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QAエンジニアの仕事内容とは?年収や必要資格を解説

date2024年07月03日
QAエンジニアの仕事内容とは?年収や必要資格を解説
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はじめに

近年、システムやソフトウェアの品質を保証するQAエンジニアという職種が注目されています。この記事では、QAエンジニアが注目される背景や具体的な仕事内容、年収や必要資格、将来性や転職のポイントなどを紹介します。

QAエンジニアとは

QAとはQuality Assurance(品質保証)の頭文字です。QAエンジニアとは文字通り、システムやソフトウェアの品質管理業務を通じて、品質を保証するエンジニアです。品質管理のエキスパートとして開発プロセス全体に関わりながら、製品のレビューやテストを行うことで、不具合を発見して修正します。またユーザーの目線に合わせた改善を提案することで、使いやすく安全な製品を提供する役割も持っています。

QAエンジニアが注目される背景

近年のIT産業は急速に拡大しており、多種多様なサービスやシステムが開発され、そのリリースするまでの期間も短くなりました。つまり、品質を維持しながら安全かつ迅速なリリースが求められるため、これを担当するQAエンジニアの必要性が高くなりました。また、この職種はエンジニアリングスキルのみならず、ビジネススキルも重要です。そのため多くの企業では、志望者が持つ多様な経験にも着目してQAエンジニアを求めています。

QAエンジニアの仕事と役割

QAエンジニアは品質管理を通じて品質を保証するエンジニアであると説明しましたが、それは具体的にどのような仕事なのでしょうか? ここでは具体的なQAエンジニアの業務内容と役割について触れて行きます。

QAエンジニアの業務内容

QAエンジニアの主な業務は、テストの計画策定や自動化の開発、静的・動的なテスト実施や結果の分析と報告、修正の提案や作業の支援などです。また、ビジネス要件や技術仕様に基づいて、ソフトウェアの品質を維持・向上するために、要件定義や設計の段階から開発チームとの連携を図ることも必要です。最近では高い品質のソフトウェア開発が求められるため、QAエンジニアの役割はいっそう重要なものとなっています。

QAエンジニアとテストエンジニアとの違い

QAエンジニアは、システムやソフトウェアの開発においてテストの設計や実施だけでなく、品質改善にも貢献し、品質を保証の責任を担います。これに対してテストエンジニア(テスター)は、システムが仕様書の通りに動作し、バグやエラーなどの問題点がないか、検証を行う職種です。双方の仕事内容は似た点も多いため、その役割を正確に分担していない企業もあります。

QAエンジニアに向いている人

QAエンジニアは品質管理を通じてリリースされる製品の品質を保証することが仕事です。この品質を生み出すための、さまざまな品質管理業務に向いている人の特徴を下記の表にまとめました。

向いている人の特徴理由
細かい作業が好きQAエンジニアの仕事には多くのテストがあるため、不具合を見落とさないよう、細かい作業を飽きずに続けられる人に向いています。
集中力がある納期の迫るプレッシャーの中でも集中力を保てる特徴は、QAエンジニアとしても有利なものです。
すぐに調べられるQAエンジニアは幅広い知識が求められるため、常に学習やリサーチが必要になります。また法律の改正や新しい技術などの学び直しも必要です。
マルチタスクが得意QAエンジニアは品質管理を通じて多くのタスクを扱うためマルチタスクが得意な人に向いています。
ユーザー目線に立てるユーザーの使いやすさを考えられる目線は、高品質なユーザビリティにつながります。
論理的思考力がある人テスト方法の説明や品質改善の提案など、QAエンジニアには報告や説明しなければならない情報も多いため、論理的な思考力も重要な要素です。
コミュニケーションが好きQAエンジニアは、開発者やクライアント、テストメンバーとの報告・連絡・相談も行うため、コミュニケーション能力が必要な場面もあります。

必要な知識・スキル・資格について

QAエンジニアには具体的に、どのような能力が求められるのでしょうか? ここではQAエンジニアについて3点、必要な知識、スキル、資格に分けて以下の項目で解説します。

QAエンジニアに必要な知識

QAエンジニアは幅広い知識を求められますが、特に以下の分野に関する知識が必要になります。その内容と理由を以下の表にまとめました。

必要な知識理由
テスト技法QAエンジニアはテストの計画策定や自動化、実施や結果の分析、報告や修正の提案を行います。テスト計画は開発内容に応じた判断が必要なためテスト技法に関する幅広い知識が必要になります。
ソフトウェア開発QAエンジニアは開発エンジニアやプログラマーとともに働きます。テスト結果の報告や改善提案を行うためシステムやソフトウェアに関する知識や開発経験が必要です。
品質マネジメントQAエンジニアの品質管理は品質保証に直結しています。各工程のプロセス理解のためにも品質管理のルールを体系化した品質マネジメントの知識が必要です。また国際規格であるISOの知識が必要な現場もあります。

QAエンジニアに必要なスキル

QAエンジニアは技術の面でも、さまざまなスキルが必要になりますが、特に以下の分野のスキルが重要です。その内容と理由を以下の表にまとめました。

必要なスキル理由
プログラミングスキルQAエンジニアは動的テストだけでなく、静的テストや仕様の読み解きも行うため言語の理解力も必要です。またテストケースを作るプログラミング能力や自動化ツールの開発経験があるとさらに有利です。
マネジメントスキルQAエンジニアは品質マネジメントだけでなく、工程管理や納期の調整、スタッフ管理なども必要となるため人材的なマネジメント能力も求められます。
コミュニケーションスキルQAエンジニアは仕様の確認やテスト結果の報告などエンジニアやスタッフと話す場面が多々あります。プロジェクトを円滑に運ぶためにもコミュニケーションスキルは重要な要素です。

