ERPとは?基幹システムとの違いやERPに関わる職業までわかりやすく解説!
はじめに
昨今の日本企業では、DX化や働き方改革によりシステム環境が複雑化・多様化しています。企業内に点在するデータをどう集約して経営判断に活かし、効率化を図るかが課題と言えます。そこで注目を集めているのがERPです。この記事ではERPの意味からERPとはどのようなものなのか、ERPに関わる職業にはどのようなものがあるのかまでわかりやすく解説します。
ERPとは
ERPとは「Enterprise Resources Planning」の頭文字を取ったもので、直訳すると企業資源計画となります。ひと言で説明すると、ERPとは経営を効率よくするために企業資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を一元管理し、経営データを可視化するという考え方であり、それを実践するためのソフトウェアです。企業内にバラバラに存在しているリソースを一か所に集めて、企業の「現在」を正確に把握し、経営戦略の決定に役立てます。そのためのソフトウェアがERPパッケージ、あるいはERPと呼ばれます。
基幹システムとの違い
基幹システムとは企業の主要業務全般を部門ごとに支えるシステムです。通常、生産管理、販売管理、会計管理、人事給与、仕入れ管理、在庫管理といった6つのシステムによって構成されています。ERPとは違って各システムの間につながりはなく、データベースや画面仕様なども異なっています。基幹システムはそれぞれの部門の目的に特化したつくりになっていて、局所的な効率アップには効果的だったと言えるでしょう。
しかしかつて主流であった基幹システムは、すべての業務データを包括的に管理し、全体のバランスを見ながら業務効率を上げていくために、現在ではERPパッケージやERPソフトウェアに置き替わりつつあります。
ERPのメリット
ERPのメリットは、なんといっても部門ごとにバラバラだったデータの一元管理が可能になることです。それにより自社の情報をリアルタイムで把握でき、スピーディーな経営判断につなげることができます。市場の変化に素早く対応することは今の時代必須と言えるでしょう。
ERPのデメリット
ERP製品は種類が多く、その中から自社に合ったものを選ぶのは難しいといえます。また、導入や管理にかかる費用も安価ではありません。イニシャルコストがかさむため導入をためらう経営者も少なくないでしょう。しかし一度にフルスペックでの導入をせず、自社に必要な機能だけを選択するという手段もあります。
ERPに関わる職業
ERPはすぐれたシステムですが、それを扱う人材がいなければ有効に活用することはできません。ERPに関わる職業にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
COMPANY®エンジニア
『COMPANY®』とは、ERPシステムの中でも統合型人事システムとして大きなシェアを占める製品です。COMPANY®の導入や運用に携わるCOMPANY®エンジニアは、ITを活用して人事業務に関する課題を解決するスペシャリストです。
「給与明細をWeb化したい」「人材情報を分析したい」などの要望に対し、システムを使った業務改善や運用のサポートをおこない、課題解決へと導きます。またCOMPANY®業務だけでなく企業の人事・労務業務に対応することもあります。人事システムですから、自らも「使う側」の視点に立ってエンジニアとして関われることもCOMPANY®の大きな特徴です。
人事経験者ならIT未経験でも転職してエンジニアへのキャリアアップも望めます。
ERPエンジニア
ERPエンジニアは主にERPシステムの導入をおこないます。導入するシステムについての専門知識が必要です。また製品の特徴や開発言語も身につける必要があるでしょう。
ERPエンジニアは独自の言語を使用することから汎用性が低いのでは、と将来性を危惧する声も聞かれますが、DX推進とともにERPを導入する企業は増えています。製造・販売や人材派遣、医療や行政など幅広い分野でERPは取り入れられています。ERPエンジニアの活躍の場は今後も増えるでしょう。また、一般のエンジニアに比べ年収が高いこともERPエンジニアという職業の魅力のひとつです。
人事経験者ならIT未経験でも転職してエンジニアへのキャリアアップも望めます。
ERPコンサルタント
これまで基幹システムを利用していて、各部門のデータがバラバラで利用しにくいことに悩んでいた企業に、最適なERPシステムの導入をアドバイスし、課題解決に導くのがERPコンサルタントです。ERPコンサルタントは単に導入するだけでなくクライアント企業の経営課題を分析し、ERPシステムを使って業務効率化を図ります。エンジニアとしての知識や技術だけでなく、クライアントとのコミュニケーション能力が必要な仕事です。今後、日本の経済界では企業間の買収や吸収合併が増えることが予想されますが、それに伴うシステム刷新の際、必要になるのがERPコンサルタントです。ニーズは高く、スキル次第では高収入も期待できます。
まとめ
基幹システムからERPへ、時代は大きく変わっています。そこに携わる人材のニーズもまた高まっています。ERPエンジニアやERPコンサルタントになることで、企業に必要とされる人材としてキャリアアップが可能になるでしょう。またCOMPANY®エンジニアのように、部門ごとに特化したERPエンジニアになるという選択肢もあります。自分のキャリアを活かし、さらに新しい可能性を追求してみてはいかがでしょうか。
最後のチェックポイント
- ERPとは企業資源を一元管理し、経営データを可視化するもの
- 基幹システムは部門ごとにデータがバラバラだがERPは包括的に管理できる
- ERPエンジニアは主にERPシステムの導入をおこなう
- COMPANY®エンジニアは人事に特化したERPの導入・運用をおこなう
- ERPコンサルタントはERPを用いて企業の経営課題解決にも携わる