ニートから就職するためには?年代別に就職前にするべきことと仕事探しのコツ
はじめに
さまざまな理由によりニートの生活が続くなか、就職をしたいと考えていても、どのように行動すればいいのか見えてこない人もいるでしょう。脱ニートとし、就職活動を進めるための仕事探しのコツや、ポイントを紹介します。
ニートは就職できない?
結論からいうと、ニート生活を送ってこられた人でも就職することは可能です。しかし新卒で就職活動する人と同じようにしていては、うまくいかない可能性があることも事実です。就職活動を行う前に、まずは年代別、ニートの就職状況を確認していきましょう。
20代ニートの就職
20代の場合、将来性や体力面などが評価されやすい傾向にあります。若さを存分に武器にして、転職エージェントを活発に利用しながら、転職活動を行うといいでしょう。
転職エージェントの場合、ご自身のスキルや希望に配慮した仕事選びなどのサポートが受けられます。就職実績や資格・スキルがないニートの人にもオススメです。転職エージェントによってサポート内容が少しずつ異なりますが、社会人経験が薄い人のための「ビジネスマナー講座」や履歴書・職務経歴書作成のアドバイスなど、かゆいところに手の届くサポートがしてもらえるでしょう。
30代ニートの就職
30代のニートの場合、転職エージェントの利用もいいのですが、あくまでもサポート的な形で利用するほうがいいでしょう。30代の場合は、ハローワークの利用を主軸とした就職活動がメインとなっていきます。
転職エージェントなどは、20代がターゲット層に定められているところが多く、30代を超えると門前払いされてしまうケースもあります。登録はできても音沙汰なしになることもしばしば。
そのような点から、30代以上でも市場が広がるハローワークを積極的に利用していくことをオススメします。
40代ニートの就職
40代以上のニートの転職は、30代の人たち同様に、ハローワークを積極的に利用していきましょう。その上で40代以上に特化した転職就職支援の利用をオススメします。
40代ともなると求人数も減少する傾向にあり、ニートでなくても資格や実務経験、スキルなどがないと転職活動は困難を極めるでしょう。しかし逆を言えば、40代に特化した就職・転職支援やエージェントがあるのは、40代までであればまだチャンスはあるとも考えられますので、諦めずに活動していきましょう。
ニートの就職はムリじゃない!今からできることは?
やり方次第で、ニートの人でも就職することはムリな話ではありません。以下にあげる4つのポイントに注目してみましょう。
- 規則正しい生活習慣を心掛ける
- 身だしなみを整える
- アルバイトをしてみる
- 職業訓練をする
今日からできるニートの人が就職するための4つのアクション。できることから少しずつやってみましょう。
規則正しい生活習慣を心掛ける
ニートの人の場合、決まった日中のルーティンがないケースも多いため、生活が昼夜逆転になってしまっていることも珍しくないでしょう。必要に駆られなければ1日中家に居て外出をすることがない、運動もろくにしていないなどから、働きだした途端、体調を崩しやすい可能性もあります。
そこで最初に注目し行動してほしいことは、規則正しい生活習慣を心がけることです。夜になったら寝て朝になったら起きる。この程度のレベルからはじめて、徐々に希望する職種に応じた起床・就寝時間を目指していきましょう。
身だしなみを整える
社会の一員として働くには相応のTPOが求められます。一見汚れていないように見えても、社会人としてはだらしない印象を与えてしまうこともあります。見た目は非常に重要な部分なため、不採用の原因になってしまうことも。
社会人として適切な服装、靴、カバン。そして清潔感のある髪型を意識していきましょう。ヒゲやメイク、爪なども、常に清潔感のある状態が維持できるよう努めてください。
流行りを追う必要はありませんし、高級なもので揃える必要もありません。服装の場合はサイズがあっていることも意識してください。あとは華美なものでないシンプルなものを揃えれば、就職後も長く使えそうですね。
アルバイトをしてみる
