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ChatGPTとチャットボット:革新的AIの違いと比較

date2024年02月07日
ChatGPTとチャットボット:革新的AIの違いと比較
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はじめに

  • チャットボットは「Chat」と「bot」の造語であり「自動会話プログラム」のこと
  • ChatGPTとは、人工知能が搭載されたチャットボットの一種
  • ChatGPTとチャットボットには得手不得手があるため用途に応じて使い分ける
  • ChatGPTやチャットボットはさまざまな企業や行政で活用されている
  • ChatGPTでは機密情報や個人情報を入力しないようにする

2022年11月に公開されてから瞬く間に人気ツールとなったChatGPTですが、従来のチャットボットとの違いがよくわからない方も多いでしょう。
この記事では、ChatGPTとチャットボットの違い、できることやできないこと、実際の活用事例などをわかりやすくご紹介します。

ChatGPTとチャットボットの違い

ChatGPTとチャットボットはどのように異なるのでしょうか。以下から簡単に解説します。

チャットボットとは

チャットボットは「Chat」(会話)と「bot」(Robot:ロボットの省略後)を組み合わせた造語で、日本語には「自動会話プログラム」と訳されます。世界初のチャットボットは1966年にアメリカで発明されたELIZA(イライザ)だといわれており、現在チャットボットの種類は人工知能と人口無能に大別できます。
人工知能型チャットボットには、AI(自ら学習する機能)が搭載されているのに対して人口無能型チャットボットには搭載されていません。人口無能型チャットボットは、事前にヒトが設定したとおりにしか回答できないため汎用性も低いですが、正確な情報を提供したい場合やコストを抑えたいときなどは有効です。

ChatGPTとは

ChatGPT(チャット・ジーピーティー)とは、人工知能が搭載されたチャットボットの一種です。2022年11月、アメリカのAI専門研究機関「OpenAI」が開発しました。
生成AI(ジェネレーティブAI)とも呼ばれており、文章や音声でユーザのニーズに応えてくれます。質問への回答や文章の校正・要約、アイデアの創出などさまざまな用途で使えるため、多くのヒトがプライベートからビジネスまで幅広く活用しています。
GPTとは生成AI系アプリの基礎となっている技術です。「Generative Pre-trained Transformer(ジェネレーティブ・プレトレーニング・トランスフォーマー)」の頭文字を取ってつけられました。2023年11月現在では、無料で利用できるGPT-3.5と有料プランを契約することで利用可能になるGPT-4Vがあります。

ChatGPT・チャットボットは何ができる?どのように使い分ける?

ChatGPTとチャットボットにはそれぞれできること・できないことがあります。
また、それぞれどのように使い分けるといいのでしょうか。以下からご紹介します。

ChatGPT・チャットボットの得意分野と不得意分野

ケース・シーンChatGPTチャットボット
自然な文章や音声で
要約・翻訳などができる
×
計算問題・クイズ・
ソースコードなどの
作成・回答
×
アイデアの創出×
特定の商品やサービスに関する案内・質問への
回答や問い合わせ対応
×
アンケートや調査を行う×
予約や申し込みの受付×

ChatGPTとチャットボット、それぞれができること・できないことを上記の表にまとめました。ChatGPTは自ら学習できるため、漠然とした質問や専門的な質問にも対応できますが、常に回答が正しいとは限りません。一方で、チャットボットは特定分野への質問に対しては正確な回答を出せますが、想定外の質問へは対応できません。

ChatGPT・チャットボットは用途ごとに使い分けよう

先述の通り、ChatGPTとチャットボットにはそれぞれ得手不得手がありますので、用途に応じて使い分けましょう。
たとえば、顧客や社内からの問い合わせ対応・特定の商品やサービスへの案内には、正確な受け答えが求められるため、チャットボットが適しています。
一方で、アウトプットの補助ツールにはChatGPTの使用がおすすめです。以下の画像のようにいくつかのアイデアも出してくれるため、ビジネスシーンにも活用できます。

(法人向けChatGPT、NewtonX:GPT-4 32Kで作成)

法人向けChatGPT、NewtonX:GPT-4 32Kへの質問と回答のスクリーンショット

チャットボット・ChatGPTの活用事例各3選

チャットボットやChatGPTはさまざまな企業や行政で活用されています。
以下からは、チャットボットの活用事例とChatGPTの活用事例をそれぞれ3つずつご紹介します。

チャットボット活用事例1:埼玉大学

埼玉大学ではLINE公式アカウントにチャットボットを導入しています。
また、2023年9月からは埼玉大学ホームページ内にもチャットボットが設置されました。24時間365日稼働しており、埼玉大学に関する情報がいつでも閲覧できます。
以前は、疑問を解決するために学内ポータルサイトや公式ホームページを隈なく探さないと見つけられませんでしたが、情報にたどり着くまでの時間も短縮されてユーザの利便性も高まりました。

チャットボット活用事例2:横浜市

「横浜市ごみ分別アプリ」では、ごみ分別に関する質問に対してAIが回答してくれます。機械的なやりとりではなく、同局のイメージキャラクターが会話調で答えてくれるのも人気の1つです。
たとえば、「電池」と入力すると電池の種類ごとの分別方法だけでなく、横浜市のホームページアドレスも掲示してくれるため、詳細な情報が確認できます。スマートフォンアプリという誰もが調べやすい環境を提供して、市民にごみの分別マナーを守ってもらうのが横浜市のねらいです。

