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リカレント教育とは?知識をアップデートさせる学び直し!

date2023年05月09日
リカレント教育とは?知識をアップデートさせる学び直し!
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はじめに

リカレント教育をご存知でしょうか? 知識を常に最新版にアップデートする学び直しと就労をサイクルのように繰り返すことを指します。そのメリットや課題は何かを徹底的に解説します。また、国の補助金制度や、リカレント教育で何を学んだらいいのか分からない方のために、英語の学び直しを例に詳しく解説します。技術革新の中、急速な時代の変化の波に乗り遅れないよう共に学んで参りましょう。

リカレント教育とは

リカレント教育とは

リカレント教育とは、学校教育を終えて就労しているビジネスパーソンに向けて提唱された概念です。具体的には、フルタイムの就労と就学を繰り返すサイクルを指します。ただし日本では、働きながらの学び直しも指します。ITなどの急速な技術革新に伴い、今までの常識だけでは通用しない時代に突入しました。そのため、個人個人においても、常に知識のアップデートを意識しなければなりません。終身雇用の時代は過去のものになりました。自身のスキルアップが次への大きなステップアップにつながるでしょう。

リカレント教育と生涯学習との違い

リカレント教育と生涯学習との違いは、目的とその範囲でしょう。リカレント教育は仕事に必要なスキルを獲得するために学習するものです。それに対して生涯学習はスポーツ・ボランティア・趣味など仕事と関係のないスキルまで磨き、生きがいを得るために学習することを目的としています。いわばリカレント教育より、生涯学習の方が広義の概念であると言えるでしょう。リカレント教育は、生涯学習の1つの形態と言えます。

リカレント教育とリスキリングとの違い

リカレント教育とリスキリングとの違いは、リカレント教育が自発的に教育を受けるのに対して、リスキリングは企業が戦略的に社員に業務上必要なスキルを獲得させることを指します。また、リカレント教育がフルタイムの就労と就学の繰り返しに対して、リスキリングは働きながら学ぶというニュアンスが強いでしょう。さらにリスキリングは転職というよりは、自社のために必要なスキルを自社で補うという側面があります。

リカレント教育のメリット

リカレント教育のメリット

リカレント教育のメリットは、時代の急速な変化に対応し、自身の知識をアップデートできることです。フルタイムの就労・就学を交互に繰り返して、常に知識を最新版にアップデートし、企業の競争力を高めることも可能になるでしょう。また高い給与水準にある職種について学び資格などを取得すれば、収入増になり、モチベーションのアップにもつながります。さらに、キャリアの選択肢も広がるでしょう。

リカレント教育の個人のメリット

リカレント教育の個人のメリットは、仕事上のスキルアップやキャリアアップを目的とした学びと就労を繰り返す結果、より好条件で次の仕事を得られることがあります。たとえば収入が増え、即戦力として活躍できることなどがあげられるでしょう。また、パソコンスキルなどの習得をすることで、テレワークなどの多様な働き方ができるようになります。このように時代の流れに合わせた働き方や職種選びも可能でしょう。

需要のある高給な職種に就ける

昨今のデジタル技術の急速な普及と発展のため、IT業界が広がりを見せています。とくにIT系技術職・経営・経営企画・商品開発・営業推進・営業企画・研究・企画・マーケティング・クリエイティブ職などが、需要が高いです。これらの職種への転職には、高度な技術・資格が必要とされますが、給与も高い水準にあります。人材不足も相まって、リカレント教育を受ければ、これらの業種に必要な資格の勉強もできるでしょう。

AIに置き換わる業務から脱却できる

リカレント教育を受けることで、将来機械化できない業務に携われるようになれる選択肢が増えます。AIは、創造性のある業務・コミュニケーションを必要とする業務・マニュアル化できない想定外のことが起こり得る業務などには、向いていません。これらAIが苦手な業務に関する資格を勉強し、取得することで、将来的に業務が無くなる心配をしなくてすむ可能性があります。AIと競争でなく、共存できる職種の勉強をすることで、これからの時代を勝ち残れるかもしれません。

職場で即戦力になれる

リカレント教育を受けると、職場で即戦力として働けるようになります。企業は即戦力の人材を、必要なスキルの有無・目標の有無・向上心の有無で見分けています。とくに就業先での必要なスキルは、働くうえで重要でしょう。また、リカレント教育などで培う学び直す習慣は、企業に向上心をアピールすることにつながりやすいです。さらに、学びがあれば、必然的に目標をもつことにもつながりやすいでしょう。

職務経歴にブランクがあっても就職・復職しやすい

以前行っていた業務でも、ブランク中に仕事内容がアップデートしている可能性があります。また就職氷河期世代のように働きたくても働けなかったブランクがあっても、リカレント教育を受けることで、第二新卒のような形で就職を勝ち取ることもあり得るでしょう。リカレント教育を受けて、○○の資格を取得できましたなどのアピール材料が増えて、就職・転職活動をスムーズに進められます。

