他己分析とは?やり方とメリット・質問例を解説!
はじめに
- 他己分析は自己分析を深めるためのもの
- 第三者に協力してもらい、他者から見た自分を教えてもらう
- 自分では気づかなかった強みや弱みを知ることができる
- 客観的な分析で自己PRに説得力を持たせられる
- 協力者は先輩や友人、家族などが適している
他己分析とは
読み方は「たこぶんせき」です。自分を知る第三者に協力してもらい、他者に質問して他者から見た自分の印象や評価について知ることを他己分析といいます。就活や転職活動の際に、自己分析をより深めるためによくおこなわれます。
自己分析と他己分析の違い
自己分析は自分自身で自分を分析するものなので主観的な手法です。いっぽう他己分析は第三者の目線から分析してもらうので客観的に分析できます。自己分析と他己分析は対立する概念ではなく、自己分析と併用することでより高度な自己分析が可能になるのが他己分析です。
他己分析のメリット
他己分析のメリットにはいったい何があるでしょうか。以下に見ていきましょう。
より客観的に自分を分析できる
自己分析をいくら深めても、やはり分析するのは自分ですから自分の主観の域を出ません。第三者に協力してもらうことで、他者の視点から見た自分の姿を知ることができます。客観的な分析を加えることで自己分析の説得力が増します。
自分では気づかなかった強みや弱みがわかる
他者から見た自分の姿を教えてもらうと、自分はこのように見えているのか、と新鮮な驚きがあるでしょう。
たとえば人前で積極的に話せないことが自分の弱みだと思っていたら、他者からは「謙虚で思慮深い人」と強みに捉えられているかもしれません。自分では短所だと思っていたことが長所に見えていたり、逆に長所だと思っていたことが短所に見えていたりすることもあるでしょう。自分ではまったく気づいていなかった自分の個性が発見できるかもしれません。
選考での自分の見せ方がわかる
他己分析で自分を深掘りすると、エントリーシートをはじめとする応募書類の自己PR欄に記入するときの助けとなるだけでなく、面接にも活かせます。話す内容はもちろんのこと、見た目や話し方の好感度を高める役に立ちます。姿勢や話し方などの癖は自分ではなかなか気づきにくいものです。「もう少し背筋を伸ばしたほうがいい」、「声が少し小さい」など、忌憚(きたん)のない意見をもらって積極的に取り入れましょう。
他己分析のやり方
実際に他己分析をおこなうにはどうしたらいいのでしょうか。以下に見ていきます。
他己分析はいつおこなうか
まず自己分析を終わらせましょう。他己分析は自己分析を深めるためのものです。そして、エントリーシートをはじめとする応募書類を書き始める前におこないましょう。自己PR欄を充実させられます。
協力してもらう人を選ぶ
他己分析をおこなうには第三者の協力が必要不可欠です。さまざまな視点から見てもらうために、なるべく多様な関係や立場の人に協力してもらうのがいいでしょう。
協力者の例
- 大学のOBやOG
- バイト先の先輩や同僚
- 同級生やゼミの仲間
- 家族
- 友人
- サークルの顧問の先生
他己分析に役立つ質問例
次に他己分析に協力してもらう相手別に、具体的な質問例を紹介します。
身近な社会人に質問する場合
- 自分の外見の第一印象はどのようなものか
- 自分の話し方や態度についてどう思うか
- 自分はどのような職種が向いていると思うか
- 自分にはどのような社風の企業が向いていると思うか
- 自分が後輩として入社してきたらどう指導していきたいか
サークルやバイトなどの仲間に質問する場合
- 長所・短所だと思うところは何か
- 思い出に残っているエピソードは
- どのような性格だと思うか
- コミュニティの中でどのような立ち位置にいるか
- 何をしているときにもっとも生き生きとしていたか
家族や親しい友人に質問する場合
- 幼少期はどのような子どもだったか
- 学校ではどのような生徒だったか
- 自分について、第三者にはどのように説明するか
- 印象に残っているエピソードは
- 成長とともに変わった部分はあるか
ツールやシートを利用する
Web上には他己分析をするためのツールやシート、フォーマットがあります。やり方がわからないときにはそれらを利用するのもいいでしょう。自分の目的に沿っていて使いやすいものを選びましょう。
他己分析の結果の活かし方
第三者の協力も得て他己分析をおこなったからには、結果を有効に活かしたいものです。どう活かしていったらいいでしょうか。以下に見ていきます。
弱みも素直に受け入れる
予想もしていなかった自分の弱みについて指摘を受け、ショックを受ける人もいるかもしれません。しかし、協力者はあなたに弱みを克服してほしくて言いにくいことをあえて言ったと考えられます。自分をしっかり見つめ直し、弱みを強みに変えることは就活や転職活動を成功させる大きなステップとなるでしょう。
エントリーシートや面接に活かす
エントリーシートをはじめとする応募書類には自己PRを記入する必要があります。他己分析を通じて自己理解を深めると、客観的で説得力のある内容を記入できます。面接時も同様です。多角的な視点から見た自己像があれば、どのような質問が来ても臨機応変に対応できるでしょう。
他己分析は意味ない?
就活や転職活動をめぐるどの作業についても言えることですが、ただ漫然とおこない、やりっぱなしでは意味がなくなってしまいます。質問を厳選し、得た回答を自己分析とすり合わせることが必要です。他己分析は自己分析を深めるためにあります。そのことを常に意識しましょう。
他己分析を頼まれたときの解答例
「他己分析に協力してほしい」と頼まれた場合、その人のいい面を伝えるのは容易でも、改善してほしいところを伝えるのは難しく感じるかもしれません。その場合には言葉を選び、言い方を工夫しましょう。
たとえば「大切なイベントで遅刻をして迷惑をかけた」というエピソードがあったとします。それをそのまま伝えるのではなく、「大事な場面で遅刻をしたが、真摯に謝罪する姿勢に皆が好感を持った」という言い方をすれば本人にも受け入れられやすいでしょう。
まとめ
普段の生活では自分をPRする場面というのはそうありません。エントリーシートを前にして自己PR欄をどうやって埋めるか悩んでしまう人も少なくないでしょう。自分で自分の強み、弱みを考えても限りがあります。
そのようなとき他己分析をおこなうことで視野が開け、あらたな自分を発見できます。他己分析を通して自己分析を深め、就活や転職活動を成功に導きましょう。