チャットボット活用事例3:埼玉県

急な病気やケガの際に、対処方法に戸惑ったり医療機関を受信するかどうかを迷ったりするケースもあるでしょう。
このような背景から2023年5月に、埼玉県は埼玉県医師会や埼玉県看護協会・県内救急医療機関などの協力を得て、チャット形式で相談できる「埼玉県AI救急相談」を整備しました。
相談はホームページからでもスマートフォンアプリからでも利用でき、相談内容から想定される症状が掲示されます。
受診が必要と判断された場合は、医療機関が検索できる外部サイトに誘導してくれます。スマートフォンから利用した場合は、埼玉県救急電話相談(#7119)や119番へ連絡することも可能です。

ChatGPT活用事例1:立命館大学

2023年春学期から、立命館大学・生命科学部では英語の講義にChatGPTを導入しました。AI 技術の活用で学習成果や学生の心理面などにどのような変化が生じるかを検証して、新しい時代の大学英語教育のありかたを探究するのが目的です。
講義では英語に訳すのが難しい日本語の文章をまず学生らに自力で翻訳してもらい、そのあと、立命館大学の教授らが開発した翻訳ソフト「Transable(トランサブル)」→ChatGPTの順番で同じ日本語の文章を英訳します。
表現やニュアンスが異なるそれぞれの英訳文を比較することで、学生の学びの質も向上しています。

ChatGPT活用事例2:神戸市

2023年5月、神戸市は国内の自治体でいち早く生成AIに関する条例を制定し、翌月には職員が生成AIを活用する際の規定も整備しました。現在神戸市は、海外のサーバに情報が保存されることを避けるために、Microsoft社の「Azure」経由でChatGPTを使用しています。Microsoft Azureは顧客側がデータセンターの地域を選択できるため、データの国内保管が可能だからです。
また、神戸市広報の公式SNSアカウントから発信する際に職員がChatGPTを使用することもあります。市民に馴染みのない専門用語や硬い文章を短くわかりやすい言葉に置き換えられるようになっただけでなく、担当者が変わっても同じ文体で投稿することが可能になりました。

ChatGPT活用事例3:Microsoft(マイクロソフト)社

2023年1月より、Microsoft社はOpen AI社とパートナーシップを提携しました。また、同年5月からはMicrosoft社の検索エンジン「Bing」にて「Bing AI Chat」が一般公開されています。
9月にはWindows11の無償アップデートとして、Microsoft 365 Copilot(コパイロット)の提供が始まり、11月からはMicrosoft365 アプリ内でも使えるようになりました。
Microsoft 365 Copilotとは、Word・Excel・Teamsなど、Microsoft365アプリと連携して動作するAI支援機能です。「Bing AI Chat」にも「Microsoft 365 Copilot」にも最新のGPT-4が搭載されています。

法人用ChatGPTとは?

ChatGPTには企業や行政などが利用する法人用もあります。法人用は個人用とどのような点が異なるのでしょうか。また、両者を比較した場合、何か違いがあるのでしょうか。以下から解説します。

法人用ChatGPTについて

ビジネスや教育現場でChatGPTを使用する場合は、利用人数や活用範囲が広くなりがちですので、機密情報や個人情報を漏洩させないように対策を講じる必要があります。
法人用ChatGPTは個人で利用できるChatGPTと比べてセキュアですが、導入の際には信頼できるツールを選ぶことも大切です。
たとえば、株式会社セラクが開発した法人向けChatGPTツールNewtonXでは、入力したデータがOpenAI社の再学習に使用されないので、外部へ情報が漏洩するリスクも低いです。また、機密性の高い情報を入力するとアラート画面が表示されるためコンプライアンス違反を防ぐ特徴もあります。

個人用ChatGPTと法人用ChatGPTを比較してみた!

同じChatGPTでも、登録すれば誰もが使える通常アカウントと法人向けアカウントでは回答結果が異なるケースもあります。たとえば、株式会社セラクの子会社である「セラクCCC(Contribute Customer Continue)とは何ですか? 」と尋ねてみたところ、それぞれ以下のような回答が返ってきました。

個人用(GPT-3.5)

個人用(GPT-3.5)の質問と回答の一例のスクリーンショット

法人用(NewtonX:GPT-3.5)

法人用(NewtonX:GPT-3.5)の質問と回答の一例のスクリーンショット

法人用(NewtonX:GPT-4-32K)

法人用(NewtonX:GPT-4-32K)の質問と回答の一例のスクリーンショット

個人用ChatGPTアカウントでは、「詳細な情報を提供するのが難しい」との返答でしたが、法人用ChatGPT(NewtonX)では「セラクCCC」についてきちんと説明してくれました。
また、「GPT-3.5」よりも「GPT-4-32K」の方が、業務内容やどのような人材が在籍しているかまで詳細に解説してくれましたので、より精度が高いことも伺えます。

まとめ

ChatGPTもチャットボットも対話型応答システムの一種ですが、特徴や仕組みが異なりますので用途にあわせて使い分けることが大切です。また、個人用のChatGPTでは情報漏洩のリスクもあるため、機密情報や個人情報を入力しないように気をつけましょう。
とはいえ、チャットボットやChatGPTを駆使することで、業務効率の向上も期待できます。ニューノーマル時代に適応していくためには、うまく活用することも大切です。

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