就活うつを予防する方法とは?症状と対策を徹底解説
はじめに
- 就活うつとは、就職活動中のストレスやプレッシャーからうつ状態になること
- 就活生ならば誰しも発症する可能性がある
- 責任感が強く真面目な人ほど就活うつになりやすい
- リフレッシュする時間を設けたり就活対策を見直したりするのが有効
- 悩みやストレスが酷い場合は一人で抱え込まずに、専門家へ相談する
就活うつとは
「就活うつ」とは、就職活動中のストレスやプレッシャーが原因で、うつ状態になることです。就活うつの症状は、「なんとなくうつっぽい」と感じる軽度の方から「死にたい」と感じる重度の方までさまざまです。
また、就活うつが原因で自殺する方もいます。
警視庁が発表した「令和4年中における自殺の状況」では、「就職失敗」を理由に93名もの若者(10代・20代)が亡くなっています。その中には就活を原因に精神疾患を発症して(就活うつになり)亡くなられた方もいました。そのため、就活うつは社会全体の問題として考えなければなりません。
就活うつの症状と原因
就活うつの主な症状と原因について以下から解説します。
就活うつの症状
就活うつの症状はうつ病の症状とほぼ同じです。
以下から、症状の一例をご紹介します。
- 身体がだるくて疲れやすくなった
- 以前と比べて気分が沈んでいるように感じる
- 身体に痛みやこりが頻繁に生じて非常に気になる
- 睡眠の質が低下した・よく眠れない
- 食欲がない・または過食ぎみである
- 趣味や娯楽が楽しめない
- ぼんやりしがち・作業の能率が下がった
- 息が詰まって苦しい
- 些細なことでイライラする・泣きたくなる
- 当初と比べて就活への意欲が大幅に低下した
上記の症状に当てはまらなかった場合でも、不安であれば専門家に相談するようにしましょう。
就活うつになる原因
就活生ならば、誰しもが就活うつを発症する可能性があります。
以下から、就活中のストレスとなり得る原因をいくつかご紹介します。
- 企業の選考に受からないことへの焦り
- 周囲が内定を得ている中、自分だけ内定が出ないことへの不安
- 就活スケジュールがハードすぎる
- 面接や選考結果を待つ間、慢性的な緊張状態に陥ってしまう
- 就活ハラスメントの被害に遭う
- 卒業後の進路に漠然とした不安がある
- 周囲からの期待をプレッシャーに感じてしまう
就活うつになりやすい人の特徴
就活うつになりやすい人の特徴について以下からご紹介します。
責任感が強く真面目
責任感が強くて真面目な人ほど就活うつにかかりやすいといわれています。
また、失敗や挫折の経験が少ない方も同様です。
学校の課題や試験では、努力した分結果として返ってきますが、就活は必ずしも努力が報われるとは限りません。企業や面接官との相性次第で内定が出ないこともよくありますので、真面目な方ほど現実と理想のギャップが埋められず、過度に落ち込んでしまう場合があります。
他人に気を遣いすぎる
相手の機嫌を伺いすぎてしまう共感能力が高い方も、就活うつにかかりやすいです。
共感能力が高い方ほど、面接官や採用担当者から何気なくいわれた言葉に落ち込んだり、本心ではなく相手の意に沿うような回答を意識したりしてしまうからです。
必要以上に傷ついたり本心を抑え込んだりしていく中で、心身が疲弊してしまい就活うつになる方もいます。
完璧主義・他人に頼れない
完璧主義な方や他人を頼れない方も、就活うつになりやすいといわれています。
たとえば、完璧主義な方ほど、就活準備に対しても念入りに準備を行いがちです。
入念な準備は大切ですが、予定通りに物事が進まない場合や企業側からよい評価が返ってこない場合は、さらに自分を追い込んでしまう危険性があります。
また、普段から他人を頼れない方は、就活に行き詰っても誰かに相談しにくいかもしれません。
結果として、1人で悩みを抱え込んでしまい、就活うつを発症することも考えられます。
マイナス思考
マイナス思考の方も就活うつに注意しましょう。
就活は最初からうまくいく学生よりもそうでない学生の方が多いです。
しかし、マイナス思考の方は失敗や挫折をするたびに自分を責めたり悲観的になったりしがちですので、他の就活生よりも心身共に疲弊しやすく、就活うつにつながりやすいといわれています。
また、自信のない姿は、面接官や採用担当者にもマイナスイメージを与えてしまうため、評価が下がってしまうことも懸念されます。
ストレス発散法がない
ストレスを抱え込みやすい・うまく発散できない方も、就活うつになりやすいです。
息抜きできる時間が確保できないと、誰しもストレスが溜まります。
