ITインフラエンジニア 運用監視からのキャリアパスを紹介
はじめに
運用監視オペレーターから次へのステップを目指す方に、その後のキャリアパスはどういったものがあるのか、それぞれのキャリアの特徴も詳しく解説していきます。またキャリアチェンジしたい場合はどのような職種があるのかも紹介していきます。
運用監視オペレーターからのキャリアアップ
運用監視オペレーターはあくまで出発点。ここから様々な可能性が広がっています。運用・保守・設計・構築と経験を積み、ITインフラエンジニアとしてのスキルを向上させた後の主要なキャリアパスは、「ITスペシャリスト系」「ITゼネラリスト系」の2つに分けられます。どちらを目指すかによって、必要な資格やスキルも変わってきますのでみていきましょう。
スペシャリスト系
ITスペシャリスト
ITスペシャリストには専門分野に関しての深い知識と、幅広い視点、スキルが求められます。システム管理・セキュリティ・データベース・アプリケーション共通基盤・ネットワークプラットフォームの6つの専門分野が必要なスキルです。資格においては、国家資格やベンダー資格を含め様々なものがあります。いずれの資格も取得は難しいですが、資格を持つことでスキルがあることの証明にもなり、ITの現場では需要も多く、年収などの待遇も期待できる職種になります。
【おススメの資格】※★は難易度 | |
---|---|
シスコ技術者認定資格CCNA(アソシエイト) | ★ |
シスコ技術者認定資格CCNP(プロフェッショナル) | ★★ |
基本情報技術者試験 | ★★ |
応用情報技術者試験 | ★★★ |
ネットワークスペシャリスト試験 | ★★★ |
データベーススペシャリスト試験 | ★★★ |
情報処理安全確保支援士試験 | ★★★ |
システムアーキテクト試験 | ★★★ |
ITストラテジスト試験 | ★★★★★ |
クラウド系スペシャリスト
クラウドエンジニアの主な仕事内容は、AWSをはじめとしたパブリッククラウド環境を利用したITインフラ基盤の設計・構築です。ITインフラエンジニアとして培った知識やスキルも活かしつつ、クラウド技術に関する知識も身に付ける必要があります。現在ITインフラはクラウドが主流となってきており、クラウドエンジニアの需要も高くなっています。クラウドを扱えるエンジニアはインフラエンジニアの平均年収と比較しても高い傾向があり、スペシャリストともなれば活躍の場はさらに広がります。
【おススメの資格】 ※★は難易度 | |
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シスコ技術者認定資格CCNA(アソシエイト) | ★ |
LPIC(Linux技術者認定試験) | ★★ |
AWS認定ソリューションアーキテクト | ★★ |
Google Cloud 認定資格(Google Cloud Certified) | ★★ |
Microsoft Azure 認定試験 | ★★ |
シスコ技術者認定資格CCNP(プロフェッショナル) | ★★ |
応用情報技術者試験 | ★★★ |
セキュア系スペシャリスト
セキュア系スペシャリストとは、情報セキュリティを専門とするエンジニアのことです。多くの企業が有する情報の漏洩やセキュリティ上のリスクを回避するためのシステム設計や構築、また近年問題となっているサイバー攻撃を未然に防ぐための調査や改善、対策を施します。サイバー攻撃の脅威は今後も増え続け、複雑化していきます。社会や企業・個人問わずセキュリティリスクを抱えており、その生活を守るためのセキュリティエンジニアは非常に社会貢献度の高い職種です。
【おススメの資格】 ※★は難易度 | |
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CompTIA Security+ | ★ |
SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定 | ★ |
情報セキュリティマネジメント試験 | ★★ |
情報セキュリティ管理士 | ★★ |
SPREAD情報セキュリティマイスター能力検定 | ★★ |
ネットワーク情報セキュリティマネージャー(NISM) | ★★ |
情報処理安全確保支援士試験 | ★★★ |
個人情報保護士認定試験 | ★★★ |
フルスタックエンジニア
フルスタックエンジニアとは、WEB開発やシステム開発、アプリ開発など、全てのエンジニア業務工程を一人で手掛けることができる、万能なエンジニアのことを指します。通常は各工程において複数の人員が携わりチームで完結させるところを、全ての工程において一人で完結することができるため、マルチエンジニアと呼ばれることもあります。一人でトータルの仕事をこなせるため、人件コストもかからず、生産性も早く、非常に市場価値の高いエンジニアであると言えます。フルスタックエンジニアにはプログラミング、ミドルウェアやOS、クラウドなど幅広い知識とスキルが必要になります。
