失敗しない履歴書の郵送方法(封筒や送付状の書き方、切手代、メールの例文など)
はじめに
新卒の就活や転職活動で履歴書などの書類の準備ができたら、履歴書を失敗せず安心して送るための郵送方法を知っておきましょう。「宛名を書く時は手書きじゃなきゃいけないの?」、「履歴書の日付は記載をした日か投函日のどちら?」「送付状も同封すべき?」など、必要なビジネスマナーを知らないと評価が下がる可能性もあります。この記事では、履歴書の郵送方法について順を追って解説します。
郵送の準備が終わったら、念のため履歴書の内容を最終確認しましょう。正しい履歴書の書き方を網羅的にまとめた記事も用意していますのでこちらの「履歴書の書き方(準備~お渡しまで全網羅の記事)」を参考にしてください。
職務経歴書の書き方について悩んでいる方はこちらの記事をご覧ください。書き方のコツや職種別の書き方例、チェックポイント、送り方まで解説しています。
封筒の書き方
まずは、履歴書を郵送する際に気をつけた方が良い日付の記載や宛名について説明していきます。ちなみに、封筒のサイズは、A4サイズの履歴書を折らずに入れられる「角形2号」が望ましいです。封筒内はA4用紙より2~3センチほどゆとりがあるため、クリアファイルを活用する場合でも書類がスムーズに出し入れできます。B5サイズの履歴書は「角形3号」の封筒が最適です。
封筒について詳しく知りたい方は、こちらの「履歴書の封筒の書き方・入れ方・サイズ・色・ペンや手渡し方法など徹底解説」を参考にしてください。
宛名の書き方
オモテ面とウラ面で書かなければいけないことや注意する点も違います。オモテ面には、①宛先住所②宛名③内容について④切手の4点が必要です。それぞれの注意点が以下です。
オモテ面①住所
封筒の右端に縦書きで記載します。市の名前が県名と同じ場合でも、住所は都道府県から書きましょう。郵便番号を書く欄が印字されている場合もありますが、欄がない場合は中央に横書きで記載してください。
オモテ面②宛名
封筒の中央に社名を記載しますが、(株)などの略字を使わないでください。会社名が長くても、「株式会社」などの正式名称を使うようにしましょう。また、採用担当者の氏名が分かっている場合は、「様」を付けて担当者の氏名を記入してください。担当者の氏名が分からない場合は、「採用ご担当者様」もしくは「人事部御中」と書きます。宛先が長くなる場合は見やすさを考慮し、改行してバランスをとりましょう。そのほかの注意点としては、「御中」と「様」を併記しないこと。会社名のみならば「御中」を、人名も記載するなら「様」を記載してください。
オモテ面③内容についての記載
封筒のオモテ面左下に、「応募書類在中」または「◯◯職応募書類在中」と赤字で記入してください。普段は郵便物を送る際にこのようなことを書かない場合がほとんどかもしれませんが、これを書くことで重要書類であることが伝わります。企業に多く届く郵送物に混ざってしまっても、採用のための書類だとわかりやすくなります。開封時にも重要書類とわかるので、ただの郵便物と比べて丁寧に開封してもらいやすくなるので、忘れないように記載しましょう。
オモテ面④切手
細かいことですが、切手の向きが斜めになっていると「雑な人」という印象を与えてしまいかねません。神経質になる必要はありませんが、封筒の淵と平行になるよう丁寧に貼ることを心掛けてください。
ウラ面⑤自分の住所、氏名
自分の住所、氏名を記入します。ウラ面は下の図の2通りの書き方があります。住所・氏名は封筒の真ん中に書く場合でも、左側に寄せてかく場合でも、日付を記入するのは左上にしましょう。また、宛名より小さな字で書くようにしましょう。
ウラ面⑥日付(投函日)
封筒の左上に縦書きの漢数字で記載します。西暦・和暦は履歴書の表記にそろえましょう。西暦を縦書きにする場合、「二〇二二年」のように書くのが一般的です。封筒にも投函日を記載しておくことで開封せずともいつ出された書類かがわかるため、採用担当者にとって親切な印象となります。
ウラ面⑦封印を示す「〆」
封筒をのり付けしたら、封筒のとじ目が中心になるように「〆」を書きます。これは封字といって、途中で第三者が封筒を開けていないかを見分けるために記入します。「〆」は締の略字で、×(バツ)印ではありませんので間違えないように気を付けましょう。
履歴書の日付は「書いた日」?「郵送する日」?
