ボーナスの賢い使い道とは?失敗しないメソッドについて徹底解説!
はじめに
ボーナスをモチベーションの1つに仕事をがんばっている方も多いでしょう。ボーナスは企業があげた利益を社員に還元するものですから、受け取ったボーナスは仕事をがんばった「ごほうび」のようにも思えるものかもしれません。この記事では、年齢別の使い道や平均的なボーナスの支給額、後悔してしまいがちな浪費の注意点などをご紹介しています。大切なボーナスを最大限に活かすためのヒントに役立ててください。
賢いボーナスの使い道とは
ボーナスは会社の業績によって支給額が増減し支給されないこともあります。次も同額を期待して計画をたてるよりも、ボーナスを通常の給料とは違う予算で管理する方がより堅実なやり方と言えます。ボーナスは基本的には臨時収入の位置づけで、自分の生活に潤いをプラスするようなもの、自分を高めて将来につながるようなことに使うことができれば、それが自分にとっての賢い使い道です。次に、ボーナスの使い道の傾向を見ていきます。
20代女性のボーナスの使い道
ボーナスの使い道に関する調査を見ると、どの年代でもトップは「貯蓄」です。この傾向は何年も変わらず、どの調査でもほぼ半数の人がボーナスの使い道を貯蓄と答えています。使い道として「すぐには使わない」がトップなのですが、2位以下はやはり年代で傾向が見られます。20代女性はどんなことにボーナスを使っているのでしょう。
趣味や娯楽に使う
20代のボーナスの使い道としては、まだ独身の人の割合も多いことから「自分へのごほうび」としての出費の割合が多いことがあげられます。旅行やエステなどの美容関連、装飾品や趣味のものなどが主な使い道です。
また、ボーナスで両親や祖父母へプレゼントを贈ったり、家族旅行に行ったりするなど、社会人として踏み出せた感謝の気持ちを込めた使い道もこの年代に多い特徴です。
株や資格取得による投資
20代のボーナスの使い道としては、キャリアアップにつながる資格取得のためのスクールに通ったり、健康習慣をつけるためのトレーニングジムなどへ入会したりと、自己投資への出費もあげられます。この中には株式投資を始めるための情報収集も含まれ、実際にボーナスで投資をする20代も増えています。これには「今の自分」というより、「未来の自分」のためにボーナスを使う意識がうかがえます。
30代のボーナスの使い道
続いて30代のボーナスの使い道について見てみましょう。30代になると社会人としてのキャリアも10年を超え、独身でも既婚でもボーナスの使い道が生活に直結するものに変わってくることがわかります。20代との比較では、家族の入院や子供の教育費など自分以外のことへの出費も増えてくるのが特徴です。
生活費やローンに消費する
30代になると家や車などの購入も増え、何らかのローンを返済している率も高くなってきます。ローンの利息は、購入したものの値段に上乗せして支払っているものですから、できるだけボーナスで繰り上げ返済をすると利息分が節約できます。ローンがある場合にはボーナスを貯蓄に回すよりも、繰り上げ返済でローンの利息を減らすことを考えてみましょう。節約できた分だけ余裕が生まれます。
将来のための貯蓄にまわす
30代は、現在は独身の人、結婚し子育て中の人、これから出産を迎える人などさまざまですが、ライフスタイルが変わりやすい変化の年代でもあります。どの年代でもボーナスの使い道のトップは貯蓄ですが、30代こそ、ボーナスは貯蓄にまわすことが将来の安心に繋がります。数年先の家の購入資金や子供の学費の積み立てなど、ライフステージの変化に併せて必要となる資金を準備するためのボーナス貯蓄です。
気になる夏冬ボーナスの平均額
ほかの人がどんなことにボーナスを使っているのか、よくある使い道について見てきましたが、そこで気になるのは「どのくらいもらっているのか?」というボーナスの支給額についてではないでしょうか。
公務員のボーナスに関しては法律があり、支給日も規定されています。これに対して民間の会社が対象のボーナスに関する法律はありません。多くの会社では公務員と同時期の夏と冬の年に2回支給されるところが多いものの、あくまで会社独自のルールで支給されているのが公務員との違いです。
ボーナスについてはこちらの記事でも紹介しています。ボーナスの手取り額の計算方法や、退職する場合のボーナスの扱いなど、知っておきたいボーナス事情についても紹介しています。20代から30代のボーナス/賞与の平均額・手取り計算方法・支給日・使い道について、こちらも参考にしてください。
次に、公務員と民間のそれぞれの平均的な支給額について見てみます。
