はじめに

GPTsとは何か

ChatGPTが2024年1月27日にアップデートされました。今回のアップデートで登場したのがGPTsメンション機能ですが、その内容を語る前にGPTsについておさえておく必要があります。

GPTsで広がるChatGPTの可能性

GPTsもまた、2023年11月に実装されたChatGPTの新しい機能です。GPTsとは、特定の目的に合わせてChatGPTをカスタマイズするものです。プログラミング言語を使用することなく、ノーコードで作成できます。作成したツールはほかの人と共有でき、また、外部APIとの連携も可能です。
なお、GPTs機能が使えるのは現在のところChatGPT Plus（有料版ChatGPT）のユーザーのみとなっています。

 GPTsの作り方

GPTsを作るには、「Create a GPT」をクリックしてGPT Builderを立ち上げ、会話方式で作りたいツールの内容を伝えていきます。GPT Builderがタイトルやロゴマークなどを次々と提案してくれるので手軽に作成できるのが魅力です。そして出来上がったGPTsは自分だけが使えるのか、URLを共有する人が使えるのか、それともパブリックに共有するのかを選べます。

ChatGPT新機能「GPTsメンション」とは

これまでは1つのGPTsを使っている時に他のGPTsを使おうとした場合、チャットを切り替える必要がありました。GPTsメンションを使うと、1つのチャットの中で複数のGPTsを呼び出して使うことができます。

メンション機能の使い方

他のGPTsを呼び出すには半角の「@」を入力します。すると最近使ったGPTsとピン留めされたGPTsが候補として表示されるので利用したいものを選びましょう。@に続けてGPTsの名前を入力して呼び出すこともできます。OpenAI公式のGPTsや自分で作ったGPTsはもちろんのこと、パブリックに公開されているすべてのGPTsが利用可能です。
メンション機能もまた、利用できるのはChatGPT Plusユーザーのみとなっています。

メンション機能の使用例

それでは実際にメンション機能を使ってみましょう。
ここでは美容系ブログに載せる猫のイラストを生成してみます。まずはイラストを生成するためのプロンプトをGPTsで作成しましょう。
チャット欄に「@」を入力するといくつかのGPTsが候補として表示されます。ここではその中から「【日本語版】プロンプトパーフェクト」というGPTsを選択します。

会話形式で希望を入力し、プロンプトを作成します。

プロンプトの作成が完了したら、再びチャット欄に「@」を入力し、イラストを生成するためDALL-Eを呼び出します。

GPTsが切り替わったらチャット欄に「上記のイメージでイラストを作ってください」と入力します。するとDALL-Eが画像を生成してくれます。プロンプトをコピペする必要はありません。

GPTsメンションの利点

チャットを切り替えることなく複数のGPTsが利用できるのはメンション機能の大きな利点と言えるでしょう。
その他にはどのような利点があるのか、次に見ていきましょう。

操作性の向上

１つのチャット内でGPTsが複数利用できる利点は、単にチャットを切り替える手間が省けるだけではありません。ChatGPTはチャット内の前の会話や情報を踏まえた回答をしてくれますが、メンション機能を使うとそれまで使用していたGPTsでの会話や情報を新たなGPTsが引き継いでくれます。これによりプロンプト作成が省力化され、作業効率が大幅にアップします。

コラボレーションの向上

複数のGPTsを使うのにチャットを切り替える手間が省けるため、より多くのGPTsの組み合わせが可能になります。
例えばプレゼンテーションの資料を作る時、日本語テキストや英文テキスト、イメージ画像やグラフなど複数の資料が必要になりますが、GPTメンションを使えばそれぞれの機能に特化したGPTsを呼び出して1つのチャットで使えます。

GPTsメンションの未来展望

今回のGPTsメンションの登場に限らず、ChatGPTの進化のスピードには目を見張るものがあります。今後の展開としてはどのようなものが予想されるでしょうか。

技術の進化による可能性

現在全世界で300万以上のGPTsが作られていますが、それだけの数のGPTsの中から自分の目的に合ったGPTsを選択し、組み合わせるのは簡単ではありません。今後はAIが自動的に適したGPTsを選んでくれるようになるのかもしれません。

まとめ

ChatGPTの進化は止まらず、今回のアップデートでGPTsメンション機能が導入されました。これにより、1つのチャット内で複数のGPTsを簡単に切り替えて使用できるようになり、作業効率が大幅に向上しました。現在、この機能はChatGPT Plusユーザーのみが利用可能ですが、全世界で300万以上のGPTsが作成されており、AIが適切なGPTsを自動選択する日も近いかもしれません。