面接の入室・退室マナー【集団面接・Web面接も解説】
はじめに
面接は面接官とのやりとりだけでなく入室から見られています。他の面接者と比較されても見劣りしないようにポイント押さえ、しっかり対策して本番に臨みましょう。この記事では、就活や転職の面接に欠かせない、面接室への入退室と立ち居振る舞いのマナーについて解説します。
面接に臨むはじめの一歩、面接の受付についてはこちらの記事でより詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。受付前・挨拶・待機中など、面接受付時のマナーとは?
面接にまつわるノウハウや対策方法を完全網羅! 面接について困ったときはぜひ以下のリンク先記事を参考にしてみてください。
基本的な入室の流れ
入室の仕方ひとつとってもノックの回数からドアの開閉、挨拶やお辞儀の深さ、立ち位置に着席の方法など、さまざまな細かいポイントがあります。以下に詳しく解説しますので自然にできるよう、入室の流れを把握しておきましょう。
ドアは3回ノックする
入室の前にドアを軽めに、ゆっくりとしたスピードで3回ノックします。ノックには相手の返答を待つ意味がありますので、ここで一呼吸置きます。なお2回のノックは空室確認、いわゆるトイレのノックです。
ノックの回数について、国際的なマナーでは4回と言われていますが、日本のビジネスシーンでは3回が望ましいとされています。
また、面接室の扉が開いている場合はノックを行わず、挨拶をしてからお辞儀をして入室します。
「失礼いたします」と言ってから入室
入室のタイミングは、面接官からノックの後に「お入りください」などと促されてからです。「失礼いたします」と挨拶したあとにドアを開け、きちんと入室してからドアを閉めます。
ドアの開け方と閉め方は静かにゆっくりと、その際は背中を見せないようにしましょう。
失礼いたしますと言いながらドアを開閉するのはNGです。いわゆる「ながら動作」にならないよう、落ち着いた丁寧な動作に一呼吸置く余裕を持ちましょう。
面接官に向かってお辞儀
入室したら面接官に向かってお辞儀をします。お辞儀の角度は30度にすると、きれいに見えます。
お辞儀には15度の会釈、30度の敬礼、45度の最敬礼の3種類があり、ここでは敬礼を意識してください。
お辞儀の際は姿勢を正し、首だけ曲げず頭から腰まで一直線に倒します。このときは目線を下げ、お辞儀の前後で相手を見るようにしましょう。
椅子の横に立ち、名前を名乗る
お辞儀の後は落ち着いて自分の座る椅子の横まで、背筋をしっかりと伸ばして移動しましょう。よい姿勢を保つことで面接官に好印象を与えられます。
椅子の横に立ち、名前と、新卒の場合は大学名を名乗ります。どこに座ればいいのかわからないときは、下座に座るのがマナーです。
ここではまだ着席せず、落ち着いて面接官からの返答を待ちましょう。
着席する
着席は面接官から促されるのを待ち、「失礼いたします」と挨拶を返して、浅めのお辞儀をしてから座ります。
ここでのお辞儀は15度の会釈を意識してください。
着席後は背筋を伸ばしてあごを引き、浅めに腰かけて背もたれを使わないようにしましょう。男性は両膝を軽く開き手は軽く握って膝の上に、女性は両膝を閉じて両手を重ねて膝に乗せてください。
窮屈に感じないよう練習しておくとよいでしょう。
カバンやコートの置き方
かばんなどの荷物を置くタイミングは、状況によってさまざまなパターンがあり、基本的には着席の際に椅子の横に立たせて置きます。コートがあるときはかばんの上に畳んで置きましょう。
本番のために安定して自立する形のカバンを選んでおくと無難ですが、不安定な場合は椅子の脚に立てかけるように置きましょう。
本番前にかばんの置き方やコートの畳み方を練習して確かめておくと、なお確実です。
ケース別・入室の作法
面接においては、面接官より先に入室して待機する場合や一緒に入室する場合、ドアが開いている部屋で行う場合や面接に際して名刺をいただくことなどがあります。ここからは、そういった状況ごとの入室方法や作法について解説します。
面接官より先に入室する場合
先に入室して面接官を待つ場合、着席して待つよう指示された場合以外は、最も出入り口に近い下座の椅子の横に立ちます。待ち時間にはスマートフォンを出したりしないようにしましょう。
