リモートワークができる仕事の求人とは?向いている職種と環境を解説
はじめに
リモートワークは、直訳すると「遠隔地で働くこと」を意味し、オフィスに出社しない働き方を幅広くリモートワークと呼びます。どのような業務でリモートワークが可能なのか、リモートワーク環境としてはなにが必要なのか、そして、リモートワークのできる求人や向いている職種などについて解説します。
リモートワークのできる求人
遠隔で業務を行うことをサポートするツールやサービスが多く出てきたことで多くの仕事がリモートワークで完結できるようになって来ました。リモートワークで働きたいというニーズが増えて来たこともあり、リモートワークが可能な企業の求人案件が増加しています。
今後、リモートワーク可能な求人は増えると感じますか?
正社員の求人傾向
リモートワークができる正社員求人の傾向は、通常出社の求人と同様に経験や資格の有無によって年収が異なります。またリモートワークといっても、完全に出社せずに仕事をするフルリモートの形態で働ける企業は限られています。一言でリモートワークと言ってもどのように働くこととなるのかよく確認しましょう。
例えば、リモートワークの正社員の求人であっても以下の条件が指定される場合があります。
- 出社する日とリモートワークの日をあらかじめ決めて働く。
- 自宅やサテライトオフィスなど、働く場所が限定される。
リモートで働く上での条件が何パターンかあることを踏まえたうえで求人を探しましょう。なかにはフルリモートで業務ができる求人もあります。正社員の待遇を確保しながら、「自分が働きたい方法」で働ける求人を探すには業種や仕事内容を選ぶと良いかもしれません。仕事に何を求めるか優先順位を考えながらリモートワークが比較的しやすい仕事と給料を見ていきましょう。
- コールセンター業務
コールセンター業務は自宅に回線や電話機が必要となるものの、社内システムなどと連携できれば業務を行うことができます。非常に人数の多い企業もあるため、社内では同じ仕事を行っている人が多数いるため、安心感もあるといえるでしょう。年収は300万円ほどです。
- 住宅の意匠設計
住宅設計は一戸建て住宅を中心に、住宅のデザインを行います。業務内容は、営業の担当者などからお客のニーズを聞き出したうえで2Dや3Dの住宅の図面作成やモデルの作成を行うなどのプランニング業務がメインなのでフルリモートで求人を行う会社が出てきています。年収は1級建築士であれば500万円ほどです。
- Webデザイナー
ランディングページ(LP)やバナー、ボタンのコンテンツ作成を行います。また、サイトの管理・運営及び新規サイトの立ち上げなどを担当する場合もありますが役割分担が明確でタスクを切り分けやすいこともありフルリモートワークで働いている人が多い職種です。
フルリモートワークができる仕事と給料
フルリモートワークは、オフィスに全く出社をしない働き方です。会議や研修などはすべてオンライン上で行います。オンライン上のやり取りで完結できる仕事と相性が良い働き方です。具体的にはITエンジニア、WEBプログラマー、WEBデザイナーなどが該当します。
以下平均年収の一例をご紹介します。
- システムエンジニア・・・563万円
- WEBプログラマー・・・・553万円
- WEBマーケター・・・・・500万円
- WEBデザイナー・・・・・482万円
- システム監査・・・・・・450万円
フルリモートワークでの給料は、企業や業務内容により大きく異なるため、自分のスキルの市場価値を見極めながら仕事を探すようにしましょう。また、残業の有無なども含めてよく確認する必要があります。
リモートワークのできる転職先の探し方
リモートワークが可能な転職先を探す際には、自分が経験したことのある職種で転職先を探すようにしましょう。リモートワークでの求人は、職種にもよりますが、経験の有無が重視されることが多いです。応募条件の中に、ある一定の実務経験が必須とされているものが多く見られます。また、エンジニアやプログラマー、設計などの技術職に関しては、実務経験やスキルを示すためにプログラムや仕様書、設計書など実績を表示するものが必要となります。
完全に未経験の職業や職種で仕事を始めたい場合は、応募する際に「未経験OK」となっていることを確認しましょう。リモートワークができることを優先して転職先を探す際には、正社員だけでなく、派遣でもリモートワークが可能なことを覚えておきましょう。派遣会社もリモートワークでの派遣サービスを提供しているため、リモートワークが行えるようになってきています。
