職の意志を示していると、ボーナスが減額されることもあるようです。就業規則を確認し、ボーナスがもらえるかどうかの確認もしておいてから、辞めるタイミングをしっかりと見極めてください。

有意義なボーナス(賞与)の使い道は?

有意義なボーナス(賞与)の使い道は?

支給されたボーナスをどう使うかは自分次第ですが、どのような使い方をすれば有意義になるのでしょう。自己投資や自分へのご褒美など、よりよいボーナスの使い方を考えてみました。

自己投資に使う

ボーナスの使い方として、貯金をする人も多いのではないでしょうか。先行きが見えにくい世の中だからこそ、まとまったお金を貯金して蓄えておくことは大切だと言えるでしょう。
しかしすべてを貯金に回してしまうのではなく、自分を磨くための投資資金にもぜひ使ってみてください。知識を増やしたりスキルアップを目指したり、美容アイテムを買ったりジム通いをすることは、決してムダにならない有意義な使い方と言えるはずです。

自分へのご褒美を買う

ボーナスは頑張って仕事をしてきた自分へのご褒美とも言えます。思い切って以前から欲しいと思っていたものを購入するための資金にしてみてはいかがでしょう。無駄遣いにならない程度に欲しかったものを買ったり、食べたり、遊びに行くことは、仕事に対する新たなモチベーションアップにつながります。

親孝行をする

高価なものでなくても構いませんので、ご両親になにかプレゼントや旅行を贈ったり、食事をごちそうしたりしてみてはいかがでしょう。普段はなかなか感謝の気持を伝えられないかもしれませんが、ボーナスが入ったからというきっかけがあれば、親孝行もしやすいのではないでしょうか。
家族だけではなく、お世話になった先輩や後輩、同僚などに、ちょっとしたお礼をしてみてもよさそうです。

まとめ

日本では働き方が多様化し、終身雇用制度は減る傾向にあります。せっかくもらったボーナスは貯蓄に回すにしろ自分のために使うにしろ、いつ何が起きても困らないようにしておきたいものです。また、これを機会に他の企業のボーナス事情を調べてみると、「月給は今ひとつだけどボーナスは高い」「完全年俸制でやりがいがありそう」など、いろいろなことが見えてくるでしょう。ボーナスをきっかけに自分のライフスタイルに合った働き方を模索するのもおもしろいかもしれません。

最後のチェックポイント

  • 地方公務員のボーナスの支給額は市町村によって違う
  • 給与の何ヶ月分という支給の仕方から業績に応じて払う賞与が増えている
  • 総支給額から社会保険料と所得税を引いたものが手取り額である
  • 年俸制などボーナスのない働き方も増えている
  • ボーナスをもらって退職するには就業規則をよく読もう
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