見逃せない! 話題のメタバースの仕組みや効果について徹底解説!
はじめに
最近その名を耳にする機会も増えた「メタバース」ですが、おおよそのイメージはわかっていてもきちんとその意味を説明できる人は少ないのではないでしょうか。この記事ではメタバースの仕組みや名前の由来、活用方法、実際の始め方、そして今後の可能性までわかりやすくご紹介します。
メタバースとは
メタバースとはインターネット上の仮想空間に入り込んでいろいろなことができる世界のことです。仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、3Dデジタルといった技術によって構築されています。
メタバースのイメージとしては話題となった『サマーウォーズ』『竜とそばかすの姫』『マトリックス』などの映画を思い浮かべてみてください。また、自身のアバターが別空間で活動するゲームである『フォートナイト』や『あつまれ どうぶつの森』をメタバースと呼ぶ人もいます。
仮想空間というとSecond Life*のことを思い出す人も多いでしょう。2003年に登場したSecond Lifeは仮想空間内の不動産売買などができ、話題を呼びました。メタバースの基礎になっていると言えるでしょう。
*Second Life:アメリカのサンフランシスコに本社を置くリンデンラボ(Linden Lab) 社が行っている3DCGで構成されたインターネット上に存在する仮想世界(メタバース)。
また、クラウドサービスによっては独自の仮想体験技術を提供しているところもあります。くわしくはこちらの記事クラウドとは?初心者にもわかる!基本・仕組みを徹底解説!をご覧ください。
メタバースの名前の意味と由来
メタバースというのは英語のMeta(メタ=超越した、高次の)とUniverse(ユニバース=宇宙)とを組み合わせた造語で、ニール・スティーブンソンが1992年に発表したSF小説『スノウ・クラッシュ』に登場する仮想空間の名前です。
言葉としては30年前からあったメタバースですが、2021年10月にFacebook社が社名をMeta(メタ)へ変更したことをきっかけに大きな注目が集まり、他の企業も続々とメタバース事業に参入し始めました。
どのような分野で活用されているか
メタバースの概略がわかったところで、社会のどのような場面でメタバースが活用されているか、以下に見ていきたいと思います。
バーチャルオフィス
バーチャルオフィスとはリモートワークに必要なWeb会議やチャットなどを目的とする仮想オフィスのことです。現状のリモートワークの課題として、チームとしての一体感の持ちづらさ、コミュニケーション不足、教育やマネジメントの効率の悪さなどがありますが、こうした問題を解決するためバーチャルオフィスが主に企業などで役立っています。
リモートワークの利点と課題についてはこちらの記事リモートワークの課題解決を幅広く支援!おすすめの10のツールを紹介にまとめられていますので参考にしてください。
バーチャルイベント
バーチャルイベントとはオンライン上で開催されるイベントのことであり、参加者はVR技術によって空間内を自由に歩き回れるなど、まるで実際にその場にいるかのような感覚を体験できます。イベントの種類は展示会やセレモニー、セミナー、ライブ、工場見学など多岐にわたります。ゲーム「フォートナイト」の中ではBTS、米津玄師など有名アーティストがバーチャルライブを開催しています。ファッション業界でもBEAMSがメタバース上にバーチャルショップを出店し話題になりました。
メタバースの始め方
ここまでメタバースについて見てきて実際にメタバースを始めてみたいと思った人も少なくないでしょう。そこでメタバースを始めるにあたってどのような手順が必要かについて説明していきたいと思います。
1.暗号資産取引所にて口座開設する
メタバースのサービスを提供しているプラットフォームによっては、ゲームのアイテムなどの売買を独自の仮想通貨でおこなっているところがあります。海外旅行に行くときに現地の通貨に両替をするように、多くのメタバースで経済活動をするためにはそこで利用できるコインを手に入れる必要があるのです。その最初のステップとして国内の暗号資産取引所に口座を開設します。
