今のSES企業がベスト?理想の将来につながるキャリアを描くには
はじめに
客先常駐(SES)エンジニアとして働く上で、キャリアの壁にぶつかり、今のままで本当にいいのだろうかと思うことはないでしょうか。
今のSES企業が本当にベストなのか。もっと良い選択は他に無いのか。ぶつかるキャリアの壁とキャリアアップのための選択肢を見ながら、ぜひ今後のキャリアの参考にしてみてください。
客先常駐(SES)エンジニアのぶつかるキャリアの壁
客先常駐(SES)エンジニアとして働くなかで、避けては通れないキャリアの壁。客先常駐という労働形態、経験・スキル、所属企業の制度など様々な壁があり、客先常駐(SES)エンジニアは悩みが尽きません。
ここでは客先常駐(SES)エンジニアがぶつかる「キャリアの壁」から派生する、よくある4つの悩みについて詳しく見ていきましょう。
業務内容が限定的になる
キャリアにおいて、これまでどの工程でどのような業務を経験してきたのかはスキルを証明する重要な要素となります。
ここでは、客先常駐(SES)エンジニアの業務内容に関する2つの問題を見ていきましょう。
上流工程に携われない
客先常駐(SES)エンジニアは、ルーチンワークや単純作業に携われる機会は多くあっても、要件定義や設計といった上流工程から携われることはあまりありません。
これはSESにおける商流にも影響を受けますが、一般的にクライアント先の正社員や一次請け企業が顧客折衝を含めた要件定義や設計などの上流工程を行い、二次請け、三次請け企業に所属するエンジニアが下流工程となるルーチンワークや単純作業を行う役割分担が原因となっています。
一定の経験や技術力をもったエンジニアであれば、これに限ったことではありませんが、経験の浅いエンジニアや商流の深い企業に属するエンジニアは誰にでもできるような作業ばかりを担当し、スキルアップができないと悩む人が多くいます。
どんなに向上心があって、勉強熱心なエンジニアであっても、簡単な作業ばかりを任されていては、実務経験を伴ったスキルアップにも限界があり、モチベーションを維持し続けることは困難でしょう。
経験を積める技術領域が狭い
さまざまな企業で業務ができることから、大手企業の技術やノウハウが学べる客先常駐(SES)エンジニアですが、所属企業の取引先や案件のバリエーションがどれくらいあるかによって経験できる業務内容が左右されます。
所属企業によっては携われる業務内容が限定的で経験を積める範囲が狭く、同技術領域内でのキャリアアップやインフラからシステム開発など技術領域をまたいだキャリアアップが難しい可能性があります。
限定された領域で経験を積み続け、業務の幅を広げることができなかった場合、将来的に転職を視野に入れた時に、限られたスキル・経験の中で自分の希望や条件を満たす転職先を見つけることは難しいかもしれません。
また、独学で広いスキルを習得できていたとしても、一般的に実務経験も重要視される傾向があるため、ここでも実務経験の狭さがキャリアの壁となって立ちふさがります。
正当に評価されない
客先常駐(SES)エンジニアのキャリアの壁として、評価の非正当性が問題としてあげられます。
正しい評価は自分の今後の方向性や何をすべきかを判断する大きな指針となり、待遇にも反映されます。そのため評価の正当性はキャリアを作っていく上で重要なポイントであると考える人も多いでしょう。
ここでは正当に評価されない問題を見ていきましょう。
評価基準があいまい
客先常駐(SES)エンジニアが技術力を正当に評価されないと感じる理由には、明確な評価基準がない点が問題としてあげられます。
そもそも評価者が常駐先の現場にいないため、評価制度によっては、技術力や業務実績、顧客評価などの定性的な指標では評価されにくく、勤続年数など定量的で自身の努力ではコントロールしにくい指標で評価されることも珍しくありません。
エンジニアとして技術力向上に努め、素晴らしい業務実績をあげてもそれが正当に評価されなければ、何をどう努力すべきか分からず、悩みを抱えてしまうでしょう。
相談できる人がいない
将来を見据えエンジニアとして生計を立てて行くとなると、どのような技術力を身につけるべきなのかと考えることもあるでしょう。しかし客先常駐(SES)エンジニアの場合、企業へひとりで出向いていることも多く、相談できる相手が身近にいないことが悩みの種になります。
自社の同僚や上司と会う機会がない、常駐先の社員との接点やコミュニケーション不足などから相談する相手が見つからず、キャリアアップがしたくてもどうすればいいかわからなくなるのでしょう。
相談できる相手がいなければ、キャリアアップするために何をすべきか、どうすべきか、自分ひとりの力で考えるほかありません。そのため思い描く道筋がわからず、前に進めないことも起こるのでしょう。
それではなぜ客先常駐(SES)エンジニアは相談できる人がいないのかを見ていきましょう。
先輩や同僚とのつながりがない
自社に勤務していれば、上司や先輩にスキルアップのフォローをしてもらうことも可能でしょう。同僚とのつながりから今後何をすべきかなどの相談や情報交換もできます。
しかし客先常駐(SES)エンジニアは、ひとりで常駐先企業へ出向き、先輩や同僚が同じ現場にいないことも珍しくありません。
