ChatGPT Teamとは?特徴や使い方、登録の方法まで全網羅
はじめに
- ChatGPT Teamプランは、チーム単位で使えるAIサービスである
- 業務効率の向上が期待できる
- GPT-4への迅速なアクセス・機能の使用制限が他プランよりも緩和されている
- プライバシーを保ちつつ、チームでのコラボレーションをサポートする
- ChatGPT Teamプランの導入は、手順が簡単で、コストも抑えやすい
最近、ビジネスの現場でもAIの導入が進んでいますが、その仕組みや利点は一般にはまだ馴染みが薄いかもしれません。
そこで、この記事ではChatGPT Teamプランの基本的な概念から、その特徴、使い方、さらには登録の方法に至るまでを、わかりやすく解説します。
ChatGPT Teamプランとは?
ChatGPT Teamプランとは、OpenAIが提供する人工知能ChatGPTの機能を、チーム単位で利用できるようにしたサービスです。
ChatGPTでは、チャットボットの技術を活用して、会話形式で情報の検索や質問に答えることができますが、Teamプランでは複数のメンバーがこれを共有して使用することが可能になります。このプランを利用すれば、チーム内のコミュニケーションの効率化はもちろんのこと、共同作業の効率も大幅にアップすることが期待されます。
例えば、プロジェクトに関する情報共有や、クライアントへの迅速な対応がスムーズに行えるようになるでしょう。また、チームごとにカスタマイズすることも可能で、特定の業務に特化した使い方も実現できます。
ChatGPT Teamプランの主な特徴
ChatGPT Teamプランは、企業や組織がチーム単位で最新の人工知能技術を活用できるように設計されたサービスです。
このプランにはいくつかの顕著な特徴があり、それらを理解することで、チームの生産性を高め、業務プロセスを効率化することが可能になります。
GPT-4へ素早くアクセスが可能である
ChatGPT Teamプランを利用する最大の利点の一つは、最新のGPT-4と呼ばれるモデルに迅速にアクセスできることです。
さらに、32Kコンテキストウィンドウ(ChatGPTが一度に処理できるトークンの数)に対応しているため、より高度な自然言語理解と生成能力を持っています。そのため、複雑な問い合わせに対しても適切な回答を提供できるようになっています。
この迅速なアクセスにより、チームは最先端のAI技術を活用して、業務をよりスマートに遂行できます。
豊富なツールの利用制限が緩和されている
一般のプランでは利用に一定の制限がある多くのツールが、Teamプランではより広範囲にわたって使用できるようになっています。
たとえば、以下のようなツールがChatGPT Teamプランで使用可能です。
- Browsing(インターネットの情報を取得するツール)
- Advanced Data Analysis(ファイルの分析やグラフの作成などを行うツール)
- GPT-4 with Vision(画像を認識するツール)
- DALL·E 3(画像を生成するツール)
これにより、チームは特定のプロジェクトやタスクに必要な機能を自由に使いこなすことが可能です。制限の緩和は、チームの柔軟性と創造性を促進します。
会話履歴がOpenAIの学習に利用されない
ChatGPT Teamプランでは、プライバシーに配慮した設計がなされており、チームが行う会話履歴はOpenAIの学習データとして使用されません。
これにより、企業や組織は、機密情報を安全に取り扱いながら、AIとの対話を行うことができます。
チームコラボレーション機能と管理コンソールが搭載されている
このプランには、チームメンバー同士のコラボレーションをサポートする機能が備わっており、プロジェクトの管理や進捗の共有が簡単に行えます。
また、管理コンソールを通じて、ユーザー権限の設定や使用状況のモニタリングも可能です。これにより、管理者はチームのAI利用を効率的にコントロールできます。
独自のGPSを作成できるGPTs機能が搭載されている
GPTs(ジーピーティーズ)とは、チャット形式でオリジナルのチャットボットを作成できるサービスです。プログラミング言語を使わずに作成できるため、専門知識のない方でも扱えます。
GPTs機能により、企業や組織は独自の目的に合わせたAIモデルを設計することができます。これにより、特定の業界や業務に特化したAIのカスタマイズが可能となり、さらに高度な業務自動化や効率化を図ることができます。
機能が追加・改善されたら早期にアクセスできる
ChatGPT Teamプランのユーザーは、OpenAIが提供する新機能や改良された機能に対して、一般公開よりも先行してアクセスすることができます。これは、常に技術の最前線を行くことが重要なビジネス上の利点です。
早期アクセスを通じて、企業は競合他社に先んじて新しいツールを導入し、市場での優位性を確立することができるでしょう。
このように、ChatGPT Teamプランは、最新のAIを活用し、チームの生産性を向上させるための多岐にわたる特徴を備えています。これらの機能を最大限に活用することで、企業や組織は日々の業務を効率化し、イノベーションを推進することが可能になります。
ChatGPT Teamプランを法人利用するメリット
多くの企業や組織がChatGPT Teamプランの導入を検討するにあたって、その明確なメリットを理解することが不可欠です。
このプランは、一般的なビジネスのニーズに合わせて特化されており、日々の業務においてチームのパフォーマンスを大幅に高めることが期待されます。ここでは、法人利用におけるChatGPT Teamプランの利点を詳しく掘り下げます。
チームの生産性向上と効率化が期待できる
ChatGPT Teamプランは、チーム全体の生産性を向上させる設計が施されています。AIが単純作業を自動化することで、従業員はより仕事に集中できるようになります。
たとえば、タスクの共有やプロジェクト管理などを効率化することで、多岐にわたる業務が効率的に行えます。従って、チームワークが強化され、タスクの完了速度も上がります。この結果、より多くのプロジェクトを短期間でこなすことが可能になり、業務の質と量の両面で成果が出ます。