履歴書の日付は「書いた日」にすればいいのか、「郵送する日」にすればいいのか、迷う人もいるかもしれませんが、「郵送する日」にしましょう。郵送でなく持参する場合には、持参する日を記入してください。日付の表記については西暦でも和暦(元号)でも構いませんが、他の提出書類と全て統一し、同じ表記にしましょう。数字と漢数字の表記も同様にそろえてください。
送付状の書き方と封筒への入れ方
履歴書を送付するときは、送付状を同封するのがマナーです。送付状を添えることで採用担当者は差出人と中身を整理して把握しやすくなります。採用担当者は日々たくさんの履歴書を受け取ります。送付状を忘れず添えることでスムーズに書類を確認できるため、印象良く受け取ってもらうことができます。
パソコンでの書き方
送付状には、以下の9点を漏らさず書きましょう。ビジネス文書なので、A4サイズ横書き、パソコンで書くことが一般的です。
- ① 日付
ビジネス文書では右上に書くのがマナーです。年の表記について、西暦か和暦かは履歴書と統一してください。 - ② 宛名
日付から一段下げ、左上に宛名を書きます。書く内容は封筒と同じです。 - ③ 自分の連絡先・氏名
宛名の下段、右端に自分の連絡先と氏名を書きます。連絡先は「郵便番号」「住所」「電話番号」の順で記載するのが普通です。 - ④ 前文
本題の前置きとして入れる文章です。文頭に「拝啓」と入れ、「季節の挨拶」「相手の発展を喜ぶ言葉」を続けます。 - ⑤ 応募の経緯
募集を知った経緯などについて軽く触れます。職種別の採用であれば、希望する職種も合わせて記載しておきましょう。 - ⑥ 志望動機・自己PR
自分の思いやアピールポイントを、3〜4行で簡潔にまとめます。 - ⑦ 面接の申し込み
面接を希望している旨を明記しましょう。「何卒よろしくお願いいたします」という言葉で締めるのがビジネスマナーです。 - ⑧ 結語
頭語で「拝啓」と書いた場合は、右端に「敬具」と書いてください。 - ⑨ 同封書類の一覧
送付状以外に同封している書類とその枚数を記載します。内容に不備がないか、受け取った相手が確認できるようにする意味があります。
手書きの場合とおすすめのペンの太さ
送付状の作成が手書きの場合も、書く内容はパソコンの場合と同じです。手書きで書いていて文字や内容を間違えた際は、できるだけ全部書き直すようにしましょう。
どうしても時間がないときはやむを得ないかもしれませんが、誤字を修正した形跡のある送付状と、そうでない送付状では見る人からの印象が変わってくることを覚悟しておきましょう。
また、書く際には「見やすい太さで」「にじみにくい」ペンを選ぶのがベターです。オススメは、1mm以下の太さの油性マジックペンです。ボールペンを使う際は、油性で1.6mm程度の太いペンを使うと字が細くなりすぎず見やすくにじみにくいです。
送付状について用紙サイズや例文など、詳しく説明している記事もありますのでこちらの履歴書の送付状(添え状)の書き方【テンプレート付き】 も参考にしてみてください。
封筒への入れ方
送付状は、履歴書の上にくるように重ねてクリアファイルに入れておくようにしましょう。履歴書以外の書類と合わせて郵送するときも、送付状が一番上になるようにしてください。
履歴書の郵送についてお話してきましたが、応募企業へ直接持参される場合もあるでしょう。以下記事では、持参する際のマナーを詳しく解説しています。履歴書を持参するときのマナー【封筒の書き方・手渡しの方法】 参考にしてください。
送付状を入れ忘れた場合
もし送付状を入れ忘れてしまった場合はどうすれば良いのかを説明します。送付状の有無と選考結果の関係ですが、結論から言うと送付状なしでも影響はありません。
採用担当者の印象が少し悪くなってしまう可能性はありますが、きちんとした企業であれば、送付状がないからといって書類選考で落とすようなことはまずないでしょう。
そのため、もし送付状を入れ忘れてしまった場合に送付状だけ後から送ったりすると、逆に担当者の手間を増やしてしまいますので避けてください。
失敗しない履歴書の郵送方法(切手代や注意点)
郵送する場合は、A4書類を折りたたまずに入れられるよう、角形2号など定形外の大きさの封筒を用意してください。また、書類はクリアファイルに挟んでから封筒に入れるのが送付のポイントです。そのまま入れるよりも丁寧な印象になるほか、雨など水濡れで書類が読めなくなってしまうトラブルを避けることができます。
履歴書の郵送方法は普通郵便で送りましょう。提出締め切りギリギリになってしまった場合などに速達を利用するのは問題ありませんが、書留で送ると受け取りに際して担当者の手を煩わせてしまうことになります。どうしてもという方以外はなるべく避けるようにしましょう。
普通郵便で送る場合の切手の料金は、以下の通りです。
- 50g(目安:クリアファイル+A4コピー用紙2枚分)以内の重さであれば、120円
- 100g(目安:クリアファイル+A4コピー用紙14枚分)以内の重さであれば、140円
(※2021年10月1日改定)