ニートの場合、長らく仕事をしていない、まったく仕事をしたことがないというケースも珍しくありませんよね。そこで少しずつ働くことに慣れるために、アルバイトをしてみることもオススメします。
短時間・短期間などのアルバイトでも構いません。働くことで人と人との関わり方を学んだり、規則正しい生活を身につけていくこともできます。アルバイトをするなかで、得意分野や苦手なことが見えてくることもありますので、それらは就職活動にも生かせるでしょう。
職業訓練をする
仕事経験が少ない・もしくは無いニートの場合、職業訓練もオススメです。アルバイトとは少し異なり、職業訓練を受けながら実務経験を積んでいきます。なかには訓練を受けながら資格取得をサポートしてもらえるケースも珍しくありません。
訓練を受けることでできることが増え、就職活動の際にアピールできることが増えます。その上決められた手当ももらえます。働くための訓練をしながら生活リズムを整えていけば、就職後の生活のイメージもしやすくなるでしょう。
ニートの仕事探しのコツ
ニートが就職活動するには
- 就職サイト
- 就職エージェント
この2つを駆使して仕事探しをしていきましょう。もちろん、ハローワークなどを交えることもオススメです。選択肢は多ければ多いほど可能性が広がるでしょう。
また仕事探しをする際に押さえておきたいポイントとして
- 就職に有利になる資格の取得
- 人手不足の職種を選ぶ
これら2つについてもご紹介します。
就職サイトで求人を探す
就職サイトとは、就活サイトとも呼ばれており、主に就職活動に役立つ企業の情報や、就職活動をおこなうためのバックアップをおこなっています。就職活動をする人向けのサイトで、就職活動を行う場合の情報源となりますので、積極的に利用していきましょう。
就職サイトへは個人情報以外にご自身の希望条件も登録でき、その希望に沿った求人を探せます。脱ニートとして就職を目指すのであれば、できるだけ長く働き続けられる、条件の合う仕事を探せるよう情報収集に努めてください。
情報収集後はご自身の力でエントリーし、進めていかなくてはなりません。しかし就職サイトにしかない情報などもありますので、はじめての就職活動を行うひとにはオススメです。
就職エージェントに相談してみる
ニートの場合、就職活動がはじめてな人や、不慣れな人も多いでしょう。そうなると、たくさんある情報のどの部分を読み取るのかを判断することも難しいかもしれません。そのような場合、誰にも頼れず1人で悩んでしまい、身動きが取れなくなることもあるでしょう。
そこでオススメしたいのは就職エージェントです。就職エージェントは就職サイトのように、就職活動をする人のための情報収集ができるだけではなく、もう一歩踏み込んで、企業と就職活動をする人との仲介役までおこないます。
転職エージェントをうまく利用すれば、専門的な知識と経験をもつスタッフにアドバイスを貰いながら、就職活動が行えます。
就職に有利になる資格の取得を考える
ニートでもそうでなくても、希望する職種によって、資格があると就職活動が有利に運ぶことがあります。ニートだからこの資格を取得しておこうというオススメの資格はとくにありませんが、もし就職活動をはじめるまでに余裕があったり、好きな分野の資格が役立ちそうだったりするのであれば、ぜひ資格取得も検討してみてください。
ただし資格を持っているからと言って、必ず就職活動が有利に働くとは限りません。資格を持っているだけではなく、実務経験を必要とする職種・企業もありますので、やみくもに資格取得に時間を割くのはやめておきましょう。
理想は就職活動をしながら取得可能な資格で、希望する職種で役立ちそうなものであることです。まずはどのような仕事をしたいのか、そこで役立つ資格は何があるかを調べてみましょう。
人手不足の職種を選ぶ
どこで働きたいか、どのような仕事がしたいか。これらがはっきりと見えていない時期は、人手不足の職種を選ぶこともオススメです。
たとえばプログラミング関連の業種などは、業界全体で慢性的な人材不足が常に囁かれています。もしパソコン関係に明るい人や、プログラミングに興味がある人は、挑戦してみる価値はあるでしょう。
