Team

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未経験から始めた仕事も10年続ければ、知識も豊富、自信もついて、仕事を心から楽しめるようになる。一方で、仕事の面白さも実感しつつ、壁にぶつかる3年目。先輩は3年目のとき、どうやって壁を越えていったのか。後輩は将来どんなことを目指しているのか。普段同じチームでもあまり話してこなかった、仕事に対する姿勢の話。
イベントや展示会の設営業務を経験した後、2005年セラクへ転職。社内のインフラエンジニアチームを束ねるマネージャーであり、部下が困ったときにはサッと助け舟を出すベテランの先輩。
前職は求人サイトの記事制作業務。サイトのサーバーそのものに興味を持ち、自らインフラエンジニアに。現在は実と同じエンジニアチーム。壁にぶつかり、そして楽しむ、2013年入社。
裕輝 セラクの先輩・後輩対談、今回は入社3年目で成長盛りの僕とベテラン実さんが対談ということで。
実 他2つの対談コンテンツに出てくる人は、研修中だったり新卒入社1年目だったりでフレッシュなのに、このページだけ平均年齢が高いよねぇ。
裕輝 そういう言い方はやめてください(笑)長く働いているからこそ仕事の面白さも大変なこともわかるというか。そういう部分を押し出していく目的なんですよ。
実 そうだったね。じゃあ貫禄ある感じで、雰囲気出していこう(笑)
「当たり前に使える」を守る、インフラエンジニア
裕輝 僕が2013年入社で、実さんが2005年入社。結構離れてますよね。まずは実さんが転職した経緯から教えていただきたいのですが……。
実 なんだか急にインタビュアーみたいになったな(笑)対談だからさ、もっと気楽に、楽しくやろうよ。
裕輝 そうですよね。つい緊張しちゃって。
実 こういうのはあとから編集できるし、大丈夫だよ(笑)僕は学生時代に展示会やイベントで会場設営のアルバイトをしていて、そのまま同じ仕事に就いたんだよね。その場をまとめて上手に動かしていくのって、結構得意だったから、現場監督みたいなポジションだった。5年くらいやったんだけど、イベントに合わせて日本中を飛び回る仕事だったし、生活リズムも不規則。ずっと続けるには難しいと感じたんだ。昔、情報工学に興味を持った時期もあったから、その道をもう一度目指してみたいと思って、セラクを見つけたってところかな。裕輝くんは?
裕輝 僕は、求人情報サイトで記事の制作をしていました。でも、とにかくサーバーが脆弱なサイトで、頻繁に落ちていたんですよ。掲載されている何万という数の記事が見れなくなるわけですから、被害は甚大。「なんでこんなことになるんだ!」って怒りを感じていたんですが、そのうちに「ならばもう、自分で学んでやる!」って気持ちになってきて。
実 いっそ自分で、か。面白いね。
裕輝 普段生活しているときは、インターネットのサイトがきちんと見れることなんて、当たり前じゃないですか。でもそれが当たり前じゃなくて、きちんと技術がある人が頑張ってくれているから僕らはインターネットやシステムを使えるんですよね。
実 あまり注目されないけど、大事なところを支えている仕事だよね。
裕輝 まだ入社して間もないころ、クライアント企業に設置するパソコンのセットアップ作業を何十台と行う仕事を経験したんですよ。特に難しい技術もいらないし、面白いわけでもないし、正直に言うと単純作業だなって思いながらやっていたんです。でも続けるうちに、「今まで仕事などで僕が使っていたパソコンも、誰かがセットアップしてくれていたんだな」と気付いて。セットアップされてないと、スムーズに使いはじめられないですからね。見えにくいけれど、すごく意義のある仕事だなと。そのことを思い出す度、やりがいのある仕事だと感じます。
実 なるほどねぇ。僕は、「つながった!」って瞬間が、最もやりがいを感じるかな。例えばクライアント企業の本社と地方の支店を、同じネットワークでつなぐ仕事とかね。インフラエンジニアの仕事って細かいし、大変だし、でもそれがカタチを見せてくれる最初の瞬間は「悪くないね」ってニヤニヤしちゃう(笑)
裕輝 そうですよね。僕らの仕事って、わかりづらいけど、実は多くの人の役に立てていると思います。
チームで成果を上げる、「余裕」のマネジメント
裕輝 実さんはマネジメント職なので、僕らが同じ仕事を一緒にやることは少ないですよね。
実 そうだね。僕はチーム全体を見て、技術のサポートをする役割だから。裕輝くんが困っていたらお手伝いすることもあるし、それ以外ではガッチリ同じ仕事をすることは、最近はないね。
裕輝 でも、困ったときには本当に助けていただいています……。スケジュールがタイトだとか、想定通りの出来になっていないとか、どうしても現場がピリピリするときってあるんですよ。そこに実さんが「どうしたのー?」って気遣って声をかけてくれる。これがどんなにありがたいか!もうそれだけで救われる命があります!技術面のことは何でも知っているし、余裕があるし、実さんは素晴らしい方だと思います!
