フリーターについて(定義や一人暮らしはできるかずっとフリーターでいた場合の末路と正社員に就職するには)
はじめに
フリーターは、社会的な立場に関して正社員などとよく比較されます。また、社会的な立場の違いから、日常生活における様々な面で不利となることも少なくありません。では、労働力を提供していることは同様であっても何が大きく違うのでしょうか。
この記事では、フリーターの定義から実情、将来的な年収の違いなどについて詳しく解説していきます。フリーターから社会的な立場を変えるための方法にも触れて行くので、参考にしてみましょう。
フリーターとは(定義)
フリーターとは、若年層でアルバイトによって生計を立てている人々のことを指します。また、場合によっては、アルバイトだけでなくパート、働く意思を持つ無職の人々まで含むこともあるため、フリーターは非正規労働者に分別されます。
総務省統計局の2019年の労働力調査によると日本の労働者は5660万人ほどであり、そのうち2165 万人は非正規の労働者です。その中で、主にパート・アルバイトで生計を立てている人は1519万人ほどとなっています。望んでフリーターとなる人はほぼいないと想定できるものの、以下のような理由でやむなくフリーターとなっている場合が多いといえます。
- 就きたい仕事がない
- 責任を持ちたくない
- 勤務時間や休日があわない
- 正社員での再就職ができなかった
とくにフリーターになった最大の理由は、「就きたい仕事がなく、就職が決まらずフリーターになる」というものです。加えて、フリーターとして生活している場合、正社員などを諦めている方も少なくありません。
しかし、若年層であれば、フリーターとなっても安定した生活環境に変化させたいと思った場合は、対策を行うことで正社員などを目指すことができます。そのため、やむを得ずフリーターとなった場合などには、早めに転職活動などの行動を起こしていくことが重要です。
フリーターと無職/ニート/正社員との違い
社会的立場について、それぞれの違いをみていきましょう。社会的な立場の違いは、生活にも影響を与えます。
雇用形態 | 説明 |
---|---|
フリーター | アルバイトで生計を立てている人々のこと。特に若年層は15~34歳までをさしており、35歳以上は非正規労働者と呼ばれる。 |
無職 | 無職の場合は、年齢に関係なく職に就いていない状態。就業に関する意思の有無で、分別されることもあるものの、労働力を提供していない場合は無職とされる。 ちなみに、就業していなくても無職には、家事や育児を行っている人々は含まれていない。 失職した場合や退職から転職する場合などもあてはまる。 |
ニート | ニートは、定職についていないだけでなく、働く意思がない人々。 様々な事情によって働きたいけど働けない環境によって、就業の意思を無くしてしまった状態のこと。 そのため、就職に困っている面は同一であるもの、無職とは異なる。 |
正社員 | 企業に所属しており、安定した環境で就業できている人々のこと。雇用期間の定めがなく、給料や就業時間などは、選ぶもので差が生じやすい。 また、ローンの審査などにおいては、不利となることはない。 |
働いているかどうかだけでなく、働いている条件や働く意思があるかなどによって名称が異なってきます。
一人暮らしをするフリーターの実情
フリーターで一人暮らしをする場合の実情について詳しくみていきましょう。賃貸やローンの審査など、働いていたとしても正社員とは明確に基準が異なることも少なくありません。
賃貸をする上での注意点
フリーターであっても、社会的信用はあります。例えば、勤続年数が長く、安定した収入を確保できることが分かれば、賃貸物件を借りることが可能です。しかし、安定した収入があったとしても正社員と比較した場合社会的信用はどうしても低く、審査の難易度は高いといえるでしょう。
例えば、年収が同じ程度で信用情報に傷もなかった場合、フリーターと正社員では正社員の方が審査に通りやすいといえます。ちなみに、敷金・礼金などは正社員かどうかで変わることはなく、変わるのは審査の難易度である点は知識として覚えておきましょう。
社会人一人暮らしはきつい?部屋探し・初期費用・節約のコツなど気になる内容をまとめた記事もございます。これから一人暮らしをスタートする方は必読です!是非参考にしてみてください。
一人暮らし前に貯金は必要?