他にも営業職や飲食・販売などの接客業、介護や配送、警備関係なども人材不足が慢性的におこっている業種です。これらの業種は採用人数が多い傾向にあり、採用人数も多くなります。優先的に検討してみてはいかがでしょう。
ニートにオススメの就職先【業界・職種】
ニートが就職するのであれば、どのような職種・業界がオススメか。
- 工場
- 建設
- 事務
- 警備員
今回は以上の4つの職種・業界についてまとめてみました。これら4つの職種ではどのような働き方をするかなど、チェックしてみてください。
工場
ニートにオススメの就職先として工場があげられるのは、未経験者を積極的に採用しているためです。工場の規模によっては多くの労働力を必要とするため、採用数も多い傾向にあります。
人と人との関わりもあまりなく、業務も複雑でないケースが多いため、働いた経験が無く、働くことがはじめてのニートにはオススメしたい職種です。
製造
材料、もしくは部品を加工したり、組み立てたりする作業が主となります。自動車メーカーや、医療機器メーカーなどに始まり、食品メーカーや衣料品など、さまざまな分野の業種があります。
ピッキング
倉庫や工場などに保管されている出荷前の商品を、指定された伝票などを元にピックアップ(集める)作業をおこないます。
検品
物流業や製造業に多く見られる職種で、業種は多岐にわたります。取り扱う商品によって検品方法は異なり、不良品を仕分けたり、異物が混入していないかをチェックしたりします。家電や自動車などでは、動作チェックなども業務に含まれてくるでしょう。
梱包
製造されたものや検品されたものを、工場内でダンボールなどに詰めたり包装紙で包んだり、袋に入れるなどの作業をおこないます。商品を入れる前に箱を組み立てる作業や、梱包されたものの数をチェックするなどもおこないます。
建設
建設業の場合、資格を持っていないと業務を行えない印象がありますよね。しかし実際に現場で建設に携わる「現場作業員」であれば、資格などがなくても働けます。大きな企業の場合、取り扱う建設物も大規模になるため、ひとりでも多くの人材を欲している可能性も大です。
建設業は、設計や施工管理、現場監督や営業職・事務職など、現場作業員以外にも職種は多岐にわたります。資格や経験がない場合は、現場作業員からのスタートになります。体力に自身があまりないなど不安がある場合は、事務職なども検討してみてもいいでしょう。
現場作業員の場合、仕事内容はあまり難しくないケースが多いため、まったくの未経験者でも採用されることは珍しくありません。ただし体力勝負な現場も多いため、動けることが採用に際し重要視されるでしょう。スタートは現場作業員でも、まじめにコツコツと働いていくことで、現場監督など他の職種に昇進することもあります。
働きながら建築のことを学び、資格取得を目指してみることもオススメです。
事務
事務職には、
- 一般事務
- 営業事務
- 経理事務
- 貿易事務
- 医療事務
……など、いくつかの種類があります。他にも総務や人事なども事務職として扱われます。
一般事務のように書類を作成したり管理をしたり、電話対応や郵便物の仕分けなど、いわゆる事務作業が仕事になっている業務は、事務職の中でも人気が高く募集数も多い傾向にあるようです。
営業事務は営業マンのアシスタント業務が主となり、見積書や請求書の作成、スケジュール管理などをおこないます。
この2つの事務職に関しては、未経験でも採用される確率が高くなり、他の事務職に関しては、資格を持っている方が有利になるなど専門性の高いものが目立ちます。
たとえばパソコンのスキルとして汎用性の高い、「MOS(Microsoft Office Specialist)」を持っているとさまざまな事務職で役立ちます。医療事務も資格がなくても採用されるケースもありますが、専門性が高いため、資格を持っていると有利になるでしょう。貿易事務などでは英検やTOEFL・TOEICなどの資格を持っていれば、外国とのやり取りが可能になるため評価の対象にもなります。
警備員
警備員の仕事には、
- ショッピングセンターや工場などの施設の警備を行う「1号警備」