実 救われる命って……大げさだね(笑)どうだろうなぁ。それができるのは、僕自身も辛いとか、困った経験をたくさんしてきたからだよ。入社3年目くらいまでクライアント企業に常駐して、サーバーの保守・運用を行っていたんだけど、そこのサーバーは毎日トラブルが起こるの。裕輝くんが前職で経験した、すぐ落ちちゃうWebサイトみたいな状態だよね。で、その様々なトラブルの復帰をひたすらしていく。サーバートラブルだと、企業のあらゆる業務がストップしちゃうわけだから、対処の仕方がわからなくても投げ出せないし。逃げ出したいけど、そんなわけにいかないし。「今止まっていた分で、2億円分の損害だ」なんて言われながら、技術も精神も鍛えられたよ(笑)それで自信もついたからね。今は「僕ができなかったらもう誰もできないし、大丈夫」って気持ちで、何でも落ち着いてできるようになった。みんなが焦ってても、僕だけ余裕あるでしょ。でも、そういう余裕をもって落ち着いて判断するのも大事なんだよ。
裕輝 何でもできる実さんにも、そんな過去があったんですね。僕は今3年目ですが、逃げ出したいことばかりです……。
実 どうして?
裕輝 社内の定例業務発表会で司会を頼まれただけでも、人前苦手だから逃げ出したいなって思いますけど(笑)自分が頑張ってやった仕事でも、「実さんだったらもっとうまくやれるのになぁ」とかつい考えちゃうんですよね。頑張りたいと思っているのに、自分の技術が追い付いてこないのがもどかしくて、もうイヤだ!って思っちゃうことはありますね。
実 それは違うんじゃないかな。「実さんだったらもっとうまくやるのに」って言っても、その仕事を僕がそのときにできたかっていうとできなかったと思うんだよね。そもそも僕が担当だったわけじゃないし、チーム内で別のサポートに回っていたときかもしれない。そう考えると、裕輝くんができることで最良の仕事をしたっていうのが正解なんだよ。誰かと比べるんじゃなくて、チーム全体の結果として1番いい形を考えていけるようになるといいね。
裕輝 たしかにそうですね。つい、自分のことを考えてしまいがちですが、チームとして成果を上げるって忘れてはいけないですね。
実 定例業務発表会の司会については、それくらい逃げ出さずにやりましょう(笑)そういうのも、楽しめばいいんだよ。
会社を辞めたいって思ったこと、ありますか?
裕輝 今日、せっかくだから思い切って聞いてみたいことがあるんですけど。
実 お、何だい?
裕輝 実さんは、セラクを辞めたいと思ったことはありますか?
実 あるよー。たくさんある(笑)
裕輝 あるんですね。ちょっと意外です。たくさんあるのに、それでもずっとセラクで頑張っているのはなぜですか?
実 何で辞めたいのか考えたときに、最終的に「隣の芝生が青く見えるだけなんだな」って結論になるからかな。仕事をしてれば大変なことっていっぱいあるじゃん。さっき、裕輝くんが逃げ出したいって言ってたみたいに。そういうときに、他の仕事もいいなーって思っちゃう。でも、違うんだよね。大変だ、できないって思うときこそ成長のチャンスで、それを乗り越えたら得られるものが必ずある。他のものにすぐ乗り換えちゃったら、後悔するだろうなぁって思って。辛いことがある度、辞めたくなって、でも思いとどまって、今では楽しく仕事をしている僕が言うんだから間違いないよ。
裕輝 そうですね。辛くても「なんとかしよう」って気持ちは、人を成長させてくれると思います。
実 僕も、裕輝くんの方に聞いてみたいことがあるんだけど。
裕輝 なんでしょう?
実 今後、どんなインフラエンジニアになっていきたいと思う?
裕輝 そうですね。インフラエンジニアの中でも、専門分野は色々ありますから、何かの専門家になりたいです。しかしそのために、まずはジエネラリストを目指さなければとも考えています。インフラの技術ってそれぞれの分野同士の関連が深かったり、依存関係にあったりして、はじめからある技術だけを習得しようなんて、無理なことなんだと思います。だから、まずはインフラエンジニアとして視野を広く、様々なことを経験してから、ひとつ自分の武器となる分野を見つけていきたいですね。
実 視野を広く持つことは大切だね。あとは自分の技術や会社内での仕事だけじゃなく、この業界全体のことを常に意識できるようにもなってほしいな。業界を変えるくらいのインフラエンジニアになろうって、それくらい夢は大きくいこう。僕らは何だってできるんだぞって。
裕輝 その通りだと思います。常に視野を広く、何でも楽しめるエンジニアに。僕、まずは定例業務発表会の司会をやりきらなきゃいけませんね(笑)
実 そう。そういう社内の仕事ひとつも、楽しんで、全力でやらなければいけません(笑)