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即戦力とは？必要なスキルを紹介｜転職活動で使える例文付き

2023年04月18日

はじめに

日本人の労働環境は変化の時を迎えています。長らく続いた終身雇用制度は崩れ、雇用の流動化が進んでいます。転職や中途採用が当たり前になったこの時代、企業が求める人物像とはどのようなものなのでしょうか。そして、企業のニーズに応えるためにできることとは何なのでしょうか。

即戦力とは

今、転職市場や中途採用の場で求められているのは即戦力です。企業は即戦力になるかどうかという視点で転職希望者を見ています。即戦力の意味や定義は企業によって異なりますが、共通する部分もあります。即戦力とはどのような人のことを指すのか、次に見ていきましょう。

どういう人を即戦力と呼ぶか

教育や研修をしなくてもすぐに仕事ができ、結果が出せる人材を一般的に即戦力と呼びます。採用されてすぐに業務をおこなうスキルや経験があり、新しい職場への適応力もある人です。企業はそのような人材を採用するために、高待遇で迎え入れようとしている場合も珍しくありません。即戦力として採用してもらうためには、自分のスキルや経験をしっかりと伝えることが重要です。

なぜ企業は即戦力を求めるのか

なぜ即戦力が求められるのでしょうか。第一に挙げられるのは、企業間の競争が激化するなかで、教育や研修にかかるコストを削減したいという企業の考えです。また、人手不足も背景にあります。人手は欲しいけれど誰でもいいわけではない、すぐに第一線で活躍してくれる人材が不足しているというのが企業の本音です。外資系やIT業界など、年功序列ではなく成果主義で評価する企業ほどその傾向は強いでしょう。

企業が即戦力を求める背景にはジョブ型雇用の浸透もあります。ジョブ型雇用についてくわしくはこちらの記事、ジョブ型雇用とは？これで理解できる！特徴・メリット・デメリット・メンバーシップ型雇用との違いを参考にしてください。

即戦力になるには

転職市場を勝ち抜くため、企業が求める即戦力になるにはいったいどうしたらいいのでしょうか。採用時に即戦力であるとみなされるビジネススキルには2種類があります。テクニカルスキルとポータブルスキルです。即戦力を身につけるためにも、それぞれ何を指しているのかを具体的に見ていきましょう。

テクニカルスキルとは

テクニカルスキルとは、専門的で高度な知識や技術、経験、実績のことをいいます。特定の分野で役に立つ知識や技術、何年もかけて培われた経験や実績です。長期にわたるトレーニングを必要とし、簡単には身につけることが難しいスキルです。専門度が高く、それを身につけた人材は希少性が高いといえるでしょう。

ポータブルスキルとは

専門性の高いテクニカルスキルに対し、ポータブルスキルとはあらゆる職場で使える、汎用性のあるスキルのことをいいます。具体的にはコミュニケーション能力や企画力、マネジメント能力などを指します。業種や職種、時代に左右されないのが特徴です。最近は採用する人材に多様な能力が求められる傾向があり、テクニカルスキルだけでなくポータブルスキルを重要視する企業が増えています。

自分のポータブルスキルがどれくらいかを知りたい方には、ポータブルスキルを診断できるツールがあります。以下のサイトで調べてみるのもよいでしょう。
参考：厚生労働省｜ポータブルスキル見える化ツール

即戦力になるのに役立つ資格

資格を持っていればどれくらいのテクニカルスキルがあるのかわかりやすいので、資格を取得しておくのはオススメです。資格ならなんでもいいわけではなく、難易度の高い資格を持っていることが即戦力の条件になります。難易度の目安としては合格率が20～30％以下のものがいいでしょう。たとえばファイナンシャルプランナーなら2級以上を持っていれば即戦力としてのアピールになります。

資格や経験以外に企業が重要視するところ

いくら専門的で高度なスキルを持っている人でも、自分のこれまでのやり方に固執して変えなかったり、周りの人たちとなじめなかったりすると仕事はうまく回りません。考え方が柔軟で新しい情報などに意欲的かどうか、新しい職場の雰囲気や文化になじめるかといった面も企業は重要視しています。自分のやり方に固執せず、柔軟性を失わないことも大切です。就職活動では気を付けたい要素といえるでしょう。

即戦力アピールで転職活動を有利に進めよう

せっかく豊富なスキルを持っていても、うまく相手に伝わらないと損をしてしまいます。応募先企業が何を求めているのかをよく調べて、上手にアピールしましょう。また、テクニカルスキルとポータブルスキルの両方を盛り込むことを忘れないようにしましょう。

書類選考ではこう書く（例文付き）

これまでの経験をすべて同じように並べてしまうと、どこがアピールポイントなのかわかりづらくなってしまいます。自分の経験の中から応募先企業の業務に関係ある実績を抜き出しましょう。そして過去の成果を数字で示し、アピールするのがポイントです。