2.メタバース内通貨の購入
利用したいメタバースプラットフォームで使われている仮想通貨がイーサリアムやエンジンコインなど、国内で購入できるコインの場合はそれでメタバースを始めることができますが、国内で取り扱いがないコインの場合、日本の取引所で買った仮想通貨を海外の取引所に送金して購入する必要があります。
3.ウォレットとの連携
メタバースで使うコインを買うときは、あらかじめウォレットという仮想通貨を保管する財布のようなものを準備しておきます。ウォレットに入手した仮想通貨を入れ、メタバースプラットフォームと連携させればさまざまなサービスが利用できるようになります。
NFTの重要性
メタバース内では現実世界と同様に個人や企業とのコミュニケーションを取り、商取引をおこなうことがあります。デジタル資産の売買では商品がコピーではなく本物であるという証明が必要になります。このとき使われるのがNFTです。NFTはデジタル資産の鑑定書のようなものであり、不正取引を防止するために今やなくてはならない存在です。NFTについて詳しくはこちらの記事NFTとは?初心者にもわかる仕組みや収益を得る方法を解説を参考にしてください。
メタバースと仮想通貨のつながり
メタバースでは仮想通貨を利用してNFT市場に連携し、安全性や透明性の高い取引を実現しようとしています。メタバースのプラットフォームを選ぶ際には、サービス内容だけでなく仮想通貨の時価総額や注目度を参考にするのもいいでしょう。
メタバースとわたしたちの生活
次にメタバースでは実際に何ができるのか、わたしたちの生活とどう関わってくるのか、その代表例を見ていきましょう。
ゲーム
手軽にメタバース体験ができるゲームアプリが多数開発されています。メタバースのゲームは仮想空間内で他のプレイヤーとコミュニケーションを取れるのが特徴です。ゲーム内ではアイテムやアバター、土地などをNFT化して売買することもできます。またゲームによってはプレイするだけでお金を稼ぐことができるものもあります。
ビジネス
今やビジネスの場に欠かせない存在となったオンライン会議はメタバースの特性を活かせる場としても注目されています。現在利用されているツールにはskype、Zoom、Teamsといったものがありますが、メタバースを利用したオンライン会議ではVR機器を活用し、仮想空間に入り込むことでよりリアルに近い感覚で会議を開くことができます。
株・投資信託・暗号資産などの投資
メタバースに関連する株・投資信託・暗号資産などへの投資も人気が高まっています。特に暗号資産は少額からスタートできるなど敷居の低い投資なので副業とする人も増えています。また複数の銘柄を組み合わせた投資信託商品であるETF(上場投資信託)でもメタバースの関連企業に投資できるパッケージが今注目を集めています。
株価が注目されるメタバース関連銘柄
投資の対象としても注目されているメタバースですが、成長が期待される関連銘柄にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
Meta(旧Facebook・アメリカ株)
SNS最大手のFacebook社は2021年Meta(メタ)に社名変更した上、メタバース事業に巨額の投資をすることを発表し全世界にインパクトを与えました。同社が発表した「Horizon Workrooms」というサービスはVRゴーグルを装着し自身のアバターが仮想オフィスでミーティングをするというものですが、そのスムーズな操作性とリアリティの高さはメタバースの可能性を広げるものとして評価されているようです。
ソニー(日本株)
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は2022年1月にPlayStation5用のVRシステム「PlayStation VR2」を発表しました。まだ詳細はわかっていませんがメタバース市場の盛り上がりに遅れを取るまいと先手を打った印象です。日本のメタバース関連銘柄でも代表的な企業のひとつと言えます。
マイクロソフト(米国株)
