初心者でもIoT機器は作れる!?必要なスキルや勉強方法【IT就活/転職】
今回の出演者
金融系ITエンジニア
新卒ITエンジニア
IoTエンジニア
ITサプリについて
この記事は動画『ITサプリ』で配信している内容をもとにテキスト配信しています。ITサプリは未経験からIT業界へ転職したい方に向けて情報配信をしているYouTubeチャンネルです。IT業界ではたらく上で役立つ知識を発信していますので動画でもお楽しみください。
じま
今回は『IoTエンジニアになるために必要なスキルや資格』をテーマにゲストのかおりんさんにお越しいただいております。
1.IoTエンジニアとは?
じま
まず簡単に、IoTエンジニアの仕事内容を教えていただけますでしょうか?
かおりん
IoTエンジニアはIoT製品やサービスの開発・保守をするような業務をするエンジニアでございます。
お客様の要望実現に向けたプリセールス(クライアントへ提案する際に、営業に同行し技術面からサポートする職種)のプロトタイプの作成や、現在扱っている機器の不具合などを調査するような業務を行っております。
2.IoTエンジニアになるには?
じま
続いて、IoTエンジニアになるためにはどうすればいいのでしょうか?
かおりん
私は異業種からの転職だったのですが、やはり面接を受けて合格する、という流れが一般的かと思っております。自身で作ったもののエピソードなどを話したところ、そちらを面白がっていただいて採用につながったと考えております。
じま
やはり何か成果物みたいな、そういう作ったものとかがあるといい感じでしょうか?
かおりん
「IoTエンジニアは、具体的にどういうことをするのかな?」と思いながら目指すよりも、やはり手を動かして「具体的にこういうものか」と、自分で確認しながらできた方がいいかなと感じます。
けい
具体的には、面接の時にお話したという『かおりんさんが作ったもの』とは、何なのですか?
かおりん
穴を空けたひょうたんを二つ並べて、ハンガーにかけてスピーカーにしたものです。
かおりん
ひょうたん自体はIoTではないのですが、ひょうたんの中に入れた小さいパソコンをBluetoothでつなげまして、そのパソコンにAlexaの機能を入れることで「この子をAlexaにしよう!」ということをしました。
けい
では「Alexa、音楽を流して」と言うと、ひょうたんから音楽が流れてくる、ということですか?
かおりん
ただ『パソコンにAlexaを入れる』というものでは、音楽などは著作権の問題で流せませんでした。ですが、天気予報などをばっちり答えてもらえる状態にはできた、というような形ですね。
けい
これが、IoTエンジニアになる前に作られたモノ、ということですよね?
かおりん
そうですね。こういうものを作るのが好きだなと思い「モノづくりをするような者になりたい」という気持ちからIoTエンジニアを志しました。
けい
素晴らしいですね。これはもう、面接官も「やるな!」という感じだと思います。
じま
相手のリアクションも、結構良さそうですよね。
かおりん
「ひょうたんをスピーカーにしてAlexaを……!」という、結構な衝撃があったようです(笑)
3.求められるスキルは?
じま
IoTエンジニアになる結構前からそういったモノづくりをされていたと思いますが、必要なスキルはあるのでしょうか?
かおりん
一番必要だと思われるのは、やはり「モノづくりが好きである」ということが、かなり重要かと思っております。それに付随して、Raspberry PiやArduinoという小さなパソコンを使った開発・電子工作の経験、ネットワークやクラウドの知識などもあると良いと思っております。
けい
なるほど。僕は詳しくないのですが、電子工作ってどういったことを指すのでしょうか?
かおりん
コードでつなげたり、はんだで何かを接着させたりとか、そういうことになりますね。
けい
高校生くらいの頃、情報の授業でやったような感じですかね。ちなみに、今かおりんさんが作っているものを見せていただくことは可能ですか?
かおりん
こちらは、かなり前に作った『アルコールを噴射する機械』です。
けい
手を下に入れれば、アルコールが噴射される、という感じですか? やってみましょう……
けい
すごい! これが手作りですか?
かおりん
はい。手作りでして、かなりごちゃごちゃしている感じでございます。
こちらはRaspberry Piというマイコンボード(プログラム開発がしやすいよう、最低限必要なハードウェアを、あらかじめボードに組み込んだもの)がついておりまして。そちらのハードウェア内に「センサーが手を感知したらここのモーターを動かして、アルコールを出す」といったことが書き込まれている物になります。
4.おすすめの資格は?
じま
続いて、おすすめの資格は何かありますか?
かおりん
特に必須というものはないのですが、先輩から知識として「エンベデッドシステムスペシャリスト(国家資格の1つであり、情報処理技術者試験の1区分)」という組み込み系の資格がある、とのことでした。あとはIoTエンジニアとして、クラウド関連の資格を知識として取得するものおすすめ、ということでした。
けい
どうしてクラウド関連の資格がおすすめなのですか?
かおりん
やはり、インターネットとモノを結びつける際に、データを収集して集める先は「どこからでもアクセスが可能で、拡張性もある」ということから、クラウドがおすすめかと思われますね。
じま
どんな業種でも、クラウドは必要になってきているのかもしれないですね。
けい
今はもう、特に必要とされていますよね。その影響もあって、IoTエンジニアを目指している過程でクラウドの資格を取ると、またその先も広がる、と。
じま
逆にクラウド系のお仕事、クラウドエンジニアとかからIoTエンジニアになった知り合いの方はいらっしゃいますか?
かおりん
かなり素敵な流れかと思いますが、お伺いしたことはないですね。「クラウドではこういったことができるよ」といったことを知っている方がIoTエンジニアとして活躍されたら、すごく幅が広がりそうだなと感じます。
5.おすすめの学習方法は?