情報漏洩のリスクが低い
セキュリティは、企業にとって常に最優先事項です。ChatGPT Teamプランでは、入力された会話履歴が外部に漏れないようにデフォルト設定されており、企業の機密情報を保護するための厳格なプライバシー対策が講じられています。ChatGPTとの対話内容がOpenAIの学習に利用されないので、外部に流出するリスクも非常に低く、安心して利用することができます。
この信頼性の高いセキュリティ環境は、特に機密性が求められる業界において大きなアドバンテージとなります。
他プランよりもコストが抑えやすい
他プランのなかには企業ごとに料金が異なるものもありますが、ChatGPT Teamプランは1ユーザーあたりの金額が月額25ドルと決められていますので、他プランよりもコストが抑えられる可能性もあります。
また、コスト削減は、他の重要な事業領域への再投資を可能にし、企業の成長と発展に寄与します。
こうしたメリットを活かすことで、ChatGPT Teamプランは企業にとって強力なツールとなり得ます。
ChatGPT Teamプランの導入プロセス
新しい技術を取り入れる際、その導入プロセスはスムーズであることが望まれます。ChatGPT Teamプランをビジネスに導入することは、デジタル変革の一歩とも言えますが、その手順が複雑でないことが重要です。
ここでは、ChatGPT Teamプランを始めるための具体的な手順をご紹介します。
ChatGPT Teamの登録方法
1. ChatGPTにログイン後、ユーザネームの上部にある「Upgrade plan(プランをアップグレード)」をクリックする
2.「Team(チーム)」項目の「Upgrade to Team(チームにアップグレード)」を選択する
3.チーム名(企業名や部署名など)を入力して、「Select billing options(チームプランを選択)」をクリックする
4.支払い方法(年間単位での支払いか月額支払い)を選択してワークスペースを利用するユーザー数を入力する(チーム向けのプランなので2人以上で登録する)「Continue to billing(請求情報へ進む)」をクリックする
※支払い方法はクレジットカード決済のみ対応
5.連絡先情報や支払い方法を入力して、「申し込む」をクリックする
6.申し込み後はワークスペースを共有するメンバーを招待して(メールアドレスを直接入力する方法やCSVファイルにまとめたものをインポートする方法がある)Role/権限を「Member」「Admin」「Owner」などに設定する
7.最後に「Continue to ChatGPT」をクリックして終了する
ChatGPT Teamプランの料金・ PlusやEnterpriseプランとの違い
最新のAI技術を業務に導入する際、料金体系の透明性と選択肢の多様性は非常に重要な要素です。ChatGPT Teamプランには、さまざまなサイズのビジネスに適応するための複数のオプションが用意されており、それぞれのプランは異なる特徴と料金が設定されています。
ここでは、Teamプランと他のプランとの違いについて、料金とサービス内容の観点から詳しく見ていきます。
各プランのサービス内容の比較
ChatGPTのサービスには、無料プランのほかにも「ChatGPT Plus」、「ChatGPT Team」、「ChatGPT Enterprise」などのプランがあります。
以下の表にそれぞれの料金や特徴をまとめましたので、ご参考ください。
無料版 | Plus | Team | Enterprise | |
---|---|---|---|---|
言語モデル | GPT-3.5 | GPT-3.5/GPT-4 | GPT-4 | GPT-4 |
投稿制限 | 無制限 | GPT-3.5は無制限 GPT-4は3時間の間に50回まで可能 | 3時間の間に100回まで可能 | 無制限 |
対象者 | 個人向け | 個人向け | 企業向け | 企業向け |
料金 | 無料 | 月額20ドル | 月額支払いの場合は月/30ドル 年間契約の場合は月/25ドル | 企業ごとに異なる ※OpenAIのコンタクトページより問い合わせる |
セキュリティの強度 | 情報漏洩のリスクがあるため個人での利用が推奨される | 情報漏洩のリスクがあるため個人での利用が推奨される | セキュリティ対策が強化されているため企業でも使える | セキュリティ対策が強化されているため企業でも使える |
管理機能 | なし | なし | あり | あり |
その他の機能 | なし | プラグインやGPTsなどが利用可能 | 通常の4倍で情報量を処理できる・GPTの速度が通常の2倍・Plusよりも各ツールの利用制限が緩い | 通常の4倍で情報量を処理できる・GPTの速度が通常の2倍・Code Interpreterのが無制限で利用可能 |
無料プランと「ChatGPT Plus」は個人ユーザー向けで、「ChatGPT Team」「ChatGPT Enterprise」は企業向けのプランです。TeamとEnterpriseはどちらも会話内容がOpenAIの学習に利用されませんので情報漏洩のリスクも低いといえます。
Enterpriseは企業ごとに料金が異なります。Teamとコストを比較したい場合は、以下の「コンタクトページ」から問い合わせて見積もり依頼をするといいでしょう。
参考:OpenAI|Contact sales
まとめ
この記事を通じて、ChatGPT Teamプランとは何か、その特徴や使い方、登録方法、さらには料金や他プランとの違いについての理解を深めていただけたでしょう。
Teamプランは、最新のAI技術をチーム単位で利用可能にし、生産性の向上、効率化、セキュリティの強化を図るものです。手頃なコストで提供され、GPT-4への迅速なアクセスや、豊富なツールの利用が可能で、登録プロセスも簡単です。
企業や組織が日々の業務を効率化し、革新を推進するための重要なツールとなり得るでしょう。AI技術の進化とともに、これらの情報も変化していくため、常に最新の情報を得ることをお勧めします。