休学して就活は不利?メリット・デメリットと成功のポイント


はじめに
- 休学していた事実だけでは就活で不利にならない
- 休学理由や休学中の過ごし方によっては選考に影響が出る
- 面接で休学について質問される可能性は高い
- 休学理由がネガティブな場合は現在就労に問題ないことを伝える
- 履歴書やエントリーシートでは休学理由を簡潔にまとめよう
休学は就活に不利?
就活の場で、休学していた事実だけでマイナス評価を受けるケースはまれです。
しかし、休学理由や伝え方によっては選考に影響を及ぼす可能性があります。
文部科学省による令和5年度の調査では、大学生の休学率は2.68%となっており、休学制度を利用する生徒は少数派です。なぜ休学をしたのか、休学中どのように過ごしていたのかをシビアに見られるため、採用担当者を納得させられる説明ができるよう準備しておく必要があるでしょう。
参考|文部科学省:令和5年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について
そもそも休学とは?
休学制度とは、大学に在籍したままお休みできる制度のことです。
病気や経済的な事情などで学業を続けるのが難しいとき、許可を得て一定期間休むことが可能です。問題が解決したら、復学して学業を再開し卒業を目指せます。
休学の手続きは、休学届を提出して休学在籍料の納入をするのが一般的です。申請期間や納入額は大学によって異なりますので、担当窓口に確認しましょう。
休学をするメリット
大学を休学するメリットとして、時間が確保できることがあげられるでしょう。単位取得やレポート提出から一時的に離れて、自由に時間を使えます。海外留学や長期インターンといった、大学に通いながらでは難しいことにも挑戦する良い機会になるでしょう。
次に、最低限の費用で大学に在籍できるのもメリットです。家庭の事情で学費を支払うのが難しくなってしまった際に休学をして、学費が貯まり次第復学するという選択肢が選べます。
休学をするデメリット
休学によるデメリットとして、卒業する時期が遅れてしまうことがあげられるでしょう。休学中は授業を受けられず単位が取得できないため、休学した期間分卒業時期がずれてしまうケースが多いです。
就活のタイミングもずれてしまうので、仲の良い友人達と情報共有ができないという点もあります。通学時と比べて友人に会う機会が減り、孤独感に襲われやすいというのもデメリットでしょう。
また、休学にかかる在籍費用や免除される学費は大学によって異なります。中には、在籍料に加えて休学期間中の学費も支払わなくてはならないケースもあり、トータルでみると費用がかさんでしまうリスクも考えられます。
休学が就活に与える影響
休学は少なからず就活に影響を与えます。
休学理由が前向きなものであれば、長期間の休学でも好意的に受けとられる可能性が高いです。反面、主体性が感じられないマイナスな理由や過ごし方である場合、選考で厳しく見られるリスクが発生してしまいます。
どのような影響があるのか見ていきましょう。
ポジティブな影響
海外留学や長期インターンのように休学理由がポジティブな場合、就活での有効なアピール材料となるでしょう。
「半年間、御社の長期インターンに集中したいと思い、休学しました。インターンでは実際の業務に関わらせていただき、密度の濃い充実した時間を過ごすことができました」というように、大学に通うだけでは得られなかった経験や学びについて、前向きに伝えましょう。
ネガティブな影響
病気や怪我で休学した場合は、後遺症があったりうつ病を患っていたりすると、選考で不利になる可能性があります。主治医から就労には問題ないと診断されている、服薬や周囲の支えにより症状をコントロールできているといったフォローが鍵となるでしょう。
学業不振や生活不適応での休学では、就職してもすぐに休職や退職してしまうのではという懸念を払拭することがポイントです。休学したことによって自らに向き合い、問題を解決できたと伝えましょう。
休学した際の履歴書の書き方
下記は大学4年次に留学して1年間休学した場合の履歴書記載例です。休学した期間と理由を書き記しましょう。