キャリアの選択肢が広がる

リカレント教育を受けることで、幅広い知識を取得できます。企業が倒産した時や、新たな分野の職種を探す時に、有利に働くでしょう。汎用性の高いスキルを身につけて、どの業界に行っても使えるスキルの取得が一つのおススメです。終身雇用でなくなった現在、個人で先々のことを見据えて、積極的にリカレント教育を受けるといいでしょう。自分のキャリアは、自分で守り築く時代に入っていると言えるかもしれません。

リカレント教育の企業のメリット

リカレント教育の企業のメリットは、業務を効率化できたり、生産性が高まったりすることでしょう。また、複数のスキルを身につけた人材が社内にいることによって、人員の配置転換などにより人手不足を解消できる可能性が広がります。常にリカレント教育を受けた人を社内に取り込むことによって、新しい価値観を社内に持ち込め、企業は活性化するでしょう。それによって、企業間の競争力も高まります。

リカレント教育で企業ができること

リカレント教育で企業ができること

リカレント教育で企業ができることは、費用対効果が出るまで、辛抱強く待つことでしょう。リカレント教育に対して懐疑的になり、従業員への学費のサポートや長期教育休暇制度の整備をためらってしまうと、リカレント教育の恩恵を受けることは難しくなります。お金の問題と時間の問題は、個人で解決するには限界があるため、企業のサポート体制は重要になってくるでしょう。また、新人への教育より、既存の社員を再教育したほうが効率良く、リスクも軽減できるメリットもあります。

従業員への学費サポートが必要

時間の捻出とともに課題なのが、従業員への学費サポートの問題でしょう。リカレント教育は、目に見える形で成果が現れるまでに時間を要します。しかし後々大きな成果が現れることを考えて、従業員への学費サポートは大きな先行投資と考えてみてはいかがでしょうか。いかに人材を確保するかを考えた時、リカレント教育のメリットは企業にも将来的に大きいはずです。目先の利益にこだわらず、長い目で見て判断しましょう。

労働環境整備が必要

従業員がリカレント教育を受けられる時間を確保できるように、制度を整える必要があります。時短勤務・フレックスタイム制度・就業時間内での学習や、長期教育休暇制度などの労働環境の整備が大切でしょう。なかでも長期教育休暇制度のように、欧米などのような本来のリカレント教育の在り方を体現している企業は、日本ではまだ希少です。もしかしたらこれは、企業の努力だけではなく、国をあげての労働環境整備が必要なのかもしれません。

リカレント教育の課題点

リカレント教育の課題点

リカレント教育における課題点は、まず周囲の理解が得られにくいことがあげられるでしょう。そもそも日本では、長期休暇制度が充実している企業はまれです。また、採用の際は、実務経験で培ったスキルが優遇されます。さらに、個人だけでは、金銭面の負担も小さくないでしょう。なおリカレント教育を受けられる教育機関は増えていますが、カリキュラムの選択肢の幅は、まだ広いとは言えないなどの課題点もあるようです。

リカレント教育の個人の課題点

リカレント教育における個人の課題点は、まず自身のキャリア形成を考えて、何を学ぶか目的をはっきりさせることです。目的が明確になったら、家族や職場の理解を得なければなりません。また、育児や介護などをしなければならない家庭環境の場合は、時間の捻出も大変です。さらに、リカレント教育を受けたからといって、実務経験で勝る人に勝てるだけの付加価値がなくては競争に勝つことは難しくなるでしょう。

以下の画像は従来型の人生モデルとリカレント教育を取り入れた人生モデルのイメージです。これを踏まえて、学び直しで生じる課題を見ていきましょう。

従来型の人生モデルとリカレント教育を取り入れた人生モデルのイメージ

フルタイムの長期学習への周囲の理解を得られにくい

大学への再入学などをすれば、長期的に休職をしなくてはならないこともあるでしょう。その場合、職場や家族の理解が必要になります。しかし日本の企業で、長期教育休暇制度を実施している企業は、まだ希少でしょう。このように長期的な勉強時間の確保と、金銭的負担の心配が出てきます。この場合、まだまれですが、積極的にリカレント教育を推進している企業に転職することが望ましいでしょう。

学んだことへの正当な評価が得られにくい

新卒採用と違い、中途採用の場合、日本の企業は実務経験を重要視しています。リカレント教育で得た知識を付加価値にしなくては、他の求職者と差をつけられません。資格必須の仕事の資格を取得しながら、前職の実務経験を活かせるよう、計画的にリカレント教育を受ける必要があるでしょう。必ずしも資格だけあれば、スムーズに再就職を勝ち取れるとは限りません。リカレント教育をプラス要素にして、付加価値をつけましょう。

