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アプリ開発の基礎知識~プログラミング言語から開発工程まで

date2024年06月26日
アプリ開発の基礎知識~プログラミング言語から開発工程まで
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はじめに

  • 多くのアプリが、日常生活はもちろん仕事にも使われるようになった
  • iPhone向けとAndroid向け、どちらがよいかは重要視するポイントに左右される
  • 開発にオススメな言語はiPhone(iOS):Swift・Objective-C、Android:Kotlin・Java
  • スマホアプリ開発の流れをiPhone・Androidに分けて解説する
  • アプリ市場は拡大傾向にあり、これからも市場規模は伸びていくと予想される

現在の高度情報化している生活において「アプリ」を使わずにいることはなかなか難しいです。ここでもう一度アプリについての知見を深めておくのはいかがでしょうか。

便利な「アプリ」の登場

アプリは私たちの生活をより便利で快適にしてくれています。近頃では、日常生活はもちろん仕事にも多くのアプリが使われるようになりました。これからも新しいものが続々と登場し、ますます多様なニーズに対応していくことでしょう。

アプリとは

アプリとは「アプリケーション(application)」の略で「応用・適用・申請・応募」といった意味です。しかし近頃では「利用者(ユーザ)の業務や目的に応じて作成されたプログラム」をさす言葉として使われるようになっています。

アプリ開発はiPhone向けとAndroid向け、どちらがよいか

普及率の高いスマホで使えるアプリ開発は、iPhone向けとAndroid向けどちらにすればよいでしょうか。悩ましい問題ですが、どちらを結論とするかはさまざまな要因によって左右されます。ここでは大きな3つの要因についてiPhoneとAndroidを比較していきます。

シェア率

シェア率

iPhone(iOS)とAndroid、OSとしてのシェア率で比較するとどうでしょうか。「メインで利用しているスマートフォンのOSについてのアンケート」(2023年9月 「MMD研究所」調べ)では、iPhone(50%):Android(49.7%):その他(0.3%)となっています。近頃まではiPhoneユーザの多い傾向にあった日本ですが、最近ではAndroidユーザも増えてきています。

求人数

では次にiPhone(iOS)とAndroid、求人数で比較してみるとどうでしょうか。「Indeed」で検索したところiPhone(iOSで検索)(112,791件):Android(109,580件)となりました(2024年6月)。求人数で比べると、少しだけiPhone(iOS)のほうが多いようでした。たしかにiPhone(iOS)の求人数は多かったのですが、Androidの求人数も同じくらい多いため、どちらの開発スキルを身につけることを選んだにしても社会的な需要は期待できるでしょう。

学習難易度

では3つ目に、iPhoneとAndroid、学習難易度での比較はどうでしょうか。
結論からいいますと、プログラミング学習環境の点でiPhoneアプリ開発のほうが初心者向けです。比較的容易で、直感的な文法を持ち、エラーを防ぐ機能が多い言語をAppleが提供しています。またiPhoneアプリ開発については解説サイトなど情報が多く、勉強のしやすさでiPhoneのほうがAndroidよりも優れているといえるでしょう。

スマホアプリ開発にオススメなプログラミング言語とは

アプリ開発にはプログラミング言語を使う必要があります。iPhoneとAndroidそれぞれについてオススメを2つ紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

iPhone

iPhone(iOS)向けアプリ開発のオススメ言語はSwiftとObjective-Cの2つです。以下に解説します。

  • Swift:2014年にAppleが開発したプログラミング言語。macOS・iOS製品のアプリケーション・システム公式標準開発プログラミング言語に指定されています。処理が非常に速いという特徴があります。習得難易度が低く、プログラミング言語未経験の人にもオススメのプログラミング言語です。
  • Objective-C:オブジェクト指向型という特徴があります。C言語との互換性も高いです。
    レガシーアプリや既存の大規模プロジェクトで使用されることがあります。しかし前述したSwiftの登場により、Objective-Cのみでの開発案件は少なくなってきています。

Android

Android向けアプリ開発のオススメ言語はKotlinとJavaの2つです。以下に解説します。

  • Kotlin:2011年にJetBrainsによって開発され、2017年Google I/Oで Android の公式言語としてのサポートが発表されました。Javaと互換性があり、Javaで記述されたライブラリやフレームワークをそのまま利用でき、簡潔で読みやすいコード記述を可能にする機能を備えています。近年 Android アプリ開発では、Kotlin が主流です。
  • Java:1995年にSun Microsystemsによって開発された、オブジェクト指向のプログラミング言語です。Android の初期から開発言語として採用されており、豊富なライブラリとフレームワークを利用できます。世界で最も広く使用されているプログラミング言語の一つです。