また、求人の探し方の一つとして求人サイトや転職エージェントなどを活用しましょう。転職エージェントでしか持っていない非公開求人を紹介してもらえたり、実際にリモートワークがどれくらい企業に浸透しているかなど調べてもわからない情報を教えてもらえることもあります。職場と居住地が遠いことを理由にリモートワークを希望している場合は転職活動をする際、選考自体もオンラインで進み完結できるかも確認しておくと良いでしょう。
リモートワークでできる副業の案件とは
副業を始めたい場合、本業に影響がでないように計画する必要があります。そして、リモートワークで副業を行う動機は以下のように考えられます。
- 収入の主軸となる労働を終えたうえで時間・精神的余裕がある
- フルリモートでの働き方で会社に副業が認められている
- 部分的にリモートで参画している会社があるが別分野でスキルを伸ばしたい
- メインとなる収入はあるが生活に不安がある
- 単純に収入を増やしたい
過重労働を抑制して、柔軟な働き方を実現するために掲げられた政府の働き方改革により、最近は副業が注目を集めています。
リモートワークでできる副業としては、エンジニア、ライター、データ入力などがあります。エンジニアなどはある程度のスキルが求められるものの、ライターなどは、未経験からでも始めやすいのが特徴です。スタートのハードルが高いものと低いものに別れる点には注意が必要です。
副業の見つけ方
副業案件の見つけ方は、大きく分けて下記の3つがあります。
- 求人サイト
- クラウドソーシングサイト
- 人から紹介してもらう
スキルや仕事内容、勤務時間を考慮しつつ、自分に合った仕事を探すことが大切だといえるでしょう。リモートワークで副業する際の注意点としては、コミュニケーションをこまめに取る必要があることが挙げられます。リモートワークでの副業は、オンライン上で完結するために依頼者とはメールのみのやり取りで業務が完結することも少なくありません。
そのため、チャットやメールなどで依頼者とやり取りする際には、こまめに連絡を行う必要があります。もし誤った内容で仕事を進めてしまった場合には、報酬が支払われないことや大規模な仕事であれば損害賠償を求められることもあります。
本業とリモートワークでの副業を両立する際には、副業は時間や自分のスキルで無理のない範囲で行うことが大切です。リモートワークは通勤時間がなく自由に使える時間が増えることが多いので、収入を増やすために多くの量の仕事を行う人がいます。
しかし、過剰な量の仕事を受けてしまうと締め切りまで依頼された仕事が終わらないことや副業で疲れてしまい本業の仕事に集中できないという本末転倒な事態が起きてしまいます。副業と本業を両立する際には、仕事量のバランスを考えることがとても大切です。
リモートワークに向く職種とスキル
リモートワークは、どのような職種やスキルでも実施できるわけではありません。向いている職種やスキルは限られます。
ここでは、実際にどんな職種やスキルがリモートワークに適しているのか見ていきましょう。
ITエンジニア(プログラマー)
プログラマーはプログラム言語を使用し、システムやソフトウェアの開発を行う業種です。一言でプログラマーといってもアプリやWeb、インフラ系など様々な種類があります。また、プログラマーとして活躍し続ける場合には、最新の技術を自分から学ぶ、論理的に考え、試行錯誤を繰り返すことを継続して行える性格であることも必要です。業務は、パソコンとネット環境さえあれば、どこでも行うことができるため、リモートワークという勤務形態と非常に相性がよいのです。
しかし、ITエンジニアがリモートワークを行うためには、ある程度のスキルを持っていること、そして会社に制度が整っているなどの条件を満たす必要があります。
デザイナー/webデザイナー
デザイナーも業務内容が多岐にわたりますが、webデザイナーやグラフィックデザイナーなどはフルリモートが可能であるケースが多いといえます。デザインは他の業種と綿密に連絡を取りながら作っていくものであるためにコミュニケーション能力が必要です。
また、デザインソフトを自在に使用できることや一定レベルのデザインを制作して納品できるなどある程度のスキルとセンスが必要です。
ライター
ライターが活躍している会社としては広告代理店や編集プロダクション、そしてメディア運営会社などが代表的です。記事やランディングページ( LP )、コピーライトなどを納品し報酬を得ます。ノートパソコンが1台あれば事足りるのでリモートワークへの障壁が比較的低い職種です。
ライターは業務委託やアルバイト、正社員など様々な形で参画することが可能です。しかし、フリーとして活躍するためには、ある程度のノウハウやスキルが必要であるため、参画のハードルの低さだけに着目しないように注意が必要だといえるでしょう。
管理業務(人事、経理、総務)
管理業務は、人事や経理、総務といった事務業務の総称です。最近では担当者の退職リスク回避や業務効率化とコスト削減を考えて、こういった機能を外部に委託する企業が多くなっており、管理業務を専門に扱っている会社も増えています。