敷金や礼金などは、その物件に設定された費用を支払わなければ、入居することができません。そのため、まとまった金額が必要となります。物件によっては、仲介手数料なども発生する点には注意が必要です。
敷金・礼金が必要/不要に関わらず、退去時に入居時の状態に戻す原状回復義務は発生します。そのため、5万円などのまとまった金額は用意しておきましょう。
加えて、引っ越し費用に関しては、業者で行う場合と自分で行う場合で距離や時間などを換算して比較しなければなりません。例えば、引っ越し業者に依頼した場合、単身では3~5万円もあれば十分に対応できます。(引っ越し前に料金は比較できる)
自分で行う場合は、移動や時間なども自分で設定するため、気付けば引っ越し業者と同等程度の費用がかかることも珍しくありません。加えて、引っ越し後の新居では新しく生活用品も購入すると想定できるため、一人暮らし前には、20~40万円程度のある程度まとまった金額が必要です。
社会人1年目・2年目・3年目の貯金事情!上手にお金を貯める方法についての記事もございます。一人暮らし前に貯金をこれから始めてみよう!という方は是非参考にしてみて下さい。
生活するには給料(手取り収入)はいくら必要?
フリーターの場合、事業所の規模によって、アルバイトの時間は決定されます。例えば、850円のアルバイトを15日、7時間程度で行う場合は、月額で89,000円ほどの収入です。
そして、一人暮らしを行う際に必要な出費には以下のものが含まれます。
- 通信費(スマホ+固定回線だと10,000円~13,000円程度)
- 光熱費(ガス、水道、電気で15,000円程度)
- 食費(30,000円程度)
- 家賃(安価なら40,000円程度、東京では80,000円程度)
全て仮定の金額ではあるものの、合わせると安価な金額でも約10万円ほどとなるため、年収が100万円ほどだった場合は生活できないでしょう。この場合、掛け持ちを行うかさらに時給の高いバイトに変更する方法が考えられるものの、生活は厳しいといえます。また、手取り収入は地方でも余裕をもって15万円は必要です。
フリーターを含む非正規労働者の平均年収で最も多いのは、男女ともに100万円未満です。そこから、年収があがるにつれて人口の割合は少なくなっていきます。フリーターの年収の割合で次に多いのは、200万円未満です。ちなみに、非正規労働者では、年収で300万円以上になる人々は非正規労働者全体の1割未満の人々しかしません。
対して、正社員の年収の割合では、300~500万円の間です。特に、400万円程度が平均年収となっており、フリーターとは賃金に関しては明確な差があるいえます。
フリーターの末路を知ろう
フリーターのままで生活していった場合、どのようなことが考えられるのか詳しく解説していきます。一時的にフリーターとなる場合も考えられるものの、その状態を長く続けることは得策とはいえません。
フリーターの給料は上がりづらい
フリーターの給料は、20代であれば正社員などと大差はありません。例えば、総収入が18万程度で社会保険料などが差し引かれて手取り収入が15万円となることは、フリーターでも正社員でもありがちなパターンといえます。
しかし、30代になった場合、正社員であれば役職などによって給料に差が生じます。そして、年数を重ねるごとにその差は広がっていくことになり、フリーターのままではその差を埋めることは難しいのが実情です。
また、フリーターの生涯年収は、6,000万円から9,000万円が平均的な相場となっています。対して、正社員であれば1億8,000万円ほどが生涯年収の平均値です。2倍以上の差となることから、収入面でもフリーターから正社員を目指す人は多いといえるでしょう。
結婚したくてもしづらい
フリーターの場合、結婚には不利だといえます。社会的立場だけでなく年収的なものも含め、いざというときに家庭を支える力がないと判断されるためです。最終的には正社員になることによって将来的な生活格差を埋める予定があるなど、家族を納得させる必要があります。また、実際に各種ローンの審査や地域に根付いて暮らす場合、世間体なども社会的信用によって判断されるため、フリーターは結婚しづらい就業の形だといえます。
年下の正社員にこき使われる
フリーターである場合、年下の正社員に指示を仰ぐため、場合によってはいいようにこき使われることも少なくありません。特に30代や40代のフリーターの人は、年下の20代の正社員の指示に従うことが多く、その状況をすぐに改善することは困難です。そのため、フリーターを長く続けることは精神的な安定のためにもおすすめはできません。
年齢が上がると仕事が減る
フリーター向けの求人は限られており、特に30代となった場合には、自分の望む仕事に就ける確率は一気に下がります。