また、この値段に「+320円」で簡易書留、「+260円」で速達の郵送ができます。速達の場合、差し出しの翌日〜翌々日までには書類を届けることができますが、少しでも早く届けたい場合はポストに投函するのではなく郵便局に直接持って行きましょう。その方が切手代不足で戻ってくる可能性もなくなるため安心です。
※郵便料金は毎年のように一部改訂があります。正しい料金は郵便局の窓口で確認しましょう。また、最新の情報を知りたい方は以下サイトよりご確認ください。
参考:郵便局|国内料金表 切手・はがき
郵送報告メールの書き方
郵送を終えたら、採用担当者宛に履歴書を送付した旨を報告するメールを送ります。報告メールは必須ではありませんが、送ることで日頃多くの履歴書を扱っている担当者の混乱を避けることにつながります。「履歴書を送付いたしました」だけではなく、「履歴書を本日〇月〇日(〇)付で送付いたしました」など、履歴書を投函した日付を合わせて記載すると、いつ頃履歴書が届くかの目安が分かり担当者も対応しやすくなります。
【件名】履歴書及び職務経歴書の郵送につきまして
【本文】
株式会社○○
人事部 ○○様
お世話になっております。
○○(氏名)と申します。
この度は選考の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
履歴書及び職務経歴書を本日○月○日(○)付で送付いたしました。
お忙しいところ大変恐縮ですが、ご査収の程、よろしくお願い申し上げます。
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(氏名)
(郵便番号)
(住所)
(電話番号)
(メールアドレス)
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履歴書をメールで送付する場合
履歴書をメールで送付するよう指定されるケースも最近増えています。その場合によくあるのが、以下の2つの方式です。
- 手書きした履歴書をスキャンしてPDFファイルとして保存し、メールに添付
- Wordなどの文書作成ソフトで履歴書を作成し、PDFファイルとして保存しメールに添付
PC環境によって表示が崩れることを避けるため、PDFファイルを添付するようにしましょう。メールの文面には、応募したいという旨と履歴書を添付した旨を簡潔に書けば大丈夫です。
以下に例文を用意していますので参考にしてください。
- 履歴書を送付するメール例文
【件名】応募書類ご提出の件/履歴書添付(氏名)
【本文】
株式会社〇〇
採用ご担当者様
お世話になっております。
○○(氏名)と申します。
ご依頼いただいた履歴書を添付しております。
ご査収の程、よろしくお願い申し上げます。
また添付ファイルにはパスワードを設定しております。
後ほど、パスワードをお送りだせていただきますのでご確認いただけますでしょうか。
お忙しいところ大変恐縮ですが、面接の機会をいただけますと幸いです。
何卒、宜しくお願い申し上げます。
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(氏名)
(郵便番号)
(住所)
(電話番号)
(メールアドレス)
———————
- パスワードを記載するメール例文
【件名】応募書類ご提出の件/パスワード(氏名)
【本文】
株式会社〇〇
採用ご担当者様
お世話になっております。
先程、履歴書をお送りさせていただいた○○(氏名)です。
添付ファイルに設定したパスワードをお送りいたします。
パスワード:○△○△
お手数をおかけいたしますが、
ご確認ご検討の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
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(氏名)
(郵便番号)
(住所)
(電話番号)
(メールアドレス)
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履歴書などの必要書類をメールで企業に提出するケースが増えています。履歴書送付メールの作り方などを具体的に解説していますのでこちらの「履歴書をメールで送る時の作り方やパスワード設定などのルールについて」も参考にしてください。スマホで送信しても良いのか、セキュリティ対策はどうしたら良いかなどの疑問にもお答えしています。
まとめ
履歴書を郵送する時のマナーについて解説してきましたが、守らなければならないルールやビジネスマナーが多く、面倒だと感じた方も多いかもしれません。しかし、1つ1つのマナーを守ることが結果として好印象として伝わります。ルールやマナーをきちんと守って初めて書類をしっかり見てもらえ、スタート地点に立てると思って準備しましょう。無事に面接に進んで採用を勝ち取るためにも、郵送するだけだからと軽視せず、気を抜かず作成するようにしてください。
最後のチェックポイント
- 住所、宛名の記載マナーを守って会社名は正式名称で記入
- 記載されている日付は統一させる
- 提出書類はクリアファイルに入れる
- 「応募書類在中」「◯◯職応募書類在中」は赤字で書く
- 切手の料金に不足がないか確認(郵便局の窓口発送が確実)
- 郵送報告メールを送る