企業によってどのような業務を扱うのかは異なるものの、簿記などといった資格は能力評価として有利です。また、資格がなくとも経験しているかどうかで評価されることもあるため、求人を探す際にはどのような内容なのかよく確認しましょう。
マーケター
マーケターは簡潔にいえば、アプリやWebサイト、SNSなどインターネット上のあらゆるものを活用して、サービス開発方向性を決めたり広告運用、分析などを通じ見込み顧客の獲得から商談の成立までをサポートする業務です。Webを中心に行う業務であり、売上の向上のための施策内容から展開方法、改善まで含めて仕組みを作っていきます。フリーランスのマーケターも年々増えており、マーケティングもリモートワークが出来る職種として広がりつつあります。
マーケティングと一言でいっても業務範囲が広いため専門的にどの分野を担当するのかによって、難易度は変わります。ある程度の実績やマーケターとして活動した経験がなければゼロから活躍するのは難しいといえるでしょう。特に企画力やデータ解析力、提案力、コミュニケーション能力など総合的な能力が必要です。
採用支援
実は採用業務は、求人要項の作成や審査など、少なくない時間と費用を投じて行われています。その一部をリモートワークで行うことが可能です。例えば、会場の予約、資料作成、入社案内などの支援も外部委託している企業があり、その企業の採用業務の一部を代行するというものです。
そして実際に出社することなく、採用支援業務を行える人材を募集している会社もあります。また、人事や人材コーディネーターの経験がある方などを採用する傾向があり、そういった経験を持つ人であれば、リモートワークで採用支援を行う業務も難しくはないでしょう。
設計士/建築士
設計士は、小さな木造建築を資格なしで設計する人を指します。しかし建築士がいなければ一般的な住宅でさえも建設できないことになります。そのため、設計士は建築士の設計をサポートする役目を担うものだと認識するとよいでしょう。
そして、設計士と建築士のリモートワークにおける共通の業務内容は下記の点です。
- どちらも業務内容は設計を含む
- 住宅や店舗など要件に合わせた建物を自分の知識でデザインする
- 工事段階での変更などに対して適宜修正する
営業
営業は大きく分けると下記の3つに分類できます。
- 既存営業
- 新規開拓営業
- 電話営業
どの方法であっても数字を追いかけることに変わりありません。ノルマという言葉がなくても、目標という言葉がある場合がほとんどです。そして、数字を作り出すコミュニケーション能力やマナーなど人と接することを意識したスキルを磨き続ける必要があります。
営業はクライアントからの了承が得られればオンラインの面談に切り替えることができます。社内とのやりとりも、slackやGoogle Meet(旧ハングアウト)を活用することで、すぐにコミュニケーションを取ることができ、コミュニケーション不足を感じないで済みます。
報酬に関しては、「完全インセンティブ制」や「給料+インセンティブ」などの形があり、中には最終的に固定給が無くなるものもあるため募集要項はよく確認しましょう。
リモートワークに必要な環境とシステム
リモートワークを行う場合、環境とシステムを整える必要があります。会社の制度的な問題だけでなく、リモートワークを自宅で行う場合は、集中できる環境を自分で作る必要があります。通信環境などについても一定の基準をみたすものでなければ、満足にデータのやり取りもできません。
ここではリモートワークに必要な環境やシステムについて詳しく見ていきましょう。
机・椅子
机は「使いやすい」もの、椅子に関しては「疲れにくいもの」を選びましょう。机の大きさは、デュアルディスプレイに対応できる広さかどうかがひとつの基準となります。規程のサイズがなければ、ふたつの机を並べるなどの工夫が必要となります。
デュアルディスプレイがあると何かを検索する際に、片方のディスプレイでその情報を表示しながらもう片方で資料を作るといったことが可能になります。オンライン上の情報を参照しながら資料を作る場合にも画面を切り替えずに作業でき便利です。
椅子に対しては、安価なものではなく、疲れにくいものを選ぶことを意識しましょう。オフィスチェアはそれなりに値段が高く、販売してる場所も限られるため、ゲーミングチェアなども選択肢に入ります。腰に対する負荷のかかり方が椅子によって大きく変わってくるため、椅子の選択は重要です。
通信環境
通信環境を整える場合、速度と通信制限が重要なポイントとなります。そして、インターネットにつなぐ手段としては以下のものが考えられます。
- 固定回線
- スマホのテザリング