自己PR例文（営業）

顧客企業へのルート営業を、入社後5年間で常時約6社、累計18社担当しておりました。顧客環境下での納入済みシステムの活用をサポートし、顧客企業への訪問とヒアリングを丁寧におこなった結果、担当企業からの信頼を得て継続受注率93％を達成しました。
6年目以降は〇〇営業所にて新規顧客の開拓に取り組み、それまで取引のなかった業種の企業を含む9件の新規契約を獲得し売上50％増に寄与することができました。
営業で培ったコミュニケーション能力を今後さらに伸ばしていきたいと考えています。

自己PR例文（Webマーケター）

複数のWeb媒体運用経験があり、各メディアの特性を活かしたWebマーケティングが得意分野です。フレームワークを活用し市場調査、顧客の需要分析、自社の強みをかけ合わせてマーケティング戦略を策定。よりユーザに刺さるコンテンツへと改善できるよう日々最適化に取り組んでいます。
株式会社〇〇ではECサイトの売上前年比20％アップに成功。また、△△株式会社ではリスティング広告・SNS広告で対前年比クリック率35％増、問合せ数19％増を達成しました。
新しい媒体やマーケティングツールに積極的に挑戦する姿勢を評価されています。また、現在10人のチームを率いて業務をおこなっており、マネジメント能力も自分の強みだと感じています。

転職を考えている方にオススメの、職務経歴書の書き方の例が豊富なこちらの記事、職務経歴書の書き方｜職種別の見本とテンプレートダウンロードもぜひ参考にしてみてください。

面接ではこう答える（例文付き）

具体的なエピソードを交えてスキルや経験を説明しましょう。求められているスキルを見極めて、合っているものをアピールしましょう。

自己PR例文（事務職）

業務の効率化をはかり、改善策を提案できるところが自身の強みだと感じています。前職では業務全体を見直し、業務フローを改善したことで、月10時間の残業時間削減につながり、着目点や発想力を評価されました。
また、現在勤めている株式会社〇〇では業務マニュアルを最新版に整備したことで発注ミスを80％軽減でき、業務効率化へと貢献できたと自負しております。
御社に採用いただけた際には、持ち前の問題解決能力を活かしつつ、正確かつ迅速に事務処理を進められるよう、自身の経験を最大限に活用したいと考えております。

自己PR例文（アパレル）

海外インポートブランドのバイヤー業に携わって10年になります。年に2回はヨーロッパに渡って紳士服の買い付けをおこなっています。TOEICは850点で通訳は必要ありません。昨年度の売上は前年比30％増を達成しました。現場の販売員との密接なコミュニケーションが予算達成の秘けつです。語学にさらに磨きをかけたいと思い、現在中国語も勉強しております。
もし御社に入社できましたら、世界各国を回りより広い視野でマーチャンダイジングをおこない御社の成長に寄与したいと存じます。

面接で30代以上や経験者の場合、どのような質問をされることが多いか、どのように回答すべきかについてはこちらの記事、30代以上・経験者採用でよくある質問と回答例を参考にしてみてください。

未経験や20代でも即戦力になれる？

企業が未経験や20代に求めるものと、経験者や30代以上に求めるものは違います。無理に実績をアピールしようとせず、20代ならではの特性や可能性を強調しましょう。

若さと柔軟性をアピールしよう

長年の経験を積んできた人は、新しい職場や新しいやり方に適応するのに時間がかかる場合があります。未経験や20代に期待されるのは、どのような職場にもすぐになじめる柔軟性と適応能力の高さです。また、若さはそれ自体が可能性の宝庫なのですから、どのようなことにも意欲的に取り組む姿勢をアピールしましょう。

ポータブルスキルをアピールしよう

前述のとおり、ポータブルスキルとはすべての仕事で活かせる汎用性の高いスキルのことです。高い知識と専門性の必要なテクニカルスキルでは経験者にはかないません。未経験や20代はポータブルスキルの高さで勝負しましょう。具体的にはコミュニケーション能力や対応力、情報収集能力などがあります。未経験や20代でも前職で経験した社会人としてのポータブルスキルがあれば積極的にアピールしましょう。

学生時代の経験をアピールしよう

社会人になってからの経験だけでは自己PRの材料として物足りないと感じる場合は、学生時代の経験をアピールするのもいいでしょう。部活で部長を任されリーダーシップを発揮した、接客のアルバイトでコミュニケーション能力を褒められたなど、仕事をするうえで活かせる経験があれば強みになります。

まとめ

転職の際、即戦力を求められることの多い昨今ですが、立派な資格や経験があればそれでいいというわけではないようです。コミュニケーション能力やマネジメント能力、そして柔軟性といった汎用性のあるスキルも即戦力の重要な要素です。転職活動をするときは、培ってきた経験だけでなく、新しいことに意欲的に取り組む姿勢を見せることも忘れないようにしましょう。