AI関連のおすすめ資格とは?必要な知識と勉強方法
はじめに
- AIに関連する資格を取得するメリットは能力の証明と収入アップ
- 主なAIに携わる職種はAIエンジニア・AIサイエンティスト・AIプランナー
- 資格取得に必要なのはプログラミング・数学・機械学習の知識
- 資格取得に向けたおすすめの勉強方法は講座受講
あまり有名ではないAI関連資格も多くあるでしょうが、どのようなものなのかを知リ、それをもって行動に反映していくことが大切です。
AI関連の資格を取得する2つのメリット
AIの普及しつつある現代社会では、多くのAI関連資格が存在します。AIに関連した資格を取得することでみなさんが享受できる2つのメリットについて紹介します。
1 スキルや知識の証明
1つ目に、資格取得によってAIに関連する専門的な知識・スキルが自分にあることを客観的に証明できるというメリットが挙げられます。
資格を保有することは他人から見てどの程度の知識・スキルを身につけているのかを判断する指標になります。たとえば、AI関連業界を目指した就職・転職活動において、働くために必要な知識・スキルがあることを証明でき、志望企業に対して大きなアピールができます。
2 収入増の可能性アップ
2つ目に、AIに関連する資格を取得することで、AIに携われる仕事に就職・転職でき、高収入が期待できるというメリットが挙げられます。
現在はAIに携われる人材が不足しているので、関連エンジニアは年収が高くなる傾向にあります。そこから更にスキルアップすれば1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
AIに関連した資格を取得しておけば、高収入を期待できるAI業界で働ける可能性が高いです。
3つの主なAI職
近年、AIはさまざまな業界で使用されています。主な3つの職種を解説します。
1 AIエンジニア
1つ目にご紹介するのはAIエンジニアです。
多様な仕事上の課題についてAIを使用して解決する職種になります。具体的な業務としては、AIを使ったシステムの開発・プログラムの実装・運用・管理を主に行っています。
2 データサイエンティスト
2つ目にご紹介するのはデータサイエンティストです。具体的にはAIで分析したデータを使って、仕事で問題となっている業務を解決したり仕事上の意思決定に関するサポートをしたりすることなどが挙げられます。専門的な分析結果を他の社員やクライアントにわかりやすく説明する職種です。
3 AIプランナー
3つ目にご紹介するのはAIプランナーです。AIに関する広範な知識を活用して多くの業務を行います。クライアントと開発現場の橋渡し的役割を担い、業務は3つの段階に分けられます。
- 仕事上の課題に対してAI活用が可能か判断する
- AIを使ったシステムを企画・を立案しディレクションする
- ビジネスで使えるようにマネジメントする
AI関連のおすすめ資格10選
ここでは数あるAI関連資格のなかで、とくにおすすめの10個を紹介します。
資格名称 | 試験内容 | 開催頻度 |
---|---|---|
1 E資格 | ・応用数学 ・機械学習 ・深層学習 ・開発運用環境 | 年2回 |
2 G検定 |
・人工知能 ・機械学習 ・深層学習 | 年3回 |
3 データサイエンティスト検定 ・リテラシーレベル | ・ビジネス力 ・データサイエンス力 ・データエンジニアリング力 | 年2回 |
4 画像処理エンジニア検定 |
・画像処理基礎 ・画像信号処理 ・画像パターン認識 ・メディア処理 ・画像処理システム ・知的財産権 | 年3回 |
5 AWS専門知識認定 |
・セキュリティ ・データベース ・機械学習 ・ネットワーク ・データ分析 | 随時 |
6 Professional Data Engineer |
・データ処理 ・機械学習 ・品質保証 | 3-4日/週 |
7 統計検定 |
・統計の知識 ・データ活用力 ・データサイエンス | 年1回 |
8 認定AI・IoTコンサルタント |
・AIの知識 ・IoTの知識 ・関連ソフトの操作 | 年4回 |
9 Pythonエンジニア認定データ分析試験 |
・データ分析 ・Pythonの知識 ・数学 ・ライブラリの知識 | 随時 |
10 AI実装検定 |
・数学 ・AIプログラミング ・深層学習 | 随時 |
1 E資格
1つ目におすすめする資格は「E資格」です。「E」は「Engineer」の略称で、ディープラーニングを扱うエンジニア向けのスキルの保有を証明する資格です。また資格取得後は、名刺やプロフィールにE資格のロゴを使用したり限定コミュニティ(Slack)に参加したりすることも可能です。商談時の話題作りやスキルアピールができ、コミュニティ内で人脈を拡げることができるメリットがあります。
2 G検定
2つ目におすすめする資格は「G検定」です。「G」は「Generalist」の略称で、ディープラーニングの知識を生かして応用することに特化した資格です。この資格の保有者は業務上の課題解決・効率化に対して機械学習を活用することができるスキルの保有を証明できます。E資格がエンジニア向けであることに対して、G検定はマネージャー向けの資格になります。
内容はAIそのものの概念に関するものが多く、これからAI業界を目指そうとする人にとっては基礎として必要な知識になります。