- ポケットWi-Fi
この中でスマホとポケットWi-Fiはどちらも速度制限とデータ通信量に制限があります。
オンライン上でデータのやり取りを行うことが前提となるため、速度や通信に制限がかかるものは基本的には選択しない方が良いでしょう。そのため、通信環境は固定回線を契約することでスムーズにデータのやり取りができるようになります。
Wi-Fi環境を構築することになった際には、回線の速度重要であり、機器によって通信速度を加速させらないことがあるので注意が必要です。
セキュリティの担保
リモートワークを行う場合、セキュリティが非常に重要になります。自宅で作業を行っていても対策ができていなければ、情報漏洩につながる可能性があるためです。
もしそうなれば、通信内容だけでなく端末上のさまざまな情報が漏れてしまうリスクがあり、取引先とのメールの内容や、社内サーバーにアクセスするためのIDやパスワードなどが悪意のある第三者に漏れてしまう可能性があります。
会社から貸与されているPCをリモートワークに使えるのであれば、そちらを使うようにしましょう。社内規定のセキュリティ対策が施されているため安心です。個人のPCを使用する場合は、そのスペックによっては、セキュリティ対策ソフトで動作が重くなる場合もあるので注意が必要です。
ちなみに、 WebカメラはノートPCであれば最初から付属されているものが多いため、あまり考慮する必要はないといえます。しかし、PCのセキュリティが甘ければカメラをジャックされることも考えられるため注意が必要です。
仕事用スペースと環境の構築
リモートワークを自宅などで行う場合、下記の3つの要素が重要です。
- 集中力の確保
- プライベートとの切替(場所)
- 今までのリズムの厳守(働く時間)
仕事用のスペースは、プライベートと分けることをお勧めします。これは、集中力を保つためにも有効な方法です。先述した机や椅子を用意することで仕事用のスペースを作りましょう。インテリアの配置も集中力を高めるためにプライベート空間と分けることが大切です。
それとは逆に、仕事する時間に関してはリモートワークになってもこれまでと変えないことを意識しましょう。 ON・OFFの切り替えは、リモートワークの生産性を上げるために重要です。
そして仕事にあまり集中できないときはタイマーを使用することが有効です。仕事と休憩をきちんと区別することで仕事の能率が上がることが期待できます。例えば、1時間に5分~10ほどの休憩をとることを決めておくなどで集中力を保つことができます。休憩時間はしっかり確保することをおすすめします。精神的なプレッシャーを和らげるだけでなく、集中力を維持するためにも有効です。
評価とルールの制定
リモートワークを行う場合、社内ルールを決める必要があります。これは、リモートワークの場合、働いてる姿が直接見えない状況が想定され、その中で社員を評価しなければならないためです。
例えば、以下のようなルールの制定は想定されます。
- 勤務時間
- リモートワークのできる日数
- 報告のタイミング
- 仕事をする場所
上記に加えて、業務開始時には必ず報告することや成果物の報告を2時間ごとに行うなどは有効なルールだといえるでしょう。また、どのようなルールを制定するのかは企業や職種によって違うので注意が必要です。
リモートワークでの仕事は、会社側から姿が直接見えないので、信用を失わないためにも連絡を密に取るように心がけましょう。そして一日の成果を自分で設定したうえで周囲との連携をとりながら仕事を進めていき、タスク管理を行うなどによって成果を上げることが大切です。
リモートワークではあくまでも成果物などで評価されることが多く、成果を上げられる仕組みを自分で管理する必要があります。そのため、一日のスケジュールに関しても「目標」をはっきりと決めることで、その目標に対する進捗状況や現在どこの段階であるかを詳しく報告できるようになります。
リモートワークで評価されるためには、進捗管理と報告、それに伴う成果物の提出が大切です。
まとめ
リモートワークに関する求人数は増加しており、一定のニーズがあるといえるでしょう。そして、リモートワークに適している職種は、PCでデータをやり取りできるものがほとんどであり、現時点では接客業や工事管理などはリモートワークで行うのは困難です。
また、リモートワークの環境を整えるためには、通信環境や机や椅子の選定そしてセキュリティ対策などが重要です。職種をよくチェックしたうえで環境を整える必要があります。
最後のチェックポイント
- リモートワークができる求人は増加傾向
- 全ての業種で実行できる働き方ではない
- 場合によっては副業が考えられるが、スキルが必要
- リモートワーク環境は自分で作る
- 企業のルールを把握して、成果を見せることを意識する