メディアリテラシーとは?意味から身につける方法まで解説
はじめに
- メディアリテラシーは情報を読み解き活用してコミュニケーションに活かす能力
- 情報リテラシーはメディアリテラシーも含む広い概念
- メディアリテラシーの向上で情報にまつわるトラブルを予防できる
- メディアリテラシーを高めるには読解力と発信力の向上が鍵になる
- 増え続ける情報に対応するためメディアリテラシーも更新し続ける必要がある
社会の情報化が進んだ現代において、いっそう重要性が増したメディアリテラシーは、身につけておかなければ思わぬ危険を招く可能性があります。本記事を通じて、ぜひメディアリテラシーの重要性と高め方を知っておきましょう。
メディアリテラシーの意味
メディアリテラシーとは、情報をもたらすメディアと、読み書きを意味するリテラシーが組み合わされた言葉です。これを簡単に解説するとメディアから得た情報を見極め、アクセスして活用し、コミュニケーションに応用する3つの能力を複合的に持ったスキルです。それぞれを以下で解説します。
メディアを読み解く能力
メディアとは新聞・雑誌・テレビ・ラジオの4大マスメディアに、近年ではオンラインメディアを加えた、5大メディアをはじめとする情報伝達の手段を指します。メディアを読み解く能力とは、これら多くの情報を自分の意志をもって捉え、理解する力を指します。
メディアを活用する能力
メディアを活用する能力とは、自分の意志で情報にアクセスし、発信者の意志や情報の真偽を確かめ、比較や分析に応用する力です。メディアを活用する能力は読み解く力と、コミュニケーションする力とも密接に関わっています。
メディアを通じてコミュニケーションする能力
メディアのうちオンラインメディアは、誰もが情報を発信し、コミュニケーションができる特徴から、双方向メディア(インタラクティブメディア)とも呼ばれています。メディアを通じてコミュニケーションする能力とは、双方向的に情報や意見を交換する力です。
情報リテラシーとメディアリテラシーの違い
情報リテラシーはメディアの発した情報も含むすべての情報をカバーする概念です。情報リテラシーの中にメディアリテラシーが含まれると、理解しておくとよいでしょう。
情報化社会が発達した要因のひとつとして、こちらの記事、IoTとは?なにかを分かりやすく解説で、IoT機器の普及について解説しています。IoT機器と一口に言ってもさまざまな技術が存在するため、ご一読をオススメします。
メディアリテラシーの必要性
高度な情報化社会となった現代において、メディアがもたらす情報は個人・組織に関係なく、多種多様なリスクが存在します。その対処のためにもメディアリテラシーが必要であり、最新情報への更新も重要です。以下にメディアリテラシーの必要性と重要である意味を3つ解説します。
誤情報への対応能力
メディアからは膨大な量の情報が発信されています。それだけに、メディアの情報は必ずしも正しい情報だけとは限りません。特にオンラインメディアは誰もが情報を発信できるため、情報の誤りがより多く存在するメディアです。拡散する前の事実確認や複数のメディアを比較するなど、情報の受け手として十分なメディアリテラシーがあれば、自分だけでなく周囲の人も、誤った情報から守れます。
印象操作への対応能力
情報があふれる現代では、情報に振り回されてしまうリスクも存在します。たとえば「金を1万円で1グラムも買える」と「金を1万円で1グラムしか買えない」という文章があるとしましょう。情報が正しいものでもメディアの切り取り方によっては受け手の印象を真逆にする操作が可能です。このような情報に対応するためにもメディアリテラシーが必要です。
プライバシー情報のトラブルを未然に防ぐ
オンラインメディアでは特にプライバシーの無断発信や誹謗中傷などが問題視されており、訴訟に発展することもあるため、利用者の立場でもプライベートな情報を守る対策が必要です。メディアリテラシーには情報の適切な取り扱いと情報保護の知識も含まれていますので、メディアリテラシーを学び、更新していくことで、トラブルを未然に防げます。
メディアリテラシーを身につける方法
世の中の変化につれてメディアリテラシーはさらに重要性を増し、教育にも取り入れられています。ここではメディアリテラシーを身につけ、高めるための方法について、メディアを通じた情報の読解力と発信力の2つに分けて解説します。