フリーターとして生活してきたことから、専門的なスキルはないと判断されるためです。加えて、フリーターで30代のみが応募できる求人はほぼなく、20代と比較した場合、ほとんどの企業は、年齢の若い方を採用すると想定できます。
老後の年金や生活について
正社員であれば、ほとんどの場合、社会保険に加入したうえで、厚生年金を受け取ることが可能です。しかし、フリーターの場合は企業によるものの、国民年金に加入し、健康保険なども全て自費で支払う必要があります。
- 正社員・・・社会保険加入、退職金・ボーナス(なしの場合もある)、収入に余裕があれば確定拠出型年金なども利用しやすい
- フリーター・・・国民年金に加入、社会保険なし(企業による)、金銭的な余裕が少ないため、他の制度や保険を利用しにくい
厚生年金は国民年金の額に上乗せされて支給される年金のことです。社会保険に加入する場合、企業は健康保険・厚生年金・介護保険の費用の半分を負担します。
フリーターの場合、社会保険が適用しにくく、老後に備える資金なども自分で用意する必要があるため、月収などの関係からフリーターでは老後の資金も貯めにくいといえるでしょう。
フリーターから正社員に就職するには
アルバイトの面接では内定がもらえていても、正社員の就活の時には評価ポイントが違うため、何が評価され、どこを見られているのかを把握せずに採用試験を受けるとしらないうちにマイナス評価にされてしまうこともあります。ここでは、正社員として就職するための対策をみていきましょう。
最低限気を付けておきたい身だしなみ
アルバイトの面接では、身だしなみや服装、髪型などに関して細かく規定されていないものもあります。しかし、正社員として就職する場合は、以下の項目を基準としましょう。
- ヒゲは剃る
- 髪型は清潔感のあるものにする
- 服装はスーツを基本とする
- 靴やカバンもスーツに合わせる
- だらしなく見えない所作を身に付ける
とくにワイシャツの着用方法、挨拶の方法などは普段から意識しておきましょう。
職場に求めることの優先順位を決めよう
フリーターから正社員に就職する場合、仕事に求める条件を3つほど決めておきましょう。
例えば、以下のような条件はよく仕事を選ぶ際の基準になります。
- 給料の高さ
- ワークライフバランス
- スキルが活かせる/スキルが獲得できる
どれも、仕事選ぶ際の基準として重要なものであり何を優先するのかは人によって異なります。また、3つ全てを満たすものは難しいため、最優先となる基準を決めておきましょう。
何歳までなら正社員になれる?
30歳になるまでに就職した方が選択肢は多いといえます。年齢や内容を問わない求人であればいくらでも探すことができるものの、ブラック企業であることも多いため、注意しましょう。
また、フリーターから脱出できたとしても長く勤めることが難しい企業では、またフリーターに逆戻りする可能性が高く、若い方が求人数が多く応募できる求人も多いため、慎重に選ぶためにも選択肢の多いうちに早めに正社員を目指す転職活動を行いましょう。
30代の就職で心掛ける点
30代で正社員となる場合は、フリーターから転職しやすい職種を中心に転職活動をしましょう。
例えば、以下のような職種であれば、フリーターから転職することが可能です。
- 営業
- 工場
- 接客、販売
- ITエンジニア
どの職種であっても、未経験で採用することが多く、接客や販売などは、アルバイトの経験を生かすことも可能です。加えて、元々プログラムなどに興味があり、趣味で学習していたなどの場合は、ITエンジニアも選択肢に入ります。
就職支援サービスや転職エージェントは、転職したい人の希望を聞いたうえで適切なサポートを行うことが目的です。そして、相談やスキルトレーニングなどのサポートを通じて正社員を目指しやすくなります。
一人で悩んでしまう前に未経験からIT業界に就職しようと思った場合には、セラクの採用面接を受けてみませんか?セラクの採用面接では今後のキャリアを含めた相談を行うことができます。加えて、セラクなら入社後に資格の取得やビジネスマナーなどもゼロから学ぶことが可能です。全く関係ない職種でフリーターをやっていた先輩も数多く在籍しています。
まとめ
フリーターとは、アルバイトによって生計を立てている若年層の人々のことです。非正規雇用のために立場が弱く、会社の都合で解雇されやすので職が安定しません。生涯年収も正社員よりも数百万円単位で低いことが現実です。
また、フリーターは年齢が上がってしまうと就職が難しくなります。就職先の選択肢が狭まる前に早めの対策かベストだといえます。
正社員を目指す場合は、就職支援サービスや転職エージェントを活用しながら就職を有利にすすめていくと良いでしょう。また、未経験からITエンジニアに挑戦できる会社に就職するのも良い選択です。
最後のチェックポイント
- フリーターとはアルバイトで生計を立てている人のこと
- フリーターと正社員では待遇や社会的信用が異なる
- 正社員を目指す場合は早めに行動しよう