AIとは?技術開発の流れ|身近な技術や応用・将来性まで
はじめに
- AIとは人工的に作られた知能を実現させる取り組み・技術・知能研究のこと
- 現在第3次ブームであり、2000年代より続いている
- AIには汎用型と特化型の2種類存在している
- AI技術を開発する流れには「構想」「PoC」「実装」「運用」という4フェーズがある
- 「画像分析」「音声認識」「自動言語処理」「IoT」「チャットボット」が身近なAI技術
- AI開発におけるアルゴリズムは日々増えていて、その分AIができることも増えている
AIとは?と聞かれてすぐに答えを出すのは難しいでしょう。現在は第3次AIブームと呼ばれているほどAIの技術が発達し、浸透してきています。この記事では、AIとは何かからAIの種類、開発の流れ、身近にある技術一覧を紹介していきます。この記事を通し、AIを身近に感じて興味を持っていただけたら幸いです。
人工知能(AI)とは
人工知能(AI)とは、Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)の略称です。人工知能は、人工的に作られた知能を実現させる取り組みやその技術・知能全体を研究する分野です。1950年代より研究が行われています。今まで数回のブームが起きており、現在は2000年代より第3次AIブームが続いています。第3次AIブームはコンピュータ技術が発達し、機械学習という考えが生まれスマートフォンの普及が進みました。
汎用型AI
汎用型AIは特化した能力ではなく汎用性の知識を持つAIです。人間と同様の知識・知能・感性を持ち、自ら思考・判断を行えます。SF映画のロボットの多くは汎用型にあたりますが現在の技術ではまだ完成されていません。
特化型AI
特化型AIは人間が行っている特定の業務に特化して自動化するAIです。自動で学習・処理を行うため作業の効率があがります。現在、ビジネス分野において業務に使用されている主流のAIは特化型です。
AIモデル(AI機械学習モデル)
機械学習はデータ分析を行う学習方法のひとつです。大量のデータを入力し、データの特徴の精査し出力を行います。このデータ入力から特徴を学び出力までの工程を法則化させて自動化するまでの手順を機械学習と呼びます。
AI学習モデルはAIの技術を用いて上記の機械学習を行うことです。学習モデルには主に機械学習を含む教師あり学習、ディープラーニングを含む教師なし学習、AIが試行錯誤を重ねてモデルを作成する強化学習の3種類があります。
機械学習を行うエンジニアについては、機械学習エンジニアとは(仕事内容、未経験からのなり方、必要スキルの習得方法、将来性、転職方法などこれさえ読めば全網羅)でより詳しくご紹介しています。あわせてご確認ください。
AI技術を開発する流れ
各フェーズを行い、運用を続けながら日々メンテナンス・アップデートを行い、必要に応じてそのフェーズに戻ります。
- 構想フェーズ:課題に対してAIが解決に導くのか構想
- PoCフェーズ:構想フェーズのAI技術が実現可能か検証
- 実装フェーズ:完成に向けた実装
- 運用フェーズ:システムの安定稼働を続ける
AI技術開発でさまざまな業務に関わるエンジニアについては、システムエンジニアの仕事内容をわかりやすく具体的に説明!やりがいや仕事の流れ・種類についてでより詳しくご紹介しています。あわせてご確認ください。
構想フェーズ
構想フェーズでまず行うのは現状の課題を具体的に洗い出しです。出てきた課題に対してAIのどのような機能を使用することで解決ができるのか明確化させます。AIで解決する点を洗い出し後、プロフェクトチームを編成し、制作担当を決めます。制作チーム編成とともに、ROI(Return on Investment)と呼ばれる開発費用試算を出しましょう。ここでは投資利益率や費用対効果が見合うか検討することが大切です。
PoCフェーズ
PoCは「Proof of Concept」の略称で、コンセプト(構想)の証明を意味します。ここではプロトタイプ(試作モデル)の仮実装を行います。想定されたAI技術が実現可能であるか確かめる必要があるでしょう。機械学習やディープラーニングを使用したデータの取得が可能であるか、費用対効果は現実的か、スケジュールの確認を行ったうえで実装可能であるかの実証実験です。
実装フェーズ
PoCフェーズで作成したプロトタイプをもとに下記の順番で実際の開発を行います。
- 要件定義:工数や予算含め、何を作るか具体的に決める
- 設計:細かい機能含め、イメージを整理してどのようなものを作るか具体的に決める
- プログラミング:コンピューターに機能を組み込む
- テスト・修正:機能が組み込んだ通りに作動するかの確認・作動するように修正
- 実装:実際の機器に組み込んでいく
運用フェーズ
システムを適切に安定させて運用させるため保守運用を加えます。構想フェーズで洗い出した計画や評価が適正であるか、目標が達成されているか日々確認を行いましょう。このとき、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の4点「PDCAサイクル」を意識すると日々のチェックが行いやすいでしょう。
AI技術 一覧
画像解析:画面に表示されている人やモノを認識・解析
音声認識:機器が拾った音を認識・解析
自動言語処理:日常的に使用している言語をデータとして扱う
IoT:モノとモノをインターネットでつなぐ
チャットボット:チャットでの質問を機械学習のデータを用いて自動で返答
AI技術が応用されている身近なもの
画像解析:顔認証・防犯カメラを利用した犯罪防止・ヒートマップ
音声認識:音声テキスト化・スマートスピーカー・音声入力
自動言語処理:文字変換予測・翻訳機・メールフィルター
IoT:スマート家電・スマートロジスティクス・ウェアラブル端末
チャットボット:企業のお客様相談室・メーカへの問い合せ
わかりやすいIoTは、IoTとは?なにかを分かりやすく解説でより詳しくご紹介しています。あわせてご確認ください。
AI技術の未来性
現在のAIは機械学習をはじめさまざまなアルゴリズムの駆使をしています。アルゴリズムの数が増えれば増える分、AIにできることも増えていくと考えられるでしょう。不可能だと思われていたことがいくつもできるようになっています。IoTやその他の技術・分野と組み合わせることでさらに可能性の幅も広がるでしょう。
まとめ
AIの市場規模は近年右肩上がりです。それとともない今後エンジニア不足に陥るともいわれています。技術の発展が今後加速することで、AIの技術を身につけている核となるエンジニアが今以上に求められる社会になるでしょう。今のうちからAIやエンジニアの技術について触れ、将来の幅を広げていきましょう。