1.情報の読解力を身につける
私たちの周りには膨大な情報があふれ、その中にはフェイクニュースや不正確な情報も含まれています。こうした状況に対応していくためにも、情報の正誤や発信者の意図などを、読み解く能力を高めることが必要です。ここでは情報を読解する力と活用する力を、身につける方法について触れていきます。
1-1 情報の発信元を確かめる
オンラインメディアで誰もが情報を発信できるようになった現代では、情報元が確かでも不正確な情報が混ざることもありえます。メディアの情報に疑わしいものがあったら発信者や情報元を確かめてください。公的な機関が責任をもって発信した情報を確かめることも、正確性を保つためには大切な行為です。
1-2 発信者の意図について考える
購買促進か経済動向かなど、発信者にどのような意図があるのかを考えましょう。また発信者がどのように情報を捉えたのか、先入観や憶測がないかも想像力を働かせましょう。発信者になったつもりで意図を推測することは、メディアリテラシーの向上にもつながります。
1-3 事実と意見は区別して受け取る
事実と意見は区別して受け取りましょう。情報には客観的な事実と個人的な意見が混在することもあります。これらを混同してしまうと情報を受け取った時点で間違いが発生し、誤った情報が広まってしまいます。事実と意見は意識することで発見できる情報です。慣れれば自然と区別できます。
1-4 類似情報は複数比較し見極める
類似情報は複数の情報を比較し、本質を見極めてください。たとえ同じ内容の正しい情報であっても、書く人の数だけ表現が異なり、受け手の印象も違ってきます。偏った意見に寄らないためにも複数の記事や意見を比べて、共通している本質を見抜きましょう。
1-5 反対意見にも目を通して精査する
類似した情報を比較するだけでは、読み取った情報が偏ってしまうこともあります。情報を読み解くためには他の見解にも目を向け、反対意見に目を通して精査することも重要です。また違う方向から情報を確認することで、今までは見逃していたポイントを発見できるかもしれません。
2.情報の発信力を身につける
オンラインメディアも発達した現代では、誰もが情報を発信できるようになり、適切な情報の取り扱いや、説得力ある意見を形成する能力もメディアリテラシーとして求められています。ここでは情報の発信力を身につける方法について触れていきます。
2-1 情報発信のルールやマナーを学習する
情報発信の際には、著作権や肖像権、プライバシーに関する配慮など、ルールやマナーの知識が必要です。それらを知らずに発信すると権利所有者などから訴えられてしまうリスクがあります。誰もが情報を発信できるようになった現代では、トラブルを未然に防ぐためにも、ルールやマナーについての学習が大変重要です。
2-2 読解力を活かして意見を形成する
読解力を背景にメディアの情報を活用して、論じる力に活かしましょう。論じる力というのは、論理的に筋道をたてて意見を形成、主張する能力です。どのような思考を経てその意見に至ったのか、根拠はあるのかを推測・仮定して、意見を形成してください。その後は自分の中にも、そう考えた理由を用意しましょう。
2-3 意見を述べる際には反対意見も想定する
意見を形成し述べる際には反対意見が出ることも想定し、先回りして回答も用意しておきましょう。先回りするというのは「私はこのような経緯で〇〇だと考えます。〇〇という反論もあると思いますが、私は〇〇を理由に〇〇であると考えます」などのように、自分の意見を述べる際に先制して反論も述べる、意見の述べ方です。
この項目では情報発信と意見形成の論理的な思考方法に触れましたが、他にもこちらの記事、クリティカルシンキングとは?基本とトレーニング方法を分かりやすく解説で、より詳細に読み解いています。合わせて参考にしてください。
まとめ
メディアリテラシーとは、メディアから得た情報を見極め、アクセスして活用し、コミュニケーションに応用する複合的なスキルです。本記事では情報化の進んだ現代における必須のスキルとして身につける方法を解説しましたが、その技術や情報を最新のものに更新し続けることも大変重要です。メディアを通じた情報は今後も増え続けます。上手なメディアの活用と危険を予防するためにも、日頃からメディアリテラシーの向上に取り組んでおきましょう。