3 データサイエンティスト検定・リテラシーレベル
3つ目におすすめする資格は「データサイエンティスト検定・リテラシーレベル」です。こちらは、データサイエンティストにとって必要な能力である、データサイエンス力やビジネス力・データエンジニアリング力などの保有を証明する資格です。入門レベルの知識を身につけることができるため、データサイエンティストを志す方にはたいへんおすすめです。
4 画像処理エンジニア検定
4つ目におすすめする資格は「画像処理エンジニア検定」です。こちらは、画像処理分野における設計・開発に必要な知識を証明するための資格になります。画像処理は、多くの分野で活用が拡がっている技術です。人材需要も高く、この資格を取得することで画像処理についてのスキルをアピールでき、将来的なキャリアアップも目指せるでしょう。
5 AWS認定
5つ目におすすめする資格は「AWS認定」です。こちらは、Amazonが提供するクラウドサービスである「AWS(Amazon Web Services)」を活用するスキルの保有を証明する資格です。12種類の資格があり、AIに関するものは機械学習・データアナリティクス・データベースの3つがあります。
- AWS Certified Cloud Practitioner
- AWS Certified Solutions Architect – Associate
- AWS Certified Developer – Associate
- AWS Certified SysOps Administrator – Associate
- AWS Certified Solutions Architect – Professional
- AWS Certified DevOps Engineer – Professional
- AWS Certified Security – Specialty
- AWS Certified Database – Specialty
- AWS Certified Advanced Networking – Specialty
- AWS Certified Machine Learning – Specialty
- AWS Certified: SAP on AWS – Specialty
多くの分野・レベルの資格があるので、自分の保有スキルの種類やレベルを証明するのに有用な資格です。
6 Professional Data Engineer
6つ目におすすめする資格は「Professional Data Engineer」です。こちらは、Google の提供するサービス「GCP(Google Cloud Platform)」を使い、データ収集・加工・連携ができるスキルの保有を証明する資格です。
GCPに関する公式の認定試験「Google Cloud認定」の1つで、普段からGCPを利用・開発に活用している人にとっては、新スキルの習得ができるのでおすすめです。
7 統計検定
7つ目におすすめする資格は「統計検定」です。こちらは、AIエンジニアやデータサイエンティストには必須である数学や統計学に関する知識や理解を証明できる資格です。統計検定は4級から1級までの難易度がありますが、準1級から求められる能力は幅広くなるため、まずは2級取得を目指しましょう。
試験では、統計に関する知識・統計学の活用力を評価されます。数学的に思考し問題解決をする能力の保有を客観的に示すことができます。
8 認定AI・IoTコンサルタント
8つ目におすすめする資格は「認定AI・IoTコンサルタント」です。内閣府が推進するSociety5.0や経済産業省のConnected Industriesを実践するための、日本初のAI×IoTに特化した資格です。他の資格や検定とは異なり、まず研修を受け、その後試験を受ける、という手順が必要になります。
一般社団法人AI・IoT普及推進協会の公認を受けることができ、AI・IoTのコンサルタントとして働く際には必須の資格です。
9 Pythonエンジニア認定データ分析試験
9つ目におすすめする資格は「Pythonエンジニア認定データ分析試験」です。こちらは、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が運営しているPythonエンジニア向けの試験です。2020年に新設されたため、合格率や取得しているエンジニア数といったデータが少ないです、Pythonを使う高い能力をアピールできるのでおすすめします。
試験内容としては主にPythonによるデータ分析に関する理解力が問われますが、なかにはデータ解析ライブラリのPandasに関する知識について出題されることもあります。週に何回も試験が開催されているので予定が立てやすいでしょう。
10 AI実装検定
10個目におすすめする資格は「AI実装検定」です。こちらは、AIを実装できる能力のある人材だと証明するための検定になります。
試験では、AIの基礎知識・プログラミングスキル・AIを用いたソフトウェア設計や開発の方法論が出題され、難易度によってB級・A級・S級という段階があり、自分のレベルに合ったものを受けることができます。資格保有者は「AIを理解・実装できる人材」であると客観的に示すことになります。
資格取得に必要な知識とは?