現在多くの企業において利用されている「Teams」というマイクロソフト社のオンライン会議ツールがありますが、同社のMR(Mixed Reality)プラットフォーム「Microsoft Mesh」のTeams対応版である「Mesh for Teams」が2022年に提供開始されます。Mesh for Teamsでは3D仮想空間でアバターを使うというメタバース環境でオンライン会議ができるようになるということで注目を集めています。
メタバースの利点と課題
これまで見てきたように多くの企業がメタバース事業に取り組み始めていますが、メタバースの利点と課題にはどのようなものがあるでしょう。メタバースのメリット・デメリットについて見ていきましょう。
メタバースのメリット
まずはメタバースのメリットから挙げていきます。仮想空間ならではの自由さ、利便性の高さがなんといっても魅力です。
制約に縛られない
メタバース内では、現実世界では実現不可能なコンテンツを作り出すこともできます。さらに現地に足を運ばずともイベントを体験することができるなど、距離の制約から解放され移動コストなどの削減も可能になります。例えばメタバース内のショッピングモールでは自宅にいながらにして友人とお店巡りをしたり、店員と会話をしたりできます。
新たな市場の創造
メタバースは、仮想空間上のコンテンツを作ったり売買したりといった新しいビジネスチャンスを生み出しています。億単位の値段で取引されることもあるNFTアートがいい例でしょう。またゲーム内の土地に数百万の値が付くことも珍しくありません。今後成長分野として注目される仮想通貨との連携により新たな投資先としても期待が高まっています。
快適なコミュニケーションツールでミーティングができる
近年増加するリモートワークにおいてもメタバースを利用して、実際に会社にいるかのような感覚で会議に参加ができます。会議室のレイアウト変更や参加者のデスクの増築ができるのはもちろんのこと、仮想空間にいながらにして自分のパソコンを操作したり、ホワイトボードに字を書いたりすることも可能です。アバターによる表情やジェスチャーの再現度も高く、タイムラグなくよりリアルで快適なコミュニケーションが可能です。
メタバースのデメリット
さまざまな面白さ、快適さをわたしたちの生活にもたらすと期待されるメタバースですが、同時に気を付けなければならないこともあるようです。次にメタバースのデメリットについて見てみましょう。
ゲーム依存
昨今のオンラインゲームの普及によるゲーム依存症の増加に警鐘を鳴らす専門家が多くいます。ゲーム依存症はゲームをする時間を自分でコントロールすることができなくなり日常生活に困難をきたすなど、程度によっては医療機関のサポートが必要になります。投資性の高いゲームが多いメタバースでは経済的破綻というリスクも心配されます。
現実世界に帰って来られなくなる
メタバースはVR機器を使用した没入型の空間です。日々のストレスから現実逃避するようにメタバースの美しすぎる空間に浸っていると、現実世界に戻ってくるのが嫌になってしまう可能性もあります。居心地が良すぎるのも問題なのかもしれません。
現実世界でのコミュニケーション不足
リモートワークにおける会議などでコミュニケーションを円滑にするメタバースですが、その一方で、メタバースに滞在する時間が長くなりすぎて現実世界でのコミュニケーションが減ってしまうことも心配されます。メタバース内でのコミュニティのほうが現実世界での人間関係よりも大事、といった逆転現象が起きかねません。
まとめ
今後、テクノロジーが発展するにしたがってメタバースはより身近なものになっていくでしょう。そしてメタバースはただの娯楽ではなくビジネスと結びついているため多くの企業や投資家の注目を集めています。まだ生まれたばかりとも言える今だからこそメタバース事業に参入して他社に先がけたいと考える企業も多いでしょう。メタバースがわたしたちの生活をどう豊かにし、また多くの人にとってのビジネスチャンスとなるか、今後の動向に目が離せません。
最後のチェックポイント
- メタバースとはインターネット上の仮想空間のこと
- アバターを使うゲームもメタバースである
- バーチャルでライブやショッピングを楽しめる
- メタバースを使うとオンライン会議がより快適になる
- 仮想通貨が必要なメタバースもある
- メタバース関連銘柄が投資先として注目されている
- 世界的大企業が続々とメタバース事業に参入している