このまま続けるべき? 営業職のキャリアパスを紹介
はじめに
営業職は、自社の利益を生み出す、要となる職種です。自身の実績が、会社の利益の源泉であり、自身の評価、待遇に直結する職種と言えるでしょう。しかし、日々目標の数字に追われ、プレッシャーと戦い続けることは避けては通れません。
営業職として「この先もずっと数字に追われ続けるのか」「10年後、20年後も同じことを続けているのだろうか」と不安を感じ、自身の今後のキャリアについて思い悩むことも多いでしょう。
自身の今後のキャリアを考える上で重要なことは、今の仕事の延長にどのようなキャリアパスがあるのかを把握することです。
まずは、営業職であればどのようなキャリアパスが存在するのかを知り、自身が思い描く理想のキャリアと照らし合わせることから始めましょう。
営業を通して培ったスキル
営業職は、顧客に商品やサービスを販売する職種です。経理や法務は一定の知識が求められますが、一部の業界を除き、多くの営業職は専門的な資格や知識がなくても成果を出すことが可能です。
資格や技術など、目に見えるスキルが無い為、たいしたスキルはないと考えてしまう人も多いのですが、日々の営業活動のなかで、さまざまな目に見えない定性的なスキルが培われています。
キャリアに活かせるスキル
それではどのようなスキルが自身のキャリアに活かせるのかを見ていきましょう。
・コミュニケーションスキル
商品やサービスを販売するためには、円滑なコミュニケーションが不可欠です。顧客との会話の積み重ねが、距離を縮め信頼感を生み、受注に繋がったという経験も少なからずあるのではないでしょうか。
それほど、コミュニケーションスキルは重要です。営業職に最も求められる根幹のスキルはコミュニケーションスキルと言えるでしょう。
・ヒアリング/プレゼンテーションスキル
顧客の状況や困っていること、要望を引き出すヒアリングスキル、最適な商品・サービスを具体的・論理的に説明し、顧客の意思決定を促すプレゼンテーションスキルは営業職ならではのスキルです。
・リサーチ力
自身の扱っている商品やサービスのみならず、競合他社・サービスに関する情報を収集し、提案における自社の優位性と多角的なアプローチを可能にするリサーチ力も営業職として培われるスキルです。
・スケジュール管理能力
商談成立から納品を終えるまで滞りなく進行するスケジュール管理力も重要なスキルです。
いずれも定量的に測れるスキルではありませんが、ビジネスの土台となる非常に重要なスキルです。
営業職の全ての人が身に付いているということではありませんが、日々の営業活動を通して培われたと実感できるスキルもあるはずです。
自身が培ってきたそのスキルは、今後のキャリアに活かせるスキルであると言えるでしょう。
営業職のキャリアパス
一般的に営業職はどのようにステップアップして行くのか、考えられるキャリアパスの方向をご紹介します。大きく分けて、「マネジメント」、「教育」、「管理部門」の3つの道があります。
マネージャー・管理職への道
営業部門に在籍したまま、評価を上げ、マネージャー・管理職と上位の職位に進む道です。部下や部署のマネジメントを手がける、もっともオーソドックスで身近なキャリアパスと言えるでしょう。
しかし、営業職を続けているだけで誰もがマネージャー・管理職になれるわけではありません。企業や事業内容にもよりますが、課長クラスに進めるのは同世代の10人に1人、部長クラスになると50人に1人程度と非常に狭き門になると言われています。
また、管理職と営業職とでは求められるスキルが異なる点が多いため、たとえ営業職として良い結果を残していても、管理職として必ず活躍できるわけではないという点も考えておくことが必要です。
営業で数字を追うのがとにかく好きで、実績も上げており、同僚や部下からの評価も高く、マネジメントにも自信があるという場合は、選択肢となるでしょう。
教育など人事への道
これまで、さまざまな教育や社内研修を受講する機会はありましたか。営業職のリーダーとして新人営業の教育やフォローに対する評価が上がると、人事という立場で、教育や社内研修などを企画・実施する道に進む選択肢も生まれます。
人事部門のみの経験しか持ち合わせていない場合よりも、営業の第一線の現場を、身をもって体験した人材は非常に重宝されます。
数字を追い続けるのは厳しいが、営業としてあるべき考え方や手法・ノウハウを人に話をしたり、教えたりするのは得意といった場合は、一考に価するかもしれません。
しかし、OJTとして実務を通して少人数を教育することと、人事として体系だった研修を企画し、講師として多人数に教育するのでは大きな差があります。本当に自身が人事部門として力を発揮できるのか、見極めは必要になります。
総務・経理など管理部門への道
総務、経理など、会社全体の管理に係る部門へ転身を図るというケースです。日本企業においては、営業部門から管理部門への異動というケースもありますが、専門性が異なることから、少し特殊で稀なケースです。
マネジメント経験を積んだ上位の職位の者が経営戦略に近い仕事を行うため異動するような場合を除き、若手に近い場合は、一からその職種の経験を積んでいくことになる場合が多いため、営業で培ったせっかくのスキルを活かしづらいというデメリットがあります。
また、会社を裏から支える仕事であるため表舞台に立つことは少なく、比較的地道で正確性を求められる仕事が多くなることから、転身したが合わなかったという人が少なからずいます。
営業職のように前に出る仕事ではなく、縁の下の力持ち的な仕事が好きな場合でも、このキャリアパスを考える場合は、一から経理としてのキャリアを極める覚悟で臨む必要があるでしょう。
まとめ
今回は、営業職として培われたスキルと営業職のキャリアパスをご紹介しました。
会社のビジネスの根幹を支える営業職ですが、自身のキャリアを考える上で重要なのは、今の仕事の延長にどのようなキャリアパスが存在するのかを把握することです。
また自身のキャリアを考える時はこれまでに培ってきたスキル、得意とすることも考え、そのキャリアパスと照らし合わせてみましょう。
理想のキャリアは営業職のキャリアパスで叶えられそうでしょうか。今の職場で可能なキャリアパスが思い描くキャリア像ではない、または行き詰まりを感じる場合は、転職という選択肢も考えられます。一度立ち止まって自身のキャリアについて考えてみましょう。