しかし、自分のストレス解消方法を把握していない方は、より疲労が蓄積されやすいため注意が必要です。
就活うつの対策法
以下から、就活うつの対策法についてご紹介します。
就活対策を見なおす
エントリーシート・企業研究・自己分析などの就活対策は事前にしっかりとおこないましょう。
たとえば、エントリーシートは形式やマナーを守れているかどうか、論理的な自己PRができているかどうかなどを見なおすとよいでしょう。
また、自己分析を通して自分の性格・考え方などを把握することも大切です。
他には、就活中に日記をつけて日々の感情や考えを整理しておくのも有効です。
一方、いくら就活対策を入念におこなっても、志望企業や職種が自分の適性とあっていなければうまくいきません。
自分の強みがわからない方は、逆求人サービスの利用や就活エージェントの活用も検討してみましょう。
リフレッシュする時間を設ける
日々の生活が就活一色になってしまうのは心身ともによくありませんので、忙しくても自分がリフレッシュできる時間を確保するように心がけましょう。
特別なことをする必要はありませんので、充分な睡眠時間を確保したり、外出して気分転換したりするだけでも構いません。
時間がない方でも、1日15分から30分程度日光に当たるとよいでしょう。
日光に当たることで、精神の安定や心身をリラックスさせる「セロトニン」という物質が脳内で分泌されます。
セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれており、近年重要視されています。
就活を中断する
就活の期間は決まっていますが、状況次第では就活を中断して療養に入ることが大切です。
うつ状態で無理矢理就活を継続しても病状が悪化する恐れがあります。
また、体調が改善しなければ休学や留年も視野に入れましょう。
就活を再開した際に、うつ病の診断を受けたことを志望企業に伝えるべきか悩んだ場合は、キャリアアドバイザーや専門家と相談した上で判断することをオススメします。
就活うつの相談先
就活うつの悩みやストレスが酷い場合は一人で抱え込まずに、専門家へ相談するようにしましょう。
以下からは、各相談窓口を紹介すると共に、専門家のサポートを受けることの重要性について解説します。
大学のキャリアセンターや国の機関などの相談窓口
大学のキャリアセンター・相談室では就活生の悩み相談に答えてくれます。
面接・エントリーシート・今後のキャリアなどへのアドバイスだけでなく、就活ハラスメントを受けた際の相談先もこちらで大丈夫です。
もし、身近な人に相談しにくい場合は、国やNPO法人が運営する相談機関へ電話やSNSからも相談できます。
また、厚生労働省の「支援情報検索サイト」では相談ツールや相談内容から適切な機関を紹介してくれます。以下にリンクを掲載しておきますので、こちらもご活用ください。
心療内科で専門家のサポートを受ける
医師から適切な診断・治療を受けることが回復への第一歩ですので、就活うつの症状が深刻な場合は、心療内科の受診をオススメします。
また、就活は人生の中で大きな決断となります。
うつの状態が酷い時期には大きな決断を避けるべきですので、病状を悪化させないためにも医師や専門家の許可が下りてから就活を再開しましょう。
これから就活をはじめる学生が気をつけること
もうすぐ就職活動をされる方の中には、自分も就活うつにかからないかと不安に感じている方がいるかもしれません。
ストレス対策の第一歩は、「自分が何に対してストレスを感じるのか」というポイントを把握することです。その上で、「自分なりのストレス解消法を作っておく」という方法があります。
とくに、ストレス対策にはコーピングリストの作成をオススメします。
コーピングリストとは、自分のストレス軽減や解消に役立つ方法をリストアップすることです。
コーピングリストの作成は、ストレス発散法のない方ほど難しく感じるかもしれませんが、「3時間だけ寝る」「プリンを食べる」「その場で5回ジャンプする」などシンプルなことで構いません。項目は多ければ多いほど有効ですので複数用意しておきましょう。
まとめ
真面目な方・自己否定感の強い方ほど、就活が上手くいかないことを「自分だけのせい」にしがちです。
そのため、いつの時代も就活うつを患う学生は一定数存在します。
しかし、選考における企業と学生の関係はあくまでも対等ですので、必要以上に自分を卑下する必要はありません。
企業が学生を選ぶ権利があるように、学生にも企業を選ぶ権利があります。できるだけ前向きに、自分にあった企業選びをおこなうことが大切です。