目次
ChatGPTとExcelを連携させる方法:連携してできること

はじめに
この記事のポイント
- ChatGPT for Excelアドインを利用するとExcel内で直接AIを活用できる
- データの入力・編集・分析作業をChatGPTがサポートし効率が向上する
- Advanced Data Analysisツールは自然言語での問いかけに対してコードを生成し結果をExcelに反映する
- Microsoft 365 for Copilotを通じてExcelで先進的なAI機能を使用できる
- ChatGPTの連携により関数の提案・使い方の説明・データ整理・マクロ作成が容易になる
- 1ChatGPTとExcelを連携する方法
- ChatGPT for Excelを使う
- Advanced Data Analysis(旧:Code Interpreter)を使う
- Microsoft 365 for Copilot(Copilot in Excel)を使う
- 2Excelを連携してできること
- 作業内容に適した関数を提案してもらう
- 関数の使い方を教えてもらう
- データを整理してもらう
- VBAのマクロを作成してもらう
- 3ChatGPT for Excelの使い方
- ChatGPT for Excelアドインを追加する
- ChatGPT(OpenAI)のAPIキーを取得する
- ChatGPT for ExcelのAI関数でできること
- 4まとめ
ChatGPTとExcelを連携する方法
ExcelとChatGPTを連携させることで、データ処理・分析・レポート作成などが大幅に効率化されます。以下に主な連携手段を紹介します。
ChatGPT for Excelを使う
ChatGPT for Excelは、直接Excel内でChatGPTを活用できるようにするアドインです。このツールを使用することで、Excelデータの入力・編集・分析をChatGPTが支援し、複雑なデータセットに対する質問やコマンドを簡単に処理できます。たとえば、売上データから特定のパターンを抽出するよう指示することも可能です。設定は非常にシンプルで、ExcelのアドインメニューからChatGPTを追加し、APIキーを設定するだけで利用開始できます。
Advanced Data Analysis(旧:Code Interpreter)を使う
Advanced Data Analysis(旧:Code Interpreter)は、とくに技術的なスキルが求められる分析をExcel内で実行する際に便利です。このツールは、自然言語で書かれた問いに対してコードを生成し、実行結果を直接Excelに反映させます。たとえば、「過去3ヶ月の平均売上を計算してください」という問いに対して、適切なExcel関数を用いて結果を出力できます。
Microsoft 365 for Copilot(Copilot in Excel)を使う
Microsoft 365 for Copilotは、Microsoftのクラウドベースのサービスであり、Excel内で直接ChatGPTのような先進的なAIを利用できる機能を提供します。Copilot in Excelは、文書の作成・データの分析・プレゼンテーションの準備をアシストし、ユーザは自然言語で指示を出すだけで、複雑なデータ操作や分析タスクを処理し成果物を生成します。たとえば、特定のデータにもとづいて予測モデルを作成するような指示が可能で、高度な分析がよりアクセスしやすくなります。
Excelを連携してできること
ExcelとChatGPTを連携させると日々の作業が格段にスムーズになります。この連携を活用することで関数の提案から関数の使い方の説明、データ整理、さらにはVBAのマクロ作成まで、多岐にわたるサポートが可能となります。
作業内容に適した関数を提案してもらう
Excelでのデータ分析や計算作業中に、どの関数を用いればよいか迷うことはよくありますが、ChatGPTに作業内容を説明するだけで最適なExcel関数を提案してもらえます。たとえば、売上データから季節ごとの平均を求めたい場合、自動的に「AVERAGEIFS」関数を推薦し、その使用方法も説明してくれます。
以下は、実際にChatGPTへ作業内容に適した関数を質問したときの一例です。

関数の使い方を教えてもらう
とくにExcel初心者にとって、関数の使い方を学ぶことは一つのハードルになりがちですが、ChatGPTを活用することで任意の関数の使い方を詳しく教えてもらえます。たとえば、「VLOOKUP関数の使い方を教えて」と問いかけると、その関数の基本的な構文から具体的な使用例まで、わかりやすく説明してくれます。
以下は、ChatGPTにVLOOKUP関数の使い方を質問したときの一例です。

