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早期選考とは?メリット・デメリット・時期や対策を解説

date2024年12月23日
早期選考とは?メリット・デメリット・時期や対策を解説
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はじめに

  • 早期選考は本選考よりも早く行われる採用選考のこと
  • 早期選考の参加方法や選考内容は企業によって異なる
  • Web適性検査や面接などの対策が本選考より早い段階から必要
  • 早期選考には時期や期間の面でメリットとデメリットが混在している
  • 早期選考で自分にとって有利な就職活動が展開できるか見極めることが大切

通常の就活スケジュールよりも前倒して行われる早期選考についてご存じでしょうか?本稿では早期選考が行われる業界や時期、情報の入手方法や突破対策を、メリット・デメリットなどと合わせて解説します。

早期選考とは

早期選考とは、早期の人材確保・教育・定着を目指す戦略的な採用手法として、内定を卒業年度の10月以降とする本選考(政府要請のスケジュール)より、早く行われる採用選考を指します。時期や方法は企業によって違いますが、早期選考によって就活生は本選考より早く内定を得る機会ができ、企業側も競争が激化する前に優秀な人材を選考できます。

早期選考が行われる業種・業界

早期選考は人材を取り負けないための採用戦略として、外資系企業をはじめ、大手企業やベンチャー企業などに多く見られます。これら「早期選考が行われる業種や業界」を、以下にまとめました。

  • 外資系企業※1
  • 大手総合商社
  • 銀行・証券・保険業界
  • マスコミ業界
  • コンサル業界
  • ベンチャー企業やスタートアップ※2
  • ※1国内法に縛られないため(大学3年の秋頃の内々定など)より早い傾向がある
  • ※2柔軟なアプローチが多く年間を通じて優秀な人材を採用する傾向がある

本選考と早期選考のスケジュール

企業によって異なりますが、早期選考は本選考より早く進みます。この違いについて、以下の項目で詳しく解説します。

本選考のスケジュール

選考のスケジュールは、政府によって以下のルールが定められています。

  • 広報活動開始  :卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
  • 採用選考活動開始:卒業・修了年度の6月1日以降
  • 正式な内定日  :卒業・修了年度の10月1日以降

参考:厚生労働省|大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期について

また政府は2022年の6月に、一定の基準に準拠するインターンシップで得られた学生情報については、その情報を採用活動開始後に活用可能とする方針を定めました。そのため志望先の選考スケジュールを確認する際は、インターンシップが及ぼす影響も視野に入れておきましょう。

参考:厚生労働省|令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります(PDF)

早期選考のスケジュール

企業によって異なりますが、早期選考のスケジュールは本選考より早く設定されています。一般的には、大学3年生の春から夏にかけてのインターンシップに引き続いて採用選考に入ることが多く、内々定は大学4年生の春までに出ることが多いです。

26卒から専門人材の前倒し採用が可能になる

26卒(2026年3月卒)の就活は基本的に25卒(2025年3月卒)のスケジュールと変わりません。但し26卒からインターンシップで専門性を認められた学生に限り、面接をはじめとした採用活動の解禁時期が卒業前年の3月に前倒しされます。

これにより専門人材として認められた学生は政府が提唱するルールに基づき、インターンシップを通じた早期選考が可能になりました。

参考:経産省|現大学2年生より、インターンシップのあり方が変わります!~「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」を改正しました~

選考スケジュールのまとめ

それぞれのスケジュールについて以下の表にまとめました。

本選考早期選考
インターンシップ大学3年生の夏から冬にかけて大学3年生の春から夏にかけて
広報活動開始修了前年度の3月1日以降広報・募集方法とも企業によって異なる
採用選考活動開始修了年度の6月1日以降インターンから採用選考に入ることが多い
内々定の時期修了年度の6月頃が多い修了年度の春までが多く時期は企業によって異なる
正式な内定日修了年度の10月1日以降卒業年度の10月以前で正式な日程や時期は企業によって異なる
※26卒からインターンシップで専門性を認められた学生に限り、面接をはじめとした採用活動の解禁時期が、卒業前年の3月に前倒し可能となった

早期選考を実施する企業の探し方

早期選考の情報発信は企業によって異なります。この情報を見つけるには以下のような方法が有効です。

人脈を活かす

早期選考の情報はオープンになっていないこともあります。そのためOB・OG訪問から早期選考の情報が得られることもあれば、リクルーターへの質問や面談評価から早期選考に呼ばれることもあるため、就活で得た人脈も活用すべき重要な情報源といえます。

企業の情報を確実にキャッチする

早期選考の参加手順や選考方法も企業によって異なります。Web上に案内が出ることもあれば、インターンシップを経て声がかかる場合など、企業によってさまざまです。情報を確実にキャッチするには、企業が発信する情報を早めに確認することと、不明な点があれば質問することが重要といえます。

オファーサイトやイベントを活用する

企業は逆求人サイトを通じて、特別な選考ルートやインターンシップなど、早期選考の機会をオファーすることがあります。また早期選考を受けたい企業が集まるイベントを活用すれば、多くの志望企業と直接接触でき、早期選考についても質問できます。これらの情報を活用することで、早期選考を実施する企業が見つけやすくなるでしょう。