- 工事現場などで交通整理などを行う「2号警備」
- 貴重品や現金・危険物の輸送を行う「3号警備」
- ボディーガードをおこなう「4号警備」
これら4種類の業務に分類されます。
警備の仕事は、資格が必須なわけではありません。しかしとにかく体力勝負になることが多い仕事です。立ちっぱなし、歩きっぱなしになってしまう業務のときもあるでしょう。
ですが警備業務は常に人材不足な上に、警備をする場所はありとあらゆるところに点在しているため、採用率の高さがニートには魅力的な職業です。
夜間・深夜の業務がある警備会社や、正社員は日勤だけなど、働き方もさまざまです。最初は交通誘導などの簡単な業務から慣れていき、その後は本人の希望や特性に沿った業務が任されるようになるでしょう。
勤務地や勤務内容、働いている人の年齢層なども幅広く、まじめに働いていれば、過剰な詮索をされ誰かになにかを言われる確率も低いでしょう。協力・連携も信頼関係を築く上である程度は必要ですが、過剰な人間関係などもありませんので、その点も気楽かもしれませんね。
押さえておきたい面接対策
ニートが就職活動をする場合、面接ではどのような対策をおこなっておけばいいでしょう。ニートをしていた空白期間や、ニートになった理由など、面接で聞かれそうなことなど、事前に押さえておきたいポイントを紹介します。
なぜニートになったのか
なぜニートになったのかについては、面接の際に必ず聞かれることと覚悟をしておきましょう。ニートになった理由が話しにくい内容だった場合、ありのままを話す必要はありません。ですが嘘をつくことは避けてください。
前職の人間関係や労働状況のせいで働くことが怖くなったとか、やりたいことがあったのでそちらを優先していたとか、家庭の事情など。内容的にネガティブになりそうな回答は、少しでもポジティブな表現に変換させて、できる限り正直に話をしましょう。
ニート期間はなにをしていたのか
ニートでいた「空白期間」に何をしていたかも企業はきっと知りたい情報でしょう。ここでもネガティブな表現を避け、できる限りポジティブな表現に変換した内容で話をしてください。
もちろん空白期間に関しても、見栄や体裁を整えるためなどでウソを付くことは辞めましょう。また話すときは姿勢を正し、まっすぐ相手を見てハキハキと話すことで、前向きさをアピールできるはずです。
なぜ就職しようと思ったのか
面接で聞かれることにウソを付くことはいけませんが、すべてを正直に話す必要はありません。ただしなぜ就職しようと思ったかについては、あまりネガティブな内容になりにくい傾向にありますので、具体的な内容を織り交ぜ、働く意欲が伝えられる回答を考えておきましょう。
漠然とお金がないからとか、将来に不安を感じたからなどが理由でも構いません。ですが答える場合は、具体的な理由を織り交ぜるほうが真実味は増し、評価に繋がりやすくなりそうです。
まとめ
ニートの就職活動は、新卒や既卒などの就職活動と比べると難易度は高くなる可能性があります。もちろん年齢や資格・経験・スキルなどによってさらに難易度は変化していくでしょう。
しかしニートでもきちんと就職活動への対策をおこなっていくことで、就職することは可能です。聞かれたことに嘘をつかず、前向きに働きたいという意欲を表現できればOKです。
まずは置かれている現状をきちんと把握し、できることとできないこと、やりたいことを明確に洗い出してみましょう。そして最初からいきなり実践に向き合うのではなく、少しずつ社会人として生活するリズムを身に着け、徐々に働ける状態を自分のなかに構築していきましょう。
最後のチェックポイント
- ニートの就職活動は難しい部分もあるが、やり方次第で就職はできる
- 年代に応じた仕事探しの方法を知り、自分にあった方法で職を探そう
- 規則正しい生活や身だしなみは、社会人になるための第一段階
- アルバイトや職業訓練で働くことに慣れてみることもオススメ
- 資格はあれば有利に働く可能性はあるが、無資格・未経験でも働ける仕事はある
- 未経験でも採用してもらいやすい業種・職種を優先的にチェックする
- 面接時は常にポジティブに、嘘は決してつかないこと