面接官が到着したら、着席していた場合はすぐに立ち上がり「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます」と、氏名と新卒であれば大学名を述べてから、お辞儀をしましょう。
その後は面接官から着席の案内を待ち、「失礼します」と述べ、一礼してから着席します。
面接官と一緒に入室する場合
面接官と一緒に入室する場合は、基本的には面接官の指示に従います。
受付後に迎えを待つときは、面接官が見えたらすぐに立ち上がって挨拶しましょう。会場に向かう途中で雑談を振られたら、面接官のペースに合わせて応答します。
また、面接会場に着いてからは、着席を促されてから座るようにしましょう。
ドアがすでに開いている・ドアがない場合
ドアがすでに開いている場合やドアがない場合の入り方は、一度部屋の前で立ち止まり、「失礼いたします」と挨拶し、返答を待ってから入室します。入室後もドアを閉める必要はありません。
開いているドアをノックする行為や挨拶なく入室する行為は失礼に当たりますのでやめましょう。
面接官に名刺を渡された場合
名刺を渡されたら、「ありがとうございます」とお礼を述べ、両手で丁重に受け取ります。その際には机を挟まないよう、自分から相手に近づきましょう。
名刺を受け取ったら机上の左側へ置きます。面接官が複数いる場合は着席の順に並べます。役職が最も上位と思われる方の名刺は、自分の名刺入れの上に置きましょう。
名刺を置く場所がない場合は、名刺をすぐにはしまわず、名前を確認してから名刺入れへ収めます。
基本的な退室の流れ
次に、基本的な退室の流れを説明します。入室に比べるとポイントは少なめですが、退室時の態度も見られていますので、面接だけで集中を切らないように意識してください。ここで減点を生まないようにポイントをしっかり押さえましょう。
お礼をして立ち上がりお辞儀
面接が終わったら着席のまま、「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました」と、お礼を述べてから、一礼して席を立ちます。
立ち上がってから、椅子の位置が変わっていれば元の位置に戻してから横に立ち、姿勢を正してください。ここで再び、「ありがとうございました」と挨拶し、深いお辞儀をしてから、出口の扉へと向かいます。
面接終了で油断しないように意識してください。タイミングは面接官の目を見て計るとよいでしょう。
ドアの前で挨拶し、静かに開閉
ドアの前まで移動したら、面接官に向き直り、「失礼いたします」と挨拶してから、一礼します。
背中を見せないようにドアを開けて退室したら、面接官の方へ向き直り、目を合わせてお辞儀をしてから、ドアを閉めます。
退室は面接の締め括りですので、余裕のある静かなドアの閉め方を意識しましょう。背中を見せない入退室は練習しておくとなお確実です。
部屋を出ても油断しない
面接会場では企業の方の目も多く、誰の目に留まるかわかりません。油断したところを見られてしまうと、よくない印象につながってしまいます。自宅に帰るまでが面接と意識して、部屋を出てすぐにスマートフォンを見たり、付近で飲食したりしないようにしましょう。
ケース別・退室の作法
退室時に出口までの見送りがある場合やエレベーターで挨拶する場合など、退室のシチュエーションにも、いくつかのケースが考えられます。面接後の油断から減点が生じないよう、ケース別のポイントを押さえておきましょう。
出口まで案内してもらう場合
面接官と一緒に退室してエレベーターまで見送りがある場合は、エレベーターに乗り込んでから面接官に向き直り、ドアが閉まる前にお礼と挨拶を述べてお辞儀をします。その際のお辞儀はドアが閉まるまで続けるのがマナーです。
見送りが出入り口までの場合は、出口に到着したタイミングで面接官に向き直ります。一呼吸置いて、「本日はどうもありがとうございました」と、お礼と挨拶を述べ、一礼して帰路につきます。
集団面接の入退室
集団面接の入退室では、一緒に面接を受けるグループごとに入退室を行うため、個人面接とは違ったマナーがあります。本番で戸惑うことがないよう、集団面接の入退室についても、流れとポイントを押さえておきましょう。
集団面接の入退室についてはこちらの記事で、より詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。【集団面接/グループ面接】入退室のマナーは? 流れやコツを解説!