民間企業の場合
民間企業の場合、ボーナス支給の基準はそれぞれの企業ごとで違います。年に1回のみという場合や、最初からボーナスは支給しない給与体系になっている企業もありますが、6〜8月に夏季賞与、10〜12月に冬季(年末)賞与と、「年に2回ボーナスを支給」というところが多く一般的です。
毎月勤労統計調査の2021年夏季賞与に関する調査ではボーナスの平均支給額は約38万円です。これは全業界の平均額ですが、業界ごとのボーナスの平均額では、電気・ガス業の約87万円、情報通信業の約67万円、金融・保険業の約64万円などとなっています。
会社の規模によって基本給の何カ月分を基準とするか、はっきりとした傾向がみてとれます。やはり大企業の方が手厚く、基本給の2.5か月分、中小企業は基本給の1か月分という目安が実際の支給額にも反映されています。
会社の規模、業界を問わず支給額は業績によって増減しますが、業界ごとに支給額の平均にも差があり、大企業の方が総じて支給額が多いことがわかります。
公務員の場合
公務員は国家公務員と地方公務員とに区別されますが、地方公務員は基本的には国家公務員に則して、それぞれの自治体ごとの基準で支給されています。
国家公務員の給与は毎年、民間企業の給与水準に合わせて見直しが行われています。ボーナスもそれに連動し
(給料+地域手当+扶養手当)×支給月数 で支給額が決まります。
業績によってはボーナスが支給されないこともある民間と比較して、公務員はボーナスも安定しています。
国家公務員
国家公務員のボーナスの支給日は、夏は6月30日、冬は12月10日と法律で定められています。
国家公務員はボーナス(期末・勤勉手当)も人事院勧告をもとに決められていますが、民間の支給額に合わせて変動します。
2021年度は、行政職職員(平均34.6歳)の平均支給額が約66万円でした。これは年4.30カ月分で、前年度より0.15カ月分が減額されています。公務員のボーナスが減額したことから、民間のボーナス支給額が減額したことがわかります。
参考:人事院|令和3年 人事院勧告・報告について
地方公務員
地方公務員のボーナスそれぞれの自治体ごとに条例で定められますが、国家公務員の給与に準じて支給されています。ほとんどの自治体で国家公務員と同じ、夏は6月30日、冬は12月10日に支給されています。
例をあげると、
東京都職員の平均支給額は、約90万円
大阪府職員の平均支給額は、役81万円
沖縄県職員の平均支給額は、約71万円
(管理職を除いた一般行政職員の平均総支給額)
となっています。
ボーナスの面白い使い道
せっかくのボーナスを何に使うか?ボーナスの使い道に迷ったら、今までより少し違った体験につながるものを考えてみるのはどうですか。興味があってもまとまったお金がないと試しにくかったものがあれば、ボーナスでチャレンジしてみましょう。
ここでは、ちょっと面白い使い道を紹介します。仕事を楽しくし、人生を豊かにできるヒントになるかもしれません。
資格取得でスキルアップを目指す
資格取得のために講座を受講、興味のある分野のセミナーへの参加、書籍を購入して知識を得るなど、ボーナスでスキルアップを目指してみましょう。なにか始めたいけれど「何を学べばいいかわからない」という方には、プログラミングなどIT分野の勉強を始めてみてはいかがでしょう。エキスパートを目指さなくてもこれからの時代、IT系の知識は強みとなります。こうした自己研鑽のために使うお金は将来の自分への投資とも言えます。とくに有意義なボーナスの使い道のひとつです。
ふるさと納税で大人買いをしてみる
ふるさと納税で寄付をすると所得税から寄付金控除が受けられ、寄付をした自治体からの返礼品を受け取ることができます。のちに所得税から控除されるのですが、ふるさと納税をする時点では寄付金の準備が必要です。ここでボーナスが活用できます。
「なんとなく難しそう」と敬遠していた方も1度やってみると、返礼品を選ぶ楽しさで特産品を「大人買い」したような気分も味わえます。返礼品は地域の特産品ですが、その地域の自然や文化を守る活動への「返礼品なし」の寄付もあります。
ふるさと納税の注意点としては、所得税から寄付金控除される税額には年収ごとに上限額があるということです。もちろん上限額以上の金額を寄付することもできますが、確認してから行いましょう。
念願の家電の購入
ボーナスで高機能家電の購入も検討してみましょう。家電は最低限の機能さえ使えれば大きく困ることはないため、価格の高い上位モデルの良さは知りつつも控えていたものがあるかもしれません。ボーナスで念願を叶えましょう。
