AIエンジニアとは?仕事内容と目指し方を簡単に解説
はじめに
- AIエンジニアは多種多様なシステムで稼働するAIを研究・開発する先端人材
- その仕事内容は幅広く関連する職種も多数
- まだ新しい分野のため資格や学力の制限はない
- スキルだけでなく先端技術や知識を学び続けることも必要
- 使用者への配慮や倫理観のアップデートも重要
- 今後も求められ続ける将来性もやりがいもある人材
チャットGPTの登場以降AIは身近なものとなり、スマートフォンのアプリやIoTへの活用などで耳にする機会も増えました。本記事ではAIと、それを研究・開発する新職種AIエンジニアについて、わかりやすく解説します。ぜひ身近な知識にしてください。
AIとAIエンジニア
AI(Artificial Intelligence)とは、人間の知能や行動をソフトウェアで再現した人工知能を指しています。このAIを多種多様なシステムで稼働するよう、開発・教育・実装する業務を担うのがAIエンジニアです。AIエンジニアはまだ新しい職種のため仕事の幅も広く、類似・連携する職種や、関係する分野も多岐に渡ります。
今話題のチャットGPTについてはこちら、ChatGPT(チャットGPT)とは?初心者向けの使い方を紹介で、また有料版についてはChatGPT Plusとは?有料版と無料版の違いを解説で、より詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
AIエンジニアの仕事内容
AIエンジニアの仕事はAIシステムを研究・開発することですが、AI開発には膨大なデータを読み込ませるAIの教育(機械学習)も不可欠なため、学習用データの収集や分析も必要です。またAIは実装してからも学習を継続するため、AIエンジニアの仕事には運用データの分析や改修も含まれます。
AIエンジニアの仕事内容 | |
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AIの開発 | 『AIシステムの研究、企画や設計、さまざまな言語によるプログラミングで開発を行います。 |
AIの教育 (機械学習) | 機械学習には正解のラベル付きデータを与える教師あり学習、正解を伏せたデータによる教師なし学習、試行錯誤させることで最適解を探らせる強化学習があります。より複雑な深層学習(ディープラーニング)も機械学習の1手法です。この仕事では学習に必要なデータの収集や下処理、結果の分析などを行います。 |
実装と調整 | AIに学習結果を反映し、システムに実装します。実装後は運用データを分析し、結果を反映することで、AIシステムを改修します(AIを成長させます)。 |
労働条件の特徴
AIは先端開発分野のため、職場は都市部の開発企業や大学の研究室などが多く、開発拠点によっては海外の場合もあります。労働時間と成果が釣り合わないこともあるため、正社員のほかに業務委託契約など、さまざまな雇用形態があります。
類似・関係した仕事
AIエンジニアに似た仕事や関連する仕事について下記の表にまとめました。
AIエンジニアに類似・関係した仕事 | |
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半導体エンジニア | 半導体製品の製造工程の設計・開発、評価などを行う技術者です。AIエンジニアよりハードウェア寄りの仕事です。 |
システムエンジニア | クライアントへのヒアリングを通じて要求に最適な仕様のシステム開発を行う職種です。システム開発の上流工程から、AIエンジニアよりもシステム全般を扱います。 |
機械学習エンジニア | AI開発の中でも機械学習や深層学習(ディープラーニング)に特化した業務を行う技術者です。機械学習に必要なデータの収集や下処理、運用結果の分析や解析などを専門的に行います。 |
データサイエンティスト | AIエンジニアよりもシステム寄りの立場で連携することもある職種です。データ分析の分野で、分析モデルの構築などを専門的に行います。 |
データアナリスト | AIエンジニアよりも企業寄りの立場で連携することもある職種です。AIシステムなどから得られたデータを分析し、企業の戦略立案や問題解決などに応用します。 |
AIエンジニアに必要なスキルや適性
AIの分野は今後も、さまざまな業種と連携して行くため、AI開発の専門性だけでなく、幅広い知識が求められます。以下に代表的な3つのスキルについて解説します。
プログラミング言語
AI開発でも重要なプログラミング言語としては、AI実装に必要なライブラリーやフレームワークが充実したPython、統計や分析に強いR、Web上で実装する際に高い汎用性を発揮するJavaScriptなどが有名です。他にも処理速度の速いC++、異なるOS間でも実行できるJAVA、機械学習と相性のよいJuliaなどもAI開発に有効な言語です。
数学的な知識や論理的な思考力
機械学習ではAIが学習しやすいように、数学的な知識や統計学的な解析など、データの下処理が必要です。またAIの開発では複雑なプログラムと向き合って問題解決を目指すため、論理的な思考力も重要です。AIエンジニアはこれらを組み合わせた、考える力がある人、考えることが好きな人に向いた仕事と言えます。
幅広い知識と新分野への好奇心も重要
スマーフォンのアプリやIoTの分野など、AIは今後も多種多様な産業と連携した開発が求められるため、新しい知識への対応力も重要な要素です。またAI開発を取り巻くトレンドや技術そのものも移り変わりが速いため、知識に対する好奇心を持っている人は有利な適性があると言えます。
AIエンジニアとしての就業を目指すには
AIエンジニアに必須の資格や学歴の制限はありませんが、まだ新しい分野の先端技術であるため、就業者は大学や大学院、高専や専門学校などの専門学習を経た人が多くを占めています。そのため専門分野への進学が近道と言えますが、AIの分野は将来の成長が強く見込まれる産業として経済産業省でも認められており、社会人のキャリアアップを目標とした教育訓練の働きかけも行われています。
・参考リンク|経済産業省 第四次産業革命スキル習得講座認定制度
AIエンジニアのやりがいと将来性
AIエンジニアは先端技術を開発する中心的な存在として、時代に求められている人材であり、さまざまな分野で新しい価値を創出できるやりがいのある仕事です。またAIエンジニアはこれからも、さまざまな分野で求められると考えられており、新卒・転職とも求人市場では不足傾向の人材です。将来的な活躍のステージも大手企業やAI系のベンチャー企業、大学などの研究機関や海外にも活動の幅を広げられるため、収入面や将来性も明るい職種と言えます。
まとめ
AIエンジニアは新しい職種のため、学歴や資格にも制限はありませんが、目指し方や成果の出し方には、まだ決まったプロセスがありません。今後も需要増を期待される人材であり、先端技術としても、スマートフォンのアプリやIoTの分野など、AI活用が求められる新技術も次々に登場しています。
またAIは便利であると同時に誰にでも使える技術であるため、悪用される危険性も否めません。それらを開発するAIエンジニアには技術や知識だけでなく、使用者への配慮や倫理観のアップデートも重要な課題と言えるでしょう。