何を学ぶか選択が難しい

復職後のキャリア形成を長期的に考えて、何を学ぶか目的を明確にしなければ、せっかく学んだことが無駄になってしまうことがあるでしょう。リカレント教育は手段です。目的は自身で考えなくてはなりません。英語を学ぶとしたら、何のために英語を学ぶかまで考えることが望ましいです。英語を使わない仕事を復職後に選べば、せっかく学んだことが後々に生きてきません。復職後の具体的な職種のイメージを持ちながら、勉強するといいでしょう。

リカレント教育と補助金

リカレント教育と補助金

リカレント教育における国からの補助金制度は、企業向けのものと、個人向けのものがあります。元来企業の人材育成は、企業内の研修制度などで行ってきました。しかしその人材育成費が経費削減対象となりつつあります。企業も個人もリカレント教育に出せる金額には限りがあるでしょう。そこで国の補助金制度を紹介します。

人材開発支援助成金制度

人材開発支援助成金制度は、企業向けの補助金制度です。主に従業員のキャリアライフの全期間において、段階的かつ体系的な職業スキルの習得を促進するものです。企業が雇用する従業員に対して、職務に関連した専門知識やスキルを習得させるための職業訓練などを計画的に実施した場合や、人材育成制度を従業員に適用した際に経費を一部助成する制度です。下記が厚生労働省の人材開発支援助成金制度に関するページです。参考になれば幸いです。

参考:厚生労働省|人材開発支援助成金

教育訓練給付制度

教育訓練給付制度は、雇用保険のある企業で1年以上働いた社会人向けの補助金です。ただし2回目の利用の際は、3年以上の勤続が必須になります。国の指定する対象講座を修了すると、自ら負担した受講費用の20%~70%の支給が受けられます。

求職者支援制度

求職者支援制度は、フリーターなどの非正規雇用の方・無職の方・主婦の方など、雇用保険を受給できない求職者向けの補助金です。一定条件のもと、月額10万円の支給を受けながら、訓練を受けられます。詳しくは下記の厚生労働省の「ハロートレーニング」をご覧ください。

参考:厚生労働省|ハロートレーニング

リカレント教育で英語を学ぶメリット

リカレント教育で英語を学ぶメリット

リカレント教育を受ける一例として英語を学ぶメリットは、転職に有利になったり、昇給・昇進に役立ったりするところです。たとえ現在海外との取引がなかった企業でも、インターネット広告などの効果により、海外から自社の製品を注文したいという案件が入ることも考えられるでしょう。その時英語スキルがあれば、大いに役立ちます。

転職に有利

実際に業務で英語を使わない企業でも、海外から発注の連絡があった時、英語スキルがあると重宝されるでしょう。他に英語スキルがある人が社内にいなければ、それは唯一無二のスキルになります。オンリーワンの人材になれるでしょう。

昇進・昇給に役立つ

英語スキルがあると、こなせる職種の幅が広がり、昇進・昇給にもつながるでしょう。社内規定で、ある程度の英語スキルが必要な企業もあります。海外におけるビジネスチャンスをつかみ、自身の英語スキルで成果を残せれば、高評価を得られるかもしれません。

海外での就業ができる可能性が出てくる

英語ができると、部署によっては海外出張を任されたりすることもあるでしょう。また、さまざまな要因から国外で働きたいと考えている人がいても不思議ではありません。そのために外資系企業を選択するとなると、英語力が必須になるでしょう。

リカレント教育で英語を学ぶデメリット

リカレント教育で英語を学ぶデメリット

リカレント教育で英語を学ぶデメリットは、主に2点あります。1点目は英語に限らず、語学の習得には時間を要することがあげられます。2点目は、将来的にAIの進歩により、Google翻訳がより音声翻訳にも対応できる可能性があることを否定できないことです。どの業界も職種もいずれAIに切り替わる分野は出てくるでしょう。しかしそれはまだ先のことです。今しばらくは英語をリカレント教育で勉強するメリットはあるでしょう。

まとめ

リカレント教育とは本来、学校を卒業した社会人が仕事のスキルをアップデートするために、就学と就労をフルタイムで繰り返すサイクルの教育を指します。目的は企業においては、競合他社との競争を優位に進めるためにあると言えます。個人においては、新しい知識を身に付けて時代の急速な変化に対応し、就労に役立てることも可能です。教育訓練給付制度や求職者支援制度を積極的に活用し、学び直しを深めてみてはいかがでしょうか。

最後のチェックポイント

  • 本来のリカレント教育とは、社会人のフルタイムの就学と就労の繰り返し。
  • リカレント教育を受けることで、選べる職種の幅が広がる。
  • リカレント教育によって、業務の効率化や生産性アップにつながる。
  • リカレント教育の課題点は、費用の負担と時間の捻出。
  • リカレント教育への国の補助金制度は、企業向けと個人向けのものがある。
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