自社の社員との関係性がうまく取れており、相談できる相手がいればいいのですが、実際は頼れる人もおらず、今後の目標となるロールモデルを見つけることも容易ではありません。
キャリア相談をできる仕組みがない
相談相手が居ない客先常駐(SES)エンジニアは、スキルアップだけでなく、今後のキャリアについて相談できる相手も見つからず、客観的な視点で自身の進むべき道とやるべきことを明確にすることに苦労します。
自社の人に相談をしたいと考えたものの、先輩や同僚と悩みを相談できるほどの関係性を築けておらず、技術に詳しくない自社の営業担当ぐらいにしかつながりがないことも珍しくありません。
また、自社のなかに、スキルアップやキャリア相談ができるような仕組みやフォロー体制が整っていない企業も多く、相談したくても相談できないという状況を生み出している一因となっています。
壁を乗り越えるための選択肢
客先常駐(SES)エンジニアが超えたくても超えることが難しい「キャリアの壁」ですが、方法次第で超えることも可能です。限られた時間を工夫して勉強し、資格取得を目指したり、所属する企業を変更したりと、キャリアの壁を超える方法にはいくつかの選択肢があります。ここでは次の2つの選択肢について、どのようなメリットがあるのかを解説していきましょう。
資格をとった場合
客先常駐(SES)エンジニアとして業務をこなしながら、限られた時間をやりくりし、希望する資格取得ができた場合はどのようなメリットがあるのでしょう。
資格があることでキャリアアップをするにあたり有利になります。資格は客先常駐(SES)エンジニアで働く上の評価基準にもなる場合がありますので、可能であれば早い段階で資格取得を目指しておくとメリットも多くなります。
また、資格取得をすることで、一定の知識が身につくと同時にスキルを保有していることを証明することができます。そうなれば、任される領域が増え、業務の幅が広がる可能性が高まります。
なにより大きなメリットとして、資格取得をできたことが自信につながり、前向きになれることもあげられるでしょう。
所属企業を変えた場合
現在、日本には10,000社以上のSES企業が存在します。そのなかから、自分にあったキャリアアップが実現できる所属企業を探してみてはいかがでしょう。
客先常駐(SES)エンジニアが所属企業を変更することで得られるメリットをご紹介します。現状の自分と比較し、将来の自分を想像しながら参考にしてみてください。
目指したいキャリアに合った常駐先で働ける
所属企業を変えることで得られるメリットの一つは、自分のキャリアアップに合わせた常駐先で勤務ができる可能性があることです。
キャリアアップの支援制度が整った企業では、エンジニアのスキル・経験や実現したいキャリアの方向性を最大限に考慮し、現在のスキルだけで判断せずに常駐先を決定します。
そのためには多様な案件を保有していることがポイントとなりますが、取引先や案件のバリエーションの豊富さはその企業の信頼性や営業力を証明し、優良企業であるとも考えられます。
自分のキャリアにあった専門性やスキルが身につく
獲得したいスキル、経験したい技術領域の方向にあわせ、専門性の高い技術指導などをおこなう企業もあります。
このような所属企業に変わることで、今後のキャリアに適した専門性や高いスキルを身につけることもできます。
やりたいことが実現でき、キャリアアップを望めるのであれば、仕事へのモチベーションがアップし、帰属意識の向上にもつながるでしょう。
様々なスキル・経験をもったエンジニアとのつながりができる
様々なスキル・経験をもったエンジニアが所属する企業や、1,000名以上のエンジニアを抱える企業等に転職することで、自分を取り囲む環境にも大きな変化が起こることでしょう。
自社の多くのエンジニアとのつながりができ、さまざまなエンジニアの話を聞くことは、視野を広げることにもつながります。視野が広がることで今まで抱えていた悩みや問題を解決でき、今後のキャリアにプラスとなる影響を及ぼす可能性もあるでしょう。
また、自分の思い描くキャリアプランのロールモデルとなるエンジニアが見つかる可能性も高くなります。多くの人と刺激しあえることも大きなメリットになるでしょう。
ワークライフバランスが取れる
客先常駐(SES)エンジニアの働く環境はまだまだ改善されなくてはならない部分も多く、ワークライフバランスが取れずに苦しんでいる人もいるでしょう。このような問題も所属するSES企業を変えることで、問題解決に近づくかもしれません。
優良なSES企業の場合、福利厚生の充実や残業を抑止し有給取得を推奨する風土を作るなど、エンジニアが働きやすい環境づくりに積極的に取り組んでいるため、プライベートとの両立も可能になります。
プライベートが充実しているからこそ、仕事の効率やパフォーマンスが向上します。結果ワークライフバランスの取れた働き方ができるでしょう。
まとめ
今のSES企業がベストなのか、客先常駐(SES)エンジニアのぶつかるキャリアの壁と理想のキャリアを描くための選択肢について紹介しました。現状が本当にベストなのかどうか、この記事を参考にして今一度考えてみてはいかがでしょう。
もし今よりよい環境で働きたいと思われた方は、将来のためにアクションを起こしてもいいのかもしれません。
思い描くキャリアを実現するために「SESからSESへ!やって良かった転職事例」の記事もぜひご覧ください。