ゼネラリスト系
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーとは、プロジェクトを進行していくうえでの全体管理を行う立場の人を指します。顧客の要望を聞き、予算や納期期限、メンバーの選定、スケジュール設定に始まり、進捗の確認、問題が起こった際の対応、変更等など、プロジェクト成功へ導くためのマネジメント業務を担います。社内外の多くの人と関わるため、コミュニケーション、マネジメント、リーダーシップなど、いわゆる人間力を高めていく必要があります。
【おススメの資格】 ※★は難易度 | |
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プロジェクトマネージャー試験 | ★★★ |
PMP試験 | ★★★ |
応用情報技術者試験 | ★★★ |
ITストラテジスト試験 | ★★★★ |
セールスエンジニア⇒ITコンサルタント
セールスエンジニアは、営業(セールス)と技術者(エンジニア)両方の役割を担います。自社の製品やサービス提供のサポートを行い、提供後のフォローまで行います。技術的知識に加え、営業のセンスも必要となります。
ITコンサルタントは、ITを用いてクライアントとなる企業の課題を解決し、成果を上げることが求められます。経営層と対峙するため、経営的視点を持ち、マネジメント力、コミュニケーション力に長けていなければなりません。
ITエンジニアとして技術力に磨きをかけ、セールスエンジニアとして営業力、コミュニケーション力を伸ばし、ITコンサルタントへとキャリアアップを目指す道もあります。
【おススメの資格】 ※★は難易度 | |
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基本情報技術者試験 | ★★ |
ITコーディネータ | ★★ |
応用情報技術者試験 | ★★ |
プロジェクトマネージャー試験 | ★★★ |
PMP試験 | ★★★ |
中小企業診断士 | ★★★ |
ITストラテジスト試験 | ★★★★★ |
運用監視オペレーターからのキャリアチェンジ
上記で紹介したキャリアパス以外に、思い切ってキャリアチェンジする選択肢もあります。運用監視からどのようにいけばそれぞれにキャリアチェンジできるのか見ていきましょう。
社内SE
社内SEとは、自社のシステム導入や、開発・設計・運用に関わる業務の他、ヘルプデスクとして社員のPCトラブル対応といった業務まで、幅広く担当します。自社の規模によっては一人で全ての対応が必要なこともあります。自社のシステムを扱うため、直接成果が見えることでやりがいを感じられるので人気は高くなっています。運用監視から社内SEにキャリアチェンジするためには、磨いたインフラスキルを活かしつつ、プログラミングやセキュリティなど業務に関連する幅広い知識を身につける努力が必要です。
【おススメの資格】 ※★は難易度 | |
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ITコーディネータ | ★★ |
ネットワークスペシャリスト試験 | ★★★ |
情報処理安全確保支援士試験 | ★★★ |
システムアーキテクト試験 | ★★★ |
プログラマー・システムエンジニア
システムエンジニアの仕事は、クライアントの要望を基に仕様を決定し、設計を行います。プログラマーの仕事は、システムエンジニアの設計を基にプログラミングを行うことです。運用監視業務を通してサーバーやネットワーク、OSの知識を身に付けていれば、プログラミングも学びやすく、プログラミングスキルを身に付けプログラマーに転身、その後システムエンジニアへキャリアアップという道も十分にありえます。
【おススメの資格】 ※★は難易度 | |
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Javaプログラミング能力認定試験 | ★ |
Python 3 エンジニア認定基礎試験 | ★ |
PHP技術者認定初級試験 | ★~★★★ |
Ruby技術者認定試験 | ★~★★ |
基本情報技術者試験 | ★★ |
応用情報技術者試験 | ★★★ |
まとめ
急速に複雑化するIT環境において、エンジニアのキャリアパスも多様化しています。運用監視からのキャリアパスも様々な選択肢があります。選択肢が多くて目指す方向が分からないといった場合は、特定の分野を極めたいならスペシャリスト、幅広い分野で活躍したいのならゼネラリスト系など、自分が将来どうなりたいのかキャリアプランを立ててみるとよいでしょう。