じま
IoTエンジニアになるための学習方法として、実際にやっていたこととか教えていただきたいです。
かおりん
私の場合はやはり、作ってみたいものを作ることが一番勉強になったなと感じています。先輩に聞いても「作ってみたいものを作る」というのは、いろいろな方からお答えいただきますね。とはいえ、何かを実現しようとしたときに「どんなものが必要になる?」といったことは、やはり自分で考えて実行しなければならないので、その点もかなり学習になるかと思います。
けい
『作ってみたいものを作る』という、インスピレーションはどこから得るのですか?
かおりん
私の場合は、日常生活の中で「この部屋はいつも何度ぐらいなのかな?」とか「猫はいつもどれぐらい動いているのかな?」とか、気になったことがありまして。そういうものを「何かで可視化できないかな」と、本当に生活の中で感じたところですね。
あとは、作ってみたいものがわからない時におすすめできる「ラズパイマガジン(日経BP出版)」という雑誌がございます。こちらの雑誌は「Raspberry Piというパソコンで遊ぼう!」というような内容で「この形でセンサーをつなげるとこういうことができますよ」といった接続例が結構な種類を掲載しております。内容を見て「これやってみたいな!」と試してみるのも、すごくおすすめかと思いました。
けい
日々の中から、そうやって仕事に活かせるというのは素敵ですね。やはり、好奇心を持っている方というのは、IoTエンジニアに向いていますか?
かおりん
かなり向いていると思います。
じま
ちなみに、実際にものを作るとたくさんの部品が必要になると思いますが、値段は結構お高いのでしょうか? 一つのものを作るのに、どれくらい必要になるのでしょう?
かおりん
値段に関しては、かなりピンからキリだと思いますね。温度センサーであれば、200~300円で買えるものとかもありますし、先ほどのアルコールスプレーに使っていたマイコンも、800円ぐらいで買えるものでした。
じま
思ったよりとても安いですね!
かおりん
もっと安いマイコンとかもいろいろあります。本当に、駄菓子屋さんで何かものを選ぶみたいに、部品屋さんで楽しんで選べる感じですね。
けい
いや、楽しいですね。先ほどおっしゃっていた『Raspberry Pi』というのは、大体いくらぐらいなのでしょうか?
かおりん
Raspberry Piもいろいろなタイプがありまして、本当にシンプルですごく小さいものに『Raspberry Pi Pico』というものがあります。こちらは800~900円ぐらいですね。もっとパソコンのように使えるものになると、今は半導体の影響で価格がかなり高騰していますので「昔3~4千円で買えていたかな」といったものも1万円を超えてきていまして、あまり明言はできないですね……(泣)
けい
なるほど。少し上がってはきているものの、高校生や大学生でも作れる金額ですね。
じま
ちなみに、IoTエンジニアは未経験からでも十分狙える業種ですか?
かおりん
狙えると思います。私自身がほとんど未経験で入社しておりますので、未経験でもなれるということはお伝えできると思います。ただ、まったく知識がない状態だとやはり厳しいところが多々ありますね。パソコンをコマンドライン(キーボードからコマンドを文字列で直接入力をおこなう)で操作するようなことや、LinuxなどのOSとか、わからないことがあると最初は厳しいかと思います。
他にも、採用面接では技術力も重要視されると思いますが、それ以上にクリエイティブ性と言いますか「ものと技術の結びつけをどう活かせるか」なといった発想力の方が評価される、ということもあると思います。ですので、作品作りをしたり、自分のやりたいことをアピールしたりすることで、まったくの未経験からでも入社を狙えるかと思います。
6.一人前になるまでの期間
けい
未経験からIoTエンジニアになるまで、どれぐらいの期間が必要になるのでしょうか?
かおりん
先輩に聞いたところ、未経験から一人前のエンジニアになるには「3年ぐらいかかるかな」ということでした。
じま
かおりんさんの場合、実際に「IoTエンジニアになりたいな」と思った時からどのぐらいの期間を要しましたか?
かおりん
大体、3~4か月ぐらいでしたね。
じま
その3~4か月前のきっかけというのは、どういったものだったのでしょうか?
かおりん
前職の画像加工の会社で使っているソフトを「自動化したいな」と思い、簡単にプログラミングをしたところ「ものが動くのは楽しいな」と感じまして、それがIoTエンジニアを志すきっかけとなりました。
7.IoTエンジニアに向いている人
じま
最終的に『IoTエンジニアに向いている人』というのは、どんな人だと思いますか?
かおりん
やはり「ものづくりが好き」というのは、必須条件みたいなものかなと思っております。あとは、不具合の調査などの地味な作業であっても、そういったことに根気強く、粘り強く取り組めるような力が必要かなと思っております。ですので、何にでも興味を持って楽しめるような方は、かなり向いているかと思います。
まとめ
IoTエンジニアとは、IoT製品やサービスの開発/保守業務をするエンジニアということでした。面接では、自身で作ったもののエピソードなどを話してみるのも反応大だそうです。
求められるスキルは、まず「モノづくりが好きである」こと。それに加えて「電子工作/開発の経験」や「ネットワークやクラウドの知識」などがあると、なおいいとの事でした。
また、おすすめの資格という事で「エンベデッドシステムスペシャリスト」「クラウド関連の資格」の2つをあげていただきました。学習方法は「作ってみたいものを作ることが一番」だそうです。未経験者が一人前になるまでには、おおよそ3年ぐらいかかるということでした。
課題に根気強く、粘り強く取り組めるような人や、何にでも興味を持って楽しめるような人は「IoTエンジニアに向いている」ようです。
ぜひこの記事を、これから活躍の場が増えるIoTエンジニアになるための参考にしてみてください。
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