【入室】ドアの開閉・ノックのルール
集団面接ではグループごと一列になって入室します。最初に名前を呼ばれた人もしくはドアに一番近い位置にいる人が先頭です。
先頭の人がドアを3回ノックして返答を待ち、入室を促されてから扉を開け、挨拶とお辞儀をして入室します。ドアは開けたままにするのがルールです。列の2番目以降の人も扉の前で立ち止まり、挨拶とお辞儀をしてから入室します。列の最後の人は入室後、静かにドアを閉めた後で挨拶とお辞儀をします。
【入室】着席と鞄を置くタイミング
入室したら順番に席に向かいます。入ってきた扉に近い側のイスの横に立ち、全員がそろったら面接官の指示を待って着席します。かばんを置く位置は横の人と被らないよう自分が座る椅子の横です。コートがあるときはかばんの上に畳んで置きましょう。
【退室】挨拶とドアの開閉
面接終了後はお礼を述べて一礼し、順番に退室します。退室時は入室の逆でドアに一番近い人が列の先頭です。
先頭の人は扉の前で立ち止まって振り返り、挨拶とお辞儀をしてから扉を開け、ドアを開けたままにして退室します。2番目以降も先頭と同じく扉の前で立ち止まって振り返り、挨拶とお辞儀をしてから退室します。列の最後の人も同様に退室してから静かに扉を閉じ、これで集団面接は終了です。
Web面接の入退室
昨今では遠方の就活生への配慮や感染症予防対策として、Zoomなどを利用したオンラインでのWeb面接が多く行われています。オンラインならではの注意点もあるため、よく対策して本番に臨みましょう。ここではWeb上の面接スペースへの入退室のポイントを解説します。
Web面接についてはこちらの記事、Web面接のマナー対策(服装・髪型・メイク・カンペ)などの注意点で、より詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
【入室】ログインのマナー
Web面接ではログインがあまり早い時間だと、面接官の準備がまだ整っていないこともあるので、面接開始の5分くらい前を目安にしたログインがおすすめです。先方から入室時間の指示がある場合には、その指示に従いましょう。
面接は担当の面接官がログインしてから始まりますが、面接官が複数いる場合は全員そろうまで待機し、到着ごとにはっきりと伝わる音量と表情を意識して挨拶しましょう。
【退室】ログアウトのマナー
面接が終了したら、お礼を述べてからお辞儀をして相手の退室を待ちます。面接官より先に接続を切らないようにしましょう。
ただし先方から退室を促された場合や、相手が時間を置いても退室しない場合、映像から面接官の離席が明らかな場合は念のためひと声かけたうえで、こちらから通信接続を切ってもよいでしょう。
まとめ
面接の入退室には細かなポイントがたくさんあり、特徴的な動作も多く、集団面接やオンラインのWeb面接などケース別のマナーも多岐に渡ります。はじめは息苦しさを感じるかもしれませんが、ポイントと流れを押さえ、練習することで対策できます。特に面接の入退室は何度も練習し、自然に正しい振る舞いができるようにしましょう。
最後のチェックポイント
- 入退室には基本的な流れがある
- ケース別のマナーはポイントを押さえておく
- 面接終了後も油断をしないように
- 集団面接ではグループの動きを把握しておく
- Web面接ではオンライン特有の注意点がある
- ノック、挨拶、お辞儀、ドアの開閉などは繰り返し練習を