履歴書やエントリーシートでは、休学理由については1行程度で簡潔にまとめましょう。面接で改めて質問されることが多いので、詳しい経緯は口頭で説明すればOKです。
年 | 月 | 学歴 |
---|---|---|
2018 | 3 | 〇〇私立中学校 卒業 |
2018 | 4 | 〇〇県立〇〇高等学校 入学 |
2021 | 3 | 〇〇県立〇〇高等学校 卒業 |
2021 | 4 | 〇〇大学〇〇学部〇〇科 入学 |
2024 | 4 | 〇〇大学〇〇学部〇〇科 休学 |
4年次にシンガポール〇〇大学へ語学留学のため1年間休学 | ||
2026 | 3 | 〇〇大学〇〇学部〇〇科 卒業見込み |
面接での伝え方
履歴書に休学理由を記載していても、面接で改めて質問される可能性は高いです。
休学理由と期間に加えて、休学中どのように過ごしていたか、休学を通じて感じたことなどを答えられるようにしておきましょう。
例
家庭の事情で学費を払うのが難しくなり、一時的に休学をして約半年間アルバイトに従事していました。学費の工面ができたので復学し、来年3月に卒業見込みです。
例
大学2年の夏に交通事故に遭い、怪我で通学が困難だったため半年間休学しました。怪我は順調に回復して、医師からも就業に問題ないと言われています。
休学中はリハビリをしながら就活を見据えて資格の勉強をし、簿記2級に合格しました。
休学中の有意義な時間の使い方
休学中どう過ごしていたかは、就活でよく聞かれる質問のひとつです。休学中も有意義な時間を過ごせていたとアピールできる項目について解説します。
- 就活の準備
- 資格取得やスキルアップ
- ボランティア活動
- アルバイト
就活の準備
自己分析や企業研究など、就活には多くの下準備があります。休学中にしっかり対策をしておくことで、復学後スムーズに就活を進められるでしょう。
休職中でも就活セミナーやイベントには参加できますので、足を運んで情報収集をしておくのもおすすめです。就活に取り組んでいる友人達やOB・OGから話を聞き、参考にするのもよいでしょう。
資格取得やスキルアップ
資格取得やスキルアップを通じた自己研鑽は、就活でのアピール材料になります。志望する業界や職種に関連した資格の勉強に取り組むと、理解度も深まるでしょう。
実技試験もあり、取得まで時間のかかる自動車免許の取得もおすすめです。合宿を利用して短期集中で取得を目指すのもよいでしょう。
資格以外では、ワークショップやセミナーに参加したり読書をしたりして、知見を広げてみましょう。
ボランティア活動
ボランティア活動を通じて社会貢献をすることで、新たな価値観を発見し、今後の社会との関わり方を考えるきっかけとなるでしょう。
ボランティア活動の経験を就活に生かすには、動機やボランティアを通して学んだことがポイントになります。「災害ボランティアを通じて日常を支えるインフラの重要さに気付かされ、インフラ業界で働きたいと感じました」「語学力を生かしたいと思い、海外ボランティアで教育アシスタントをしました。日本語を学ぶ現地学生と交流し、教育の現場に携わりたいという気持ちが一層強まりました」というように、志望動機や自分の強みにつなげましょう。
アルバイト
アルバイトで働く経験を通じて、どのような企業や働き方が自身に合っているかを考えられます。進路希望の業界や業種で働くと、就職した際のビジョンを描きやすくなるのでおすすめです。
「出版業界を志望しており、ニーズ調査も兼ねられると感じたため書店でアルバイトを始めました」「休学前より勤めていたコンビニで、毎日決まった時間に搬入されるところから物流業界に興味を持ちました」というように、休学中のアルバイト体験が就活につながると、志望動機などにも説得力を持たせられます。
まとめ
休学自体はマイナス評価にはなりませんが、休学理由や休学中どのように過ごしていたかは、就活での選考のポイントになります。休学中の時間を有意義に活用できていたとアピールできれば、就活の担当者に好印象を与えられるでしょう。
休学していたことを履歴書に記載していても、面接で改めて質問されることも多いです。提出書類には簡潔にまとめて、口頭で詳しく説明できるよう準備しておきましょう。ネガティブな理由で休学していた場合は、現在就労に問題ない状態であることを伝えるのが重要です。