早期選考の突破に向けた対策

早期選考に備えるには、通常の就職活動よりも早くから準備を始めることが重要です。タイトなスケジュールになりますが、通常の就活と同様に対策できれば、採用率を高められるでしょう。

自己分析と企業研究で就活の軸を定める

自己分析で自分の強みと弱みを明確にし、志望業界や企業文化の研究から導き出した志望動機で志望先に本気度と熱意を伝えましょう。そのためにも自己分析と企業研究の成果を合わせ持つ「就活の軸」を定めることが大切です。この軸があれば、それに基づいたキャリア目標を伝えられるため、志望企業に自分を採用するメリットと魅力を効果的にアピールできます。

Web適性検査も研究・対策を行う

早期選考ではWeb適性検査が重要な選考ステップになることもあり得ます。これを勝ち抜くためにもできるだけ早めに、志望企業が行う適性検査の種類や出題傾向の情報を集めて、実力を発揮できるように対策してください。

余裕を持って書類審査と面接対策に取り組む

早期選考に進むため、またそこで勝ち抜くためにも、書類審査も抜かりのない対策が必要です。ESや履歴書は余裕を持って準備し、そこにも就活の軸やガクチカを盛り込みます。そして面接ではもちろん、自分の志望動機や強みを効果的に伝えることが求められますので、模擬面接を通じて練習を重ね、自信を持って面接に臨んでください。

早期選考のメリット

早期選考のメリットは、早くから就活に取り組めることです。ここではその代表的なメリットを3つ紹介します。

早めに内定を獲得できる

早期選考を突破できれば早めに内定を獲得できるため、卒業年度の就活に余裕が生まれます。これは資格取得や学業への集中、また学業以外で力を入れたい活動がある場合にも有効なメリットです。仮に不採用であっても、弱点を見直す貴重な機会が得られます。この機会も早期選考がもたらす大きなメリットです。

選考手順を省略できる可能性がある

企業によって異なりますが、早期選考ではインターンシップや説明会といった形で、学生の能力や適性を事前に把握する機会を設けています。これにより選考全体が簡略化され、企業・学生ともに時間と手順が省略でき、選考の負担が軽減できます。

優秀な就活生との接点が持てる

早期選考に進むことでOBやOG、人事担当者のほか、選抜を勝ち抜いた優秀な就活生たちとも接点を持つ機会が得られます。早期選考に進む人材は早い段階から就職活動に取り組む強い意思と多くの情報を持っているため、そのような人脈から得られる知識や情報は就活に関するメリットだけでなく、就職後においても大きな価値につながります。

早期選考のデメリット

早期選考のデメリットもまた、就活時期の早さにあります。ここではその代表的なデメリットを3つ紹介します。

競争のハードルが高い

早期選考には早くから企業での活躍を意識した人材が集まるため、自ずと優秀な人材との競争になります。また早期選考では準備期間の少なさもデメリットです。4年制大学であれば3年次から本選考に臨むための準備が必要なため、自己分析や企業研究も早めに始めねばならず、学業やスポーツにも影響するおそれがあります。

不採用のリスクもある

前項で説明したように、早期選考は少ない準備期間でも対応できる優秀な人材が集まるため、挑戦自体が難しく、不採用のリスクもあります。企業によっては早期採用の挑戦者は本選考を受けられないことがあるため、選考の条件などは事前に企業側へ確認しておきましょう。また、本選考で再挑戦する場合も、自分の弱みを分析して克服できなければ、結果を変えることは難しいでしょう。

早期内定から本採用まで長い期間が空く

早期選考で内定を得ても本採用まで、企業によっては1年程度の長い期間が空きます。この間には以下のようなリスクも考えられます。

学生側のリスク
学生のなかには早期内定後も就職活動を継続する人がいるでしょう。その間は複数の選考が並行するため気持ちの変化だけでなく、内定が複数あれば辞退とも向き合うことになります。

辞退の際は学生側から、できるだけ早めに企業側の担当者に伝えましょう。辞退の意思がきちんと伝わらないとトラブルになるリスクがあるため、「選んでもらった感謝とともに内定辞退の意思をはっきり伝えること」を心がけてください。

企業側のリスク
企業側にとっても内定から採用までの期間は、内定者と連絡を取り合ってモチベーションを保つ必要があります。企業としては早々のうちに内定承諾を確定させたいところですが、押しが強すぎると内定承諾の強要(オワハラ)と受け取られるリスクがあります。

このように内定から本採用までは、学生と企業の双方にリスクがあることを理解しておきましょう。

まとめ

早期選考は就活の開始時期が本選考よりも早いため、先行できるメリットだけでなく、準備期間が短いなどのデメリットも合わせ持っています。企業に合わせた準備も必要になるため、自分にとって有利な就活を展開できるか見極めることも大切です。

それでも早期選考は、就職活動を効率的に進めるための有効な手段です。しっかりと準備を行い、自分に合った企業を見つけることで、キャリアのスタートを成功させましょう。

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