「ちょっと贅沢かな」と思っても、高機能家電のうち食洗器とロボット掃除機はとくに家事に充てる時間を短縮でき、乾燥機能付きのドラム式洗濯機とともに仕事と家事の両立をアシストしてくれる存在です。
後悔する?無駄な使い道
ボーナスは通常の給与とは別にまとまった金額がもらえます。嬉しいものですが、それだけに思わず無計画に使ってしまう危険もあります。女性に比べて男性はギャンブルやお酒など、その場でなくなる刹那的な消費をしがちな傾向もあります。後悔してしまうボーナスの使い道失敗例を紹介します。
こんな使い道では失敗する3つの例
ボーナスの賢い使い道を考えるには、失敗する使い道の例もヒントになります。20代、30代への調査では、平均で約15万円を「無駄遣いしてしまった」と答えています。個人差はありますが、無視できない金額です。
ここではボーナスをもらったときの落とし穴、やってしまいがちな3つの失敗を紹介します。失敗例から学んで活かしましょう。
欲に任せて衝動買いする
ボーナスを手にすると衝動買いの欲求が強くなりがちです。いつも無難なファッションばかりではつまらないものですが、普段は手を出さないタイプのものにも目が向くかもしれません。たしかにそれも楽しみのひとつではありますが、流行のものは流行が過ぎれば時代遅れの雰囲気が強く出て身に着けにくく、「高価なタンスの肥やし」になってしまう率も高いものです。ボーナスで買うなら、じっくり考えて後悔しないものを選びましょう。
クレジットカードで爆買いする
ボーナスで普段より衝動買いをしやすいこととも関連して、「クレジットカードを使い過ぎてしまった」という失敗もしがちです。「ボーナスが入るから大丈夫」と、普段よりもクレジットカードでの決済が増え、気が付くとボーナス以上の返済額になっていたということも珍しくありません。分割払い・リボ払いではさらに金利も加算されます。
趣味だけに使い果たしてしまう
趣味にお金をかけるのは悪いことではありません。仕事をがんばるモチベーションが休日の趣味という方も多いでしょう。ただ、そのためにボーナスを使い果たすようでは、後悔を生んでしまいます。
ボーナスで新しい趣味を始めるのも楽しいものですが、たとえば「キャンプに興味を持って一式道具を揃えてみたもののすぐに飽きた」なんていうこともあります。最初はレンタルで体験してみるのも無駄にしない工夫です。
無駄な使い道を防ぐメソッド
ではどうしたらこうした失敗を防げるのでしょう。マネーリテラシーの教育では、支出を「消費」「投資」「浪費」に分けて考えることを教えています。1度自分が使ったお金をすべて洗い出し、それがこの3つのうちどこに属するかを考えます。こうして自分の支出の中身を整理できたら、無駄な使い道を防ぐ2つのメソッドが使えます。
人生のライフプランを立てる
1つ目はこれからの人生で実現したい理想のライフプランを立てるメソッドです。立てたライフプランはあくまで今の時点で考えたものではありますが、そのプランの中で、どの年齢でどのくらいのお金が必要なのかを調べてみます。その通りに人生を進んでいくわけではないとしても、概算を知ることで「無駄にするお金はない」と意識化しやすくなります。
また、自分にとっての理想の人生を考える際には、自己実現についてのこちらの記事も参考になるかもしれません。自己実現とは?マズローの欲求5段階説の活用法
ボーナスの消費割合を決めておく
2つ目はボーナスの使い道の割合を決めておくメソッドで、これは支給額が増減しても使えるものです。理想としては「貯金50%・自己投資30%・自分へのご褒美10%・寄付やプレゼント10%」の割合がひとつの目安です。
最初はボーナスのうち「半分は貯金」と決めて、そこから残りの配分をじっくり決めていくと自分なりの割合を決めやすいでしょう。
まとめ
ボーナスは毎月の給与とは別にまとまった金額が受け取れることから、つい浪費してしまうことも多いものです。こちらの記事で紹介した使い道や、よくある失敗例、浪費を防ぐためのメソッドなども参考に使い道を考えてみてください。
ボーナスの使い道をさらにじっくり考えていくと、これからどんなキャリアを築いていきたいか、自分にとっての理想のライフプランとはなにかといったことにも繋がります。大切なボーナスを賢く活かしてください。
最後のチェックポイント
- ボーナスの支給に法規制はなく、企業ごとに違う
- ボーナスの使い道トップは貯蓄
- 衝動的な使い道が後悔につながりやすい
- 自分の身になる使い道が満足につながる
- 消費の割合を決めておくと失敗が少ない