次に AIに関連する資格を取得するために必要な3つの知識について解説していきます。資格を取るためにはどのような知識が求められるのでしょうか。
プログラミングの知識
1つ目は「プログラミングの知識」です。
AIに携わる職種にプログラミング知識は必要不可欠なものです。とくにAI開発に用いられるプログラミング言語について学んでおくといいでしょう。
2024年現在、AIプログラミングにはPython・JavaScript・Julia・C++が主要言語として用いられています。また、その他に適した言語としてJavaやR(R言語)も挙げられるため、あわせた学習がおすすめです。
数学の知識
2つ目は「数学の知識」です。AIの仕組みを理解するには、前述したプログラミングの知識以外に数学の知識も必要になります。
具体的には、AIでは確率・統計学・微分・積分などを使ってデータ解析を行います。そのため、AIに関連する資格を取得する場合、確率や統計学などを取り扱う数学の知識を身につけておくことも重要です。
これらの知識は、いずれも大学1、2年程度を目安にするとよいでしょう。
機械学習・ディープラーニングの知識
3つ目は「機械学習・ディープラーニング(深層学習)の知識」です。
機械学習とは、機械にデータ処理や分析に必要な大量のデータを与え、人間のようなパターン認識や分類能力をアルゴリズムに置き換える技術です。またディープラーニング(深層学習)とは、ディープニューラルネットワークと呼ばれる技術を用いた機械学習の一種で、より人間に近い認識過程を踏むことができます。これらの知識をより深く理解し、習得するには前述した数学の知識があるとよいでしょう。
資格を取得するための勉強方法
ここではAI関連資格を取得するために有効な勉強方法について解説します。
講座受講
おすすめの勉強方法は「講座受講」です。これまでにご紹介した資格の主催団体によって開催されている講座があります。講座の内容は常に改善を続けており、AIに関する情報も最新のものが参照されています。まさにAIに関する資格取得を目指す人に最適なのが主催団体が公式で開催する講座を受講することです。
みなさんの時間やお金の事情が許せば、講座を受講することが資格取得のためには有効といえるでしょう。
まとめ
AIの発展にともなって多くの関連資格が誕生しています。取得メリットとしては大きく以下の2つがありました。
- スキルや知識の証明
- 収入増の可能性アップ
AIに携わる職種も多くあり、代表的なものとして以下の3つを挙げました。
- AIエンジニア:AIを活用して多様な仕事上の課題を解決するAI関連のエンジニア。機械学習エンジニアとも呼ばれる
- データサイエンティスト:AIを使って活用してデータ分析をおこなう
- AIプランナー:クライアントと開発現場の橋渡し的役割を担う
また、AIに関連したおすすめの資格についても、とくにおすすめの10個をご紹介しました。
資格取得に必要な知識としては以下の3つを挙げました。
- プログラミングの知識
- 数学の知識
- 機械学習/ディープラーニングの知識
おすすめの勉強方法は講座受講です。理由としては教材の品質や質問事項の確認が容易に行えるのでより早く学習内容が身につく傾向にあるためです。
ぜひみなさんもこの記事を参考に、AI関連の資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。