あると仕事の役に立つ資格

QAエンジニアに必須の業界資格はありませんが、この分野で役に立つ知識やスキルは資格を通じて得られます。これを以下の表にまとめました。

役に立つ資格理由
ソフトウェア品質技術者資格認定 (JCSQE)一般財団法人日本科学技術連盟が認定する資格制度で初級と中級があり、上級は今後設置の予定です。ソフトウェアの品質向上と技術の習得のため、品質の基礎知識、テスト技法、レビュー技法などが問われます。
認定テスト技術者資格(JSTQB)JSTQB(日本におけるソフトウェアテスト技術者資格認定の運営組織)認定の国際的な資格です。Foundation Level、Advanced Levelの2つのレベルがあり、レビュー評価やソフトウェアテストなどの知識が問われます。
IT検証技術者認定試験(IVEC)一般社団法人IT検証産業協会(IVIA)の認定資格です。テスト現場の実務を重視した判断力が問われます。試験には知識と実務の分野があり、7つのレベルに分かれています。
QC検定日本規格協会(JSA)が認定する品質保証の資格として5つのレベルが存在します。ソフトウェアに限らないものづくり全般の資格として、品質管理の実践と管理手法についてのスキルが問われます。
TOEIC/TOEFLQAエンジニアとしても英語力があれば英語圏の製品にも対応でき、ITや品質保証に関する情報を海外からも得られます。外資系企業への就職や海外での活躍の機会も期待できます。

QAエンジニアの年収について

QAエンジニアの年収は業界や経験年数、資格の有無やステップアップなどで変わりますが、ボリュームゾーンの平均年収としては400万円~600万円程度です。QAエンジニアは特定の言語や技術に限らず、総合的な知識やスキルが必要になるため、高い年収を目指せる職種であると言えます。ただし企業内の業務難易度やポジションによっては、これより下の場合も上の場合もありますので、求人情報はよく見極めてください。

将来性やキャリアパスについて

品質保証に欠かせないQAエンジニアですが、その今後はどうなっていくのでしょうか? ここではQAエンジニアの今後を3点、将来性、キャリアパス、転職時のポイントに分けて触れて行きます。

QAエンジニアの将来性

品質管理業務を通じて品質を保証するQAエンジニアの仕事は、どの業界においても重要な仕事ですので、QAエンジニアは今後も国内外で需要が高まるでしょう。ただしテストの自動化もいっそう進むと考えられます。今後は自動化されたシステムでは対応できない部分をカバーできるよう、AIやIoTをはじめとした最新技術の実務経験や資格取得などで、キャリアパスも意識した幅広い知識とスキルを身に付けて行くことが大切です。

QAエンジニアのキャリアパス

QAエンジニアのキャリアパスについては、どのようなものがあるのでしょうか? QAエンジニアの今後の職種について、説明とともに以下の表にまとめました。

キャリアパス内容
シニアQAエンジニアQAエンジニアの上位職であり、チームを先導するリーダーがシニアQAエンジニアです。テストの計画や設計の知識はもちろん、マネジメントに関わるスキルも必要になります。
QAマネージャーシニアQAエンジニアの上位職がQAマネージャーです。テストの戦略やフローの構築、改善など、業務全般をまとめる存在です。折衝やチーム管理も任されるためヒューマンスキルも必要になります。
QAコンサルタントQAコンサルタントは専門の企業やサービス部門などで、品質保証のコンサルタントとしてクライアントの課題解決に最適な提案をする職種です。
テストアナリストテストアナリストは製品に必要なテストの定義や計画、ケースなどを分析し、必要に応じて提案やアドバイスなどを行う職種です。テストに関する詳細な知識やスキルが必要になります。

セラクでは品質保証をコンサルティングする「品質保証サービス」を提供しています。提供形態はアレンジ可能なため、柔軟かつ迅速に課題を解決に導くサービスです。これを機にぜひ導入を検討してください。

参考:株式会社セラク|品質保証サービス

転職時のポイント

QAエンジニアは品質保証の責任を求められる重要な職種ですので、人材ニーズも期待できます。転職であれば、志望先の将来性や商品力を確認し、自分が持つスキルセットを踏まえて、面接でのアピールポイントを準備しましょう。新規であれば、未経験からの挑戦は簡単とは言えませんが、言語の学習や資格取得を通じて熱意やスキルを証明できます。また志望先と業務の難易度をよく確認し、未経験可の求人を探すことも大切です。

セラクでは、未経験でも熱意のある方に向けて「ゼロからプロに」を実現する独自の採用プロセスを用意しています。これをきっかけにIT業界への挑戦先として、ぜひセラクを検討してください。

参考:株式会社セラク|ゼロからプロにITエンジニア積極採用中!

まとめ

QAエンジニアは品質管理業務を通じて品質を保証するために欠かせない職種です。それだけにやりがいも責任もある重要な仕事です。業務ではソフトウェアの開発経験やテストに関する知識だけでなく、スキルやコミュニケーションも求められますが、決まった業界資格があるわけではありません。今後はテストの自動化も進むと考えられるため、最新技術に対応した知識やスキルを身に付けることも重要です。

今後も技術の発展とともに製品に求められる品質は変化し、品質管理の仕事も変わって行きます。これに対応し続けるQAエンジニアは、成果物と仕事のいずれにおいても品質を生み出す存在として、まさに品質の要となる活躍が求められて行くでしょう。

最後のチェックポイント

  • QAエンジニアの仕事は品質管理を通じた品質の保証
  • テスト技法以外にもさまざまな知識やスキルが求められる
  • 将来性やキャリアパスもあり就職や転職の人材ニーズも期待できる
  • 責任ある重要な仕事だが企業によっては未経験から挑戦可能な道もある
  • 今後は自動化で対応できない部分への知識やスキルを身に付けることが重要
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