スマホアプリ開発の流れ

スマホアプリ開発の流れPC
スマホアプリ開発の流れSP

スマホアプリを開発する流れについて解説します。実際にイメージしやすいように順を追っていきますので、自分で開発する際は参考にしてみてください。

1.環境構築

まずは自分のパソコンでアプリ開発ができる環境を構築する必要があります。

iPhone向けアプリの場合
1 AppStoreで「Xcode」を検索
2 AppStoreから「Xcode」をダウンロード、インストール

Android向けアプリの場合
1 JDK(Java Development Kit)をダウンロード、インストール
2 Android Studio をダウンロード、インストール
3 必要なSDK(Software Development Kit)を追加でインストール
4 エミュレーターを設定する

2.企画作製

環境構築ができたら、次は「どのようなアプリを作るか」の企画をしましょう。明確なビジョンがなければアプリは方向性を失ってしまいます。企画作製の際には、以下の5点を決めたりおこなったりする必要があります。

  • アプリの目的と目標:アプリで何を達成したいのか、ターゲットユーザは誰か
  • 機能と要件:アプリに必要な機能と、ユーザが期待するものをリストアップする
  • 収益化戦略:アプリをどのように収益化するのかを検討する
  • 競合分析:既存の類似アプリを調査し、差別化ポイントを見つける
  • スケジュールと予算:開発期間とコストを概算する

3.開発

アプリを形にする段階です。実際に手を動かし、アプリケーションをコーディングして機能を実装します。

iPhone向けアプリの場合
iPhone向けアプリの開発は1で導入したXcodeを使います。

Android向けアプリの場合
Androidアプリの開発は1で導入したAndroid Studioを使います。

4.テスト

開発が完了しても、すぐにリリース段階に行けるわけではありません。リリース前には、開発したアプリが実際にきちんと作動するかどうかをチェックする必要があります。

iPhone向けアプリの場合
手元にiPhoneを用意すれば、実機でアプリを実行してテストすることが可能です。
また、iPhoneアプリのテストはXcodeでもおこなえます。メニュー画面から「Open Developer Tool」を選択→「iOS Simulator」という項目があるのでこちらをクリック、でOKです。動作テストしたいアプリを選択してください。

Android向けアプリの場合
テストではAndroid端末を手元に用意できれば便利です。またそれが難しくても、Androidエミュレーター(パソコン上で動く仮想のAndroid端末)を使うことができます。Android開発現場では「Geny Motion」というエミュレーターがポピュラーです。

5.リリース

上記のテストも実施してアプリ開発が完了したら、最後はリリースです。

iPhone向けアプリの場合
Apple Developer Programへの登録に毎年$99が必要です。iOSアプリの審査基準は厳しいので入念な準備が必要になります。
1 Apple Developer Program でアカウントを作成(AppleIDが必要)
2 プロビジョニングプロファイルを準備
3 iTunes Connectへアプリの情報を登録、価格および配信状況の設定
4 iTunes Connectへアプリをアップロード
5 アップロードしたアプリをAppleが審査
6 審査が通ればリリース

Android向けアプリの場合
Google Playで公開するのが一般的で、デベロッパーとして登録するには$25が必要になります。
1 Googleデベロッパーアカウントを作成
2 デジタル署名したパッケージファイル(apk)を準備
3 Google Playにアプリケーションを登録

まとめ

日常生活はもちろん仕事にも多くのアプリが使われています。近年、アプリという言葉は「利用者(ユーザ)の業務や目的に応じて作成されたプログラム」という意味で使われています。
普及率の高いスマホで使えるアプリ開発はiPhone向けとAndroid向け、どちらがよいか? という疑問については、3つの要因から比較しました。どちら選択するかはさまざまな要因によって変わります。

  • シェア率:日本では近頃までiPhoneユーザの多い傾向にあったが、最近ではAndroidユーザも増えてきている
  • 求人数:少しだけiPhone(iOS)のほうは多いが、Androidの求人数も同じくらい多い(2024年6月)
  • 学習難易度:勉強のしやすさはiPhoneのほうが解説サイトなどの情報も多く、Androidよりもよい環境にある

スマホアプリ開発にオススメな言語とは何か? という疑問についてはiPhone(iOS)とAndroidでそれぞれ2種類オススメしました。

  • Phone(iOS):Swift・Objective-C
  • Android:Kotlin・Java

最後に「実際のスマホアプリ開発で参考にしてほしい」と、流れを5つに分けて解説しました。

  1. 環境構築
  2. 企画制作
  3. 開発
  4. テスト
  5. リリース

アプリ市場はダウンロード数・売上高が年々増加しており、これからも拡大していくことが予想されます。この記事を読んでアプリについての知見を深め、時代にキャッチアップしていきましょう。

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