データを整理してもらう
データの整理は、多くの時間と労力を要する作業ですが、ChatGPTにデータの整理を任せることができます。たとえば、重複するデータを除外したり、特定の条件にもとづいてデータを分類したりする作業を簡単な指示で実行してもらえます。
以下は、特定の条件にもとづいてデータを分類してもらった一例です。

VBAのマクロを作成してもらう
VBAマクロの作成は、Excelの高度な利用方法の一つですが、プログラミング知識が必要となるため敷居は高いです。そこでChatGPTを利用すれば、必要なマクロの概要を提示するだけで、それに応じたコードを生成してもらえます。このサポートにより、日々の繰り返し作業を自動化し、効率化を図れます。
以下は、日付の形式を「yyyy/mm/dd」に変更するマクロを作成してもらったときの一例です。

ChatGPT for Excelの使い方
ExcelにChatGPTを組み込むことで、さまざまな自動化と効率化が実現可能です。ここでは、ChatGPT for Excelを設定して活用する方法を詳しく解説します。
ChatGPT for Excelアドインを追加する
ChatGPT for Excelアドインを追加するプロセスは非常に簡単です。
- Excelを開き「ホーム」または「挿入」タブを選択し、「アドイン」を選ぶ
- 「その他のアドイン」をクリックする
- 左上の検索窓で「ChatGPT」を検索し、「ChatGPT for Excel」を選択して「追加」ボタンをクリックする
- 「続行」をクリックし、インストールを完了する
以上の工程でChatGPTがExcel内で直接利用可能となり、データ分析やレポート作成を格段にスムーズに行えるようになります。このアドインを利用することで、日常的な作業が効率的に、また正確に行えるようになります。
ChatGPT(OpenAI)のAPIキーを取得する
ChatGPT for Excelを使用するためには、OpenAIのAPIキーが必要です。
- OpenAIの公式ウェブサイトにアクセスし、アカウントを作成する
- 「Settings」の「Billing」から支払い情報を登録する
- 「API keys」を選択し、「+Create new secret key」をクリックする
- ポップアップ表示される「Create new secret key」からAPIキーの情報をコピーして、保管する
- 生成されたAPIキーをChatGPT for Excelアドインに入力する
これでOpenAIのサーバーと通信できるようになります。このキーはアドインの機能をフルに活用するために重要であり、セキュリティを維持するためにも安全に管理する必要があります。
ChatGPT for ExcelのAI関数でできること
ChatGPT for Excelでは、新たに使えるAI関数が追加されます。
これらの関数を使用することで、データ分析・変換・補完などがより簡単かつ迅速に行えるようになります。
AI関数名 | できること | 使用例 |
---|---|---|
AI.ASK関数 | ユーザの質問に対して、Excelのセル内のデータをもとに自動的に回答を生成する | =AI.ASK("売上の最大値は?", A2:B10) セル範囲A2 に含まれるデータをもとに、売上の最大値を回答する |
AI.LIST関数 | 特定の条件にもとづいてリストを生成する | =AI.LIST(A2:A100, "ユニークな値をリストアップ") A2のデータからユニークな値を抽出してリストを生成する |
AI.TRANSLATE関数 | テキストを他の言語に翻訳する 指定したテキストをサポートされている任意の言語に翻訳できる | =AI.TRANSLATE("こんにちは", "ja", "en") 「こんにちは」を日本語(ja)から英語(en)に翻訳する |
AI.FORMAT関数 | 指定したテキストやデータを整形し、指定されたフォーマットに変換する | =AI.FORMAT(A2, "yyyy年mm月dd日") A2セルの日付を「2024年11月05日」の形式に整形する |
AI.EXTRACT関数 | テキストから特定の情報を抽出する | =AI.EXTRACT(A2, "メールアドレス") A2セルからメールアドレスを抽出する |
AI.FILL関数 | サンプルデータから予測して欠落している範囲を回答する | =AI.FILL(A2:A10) A2の範囲内で欠損しているデータをAIが予測して補完する |
AI.TABLE関数 | データセットを解析し、表形式で結果を整理する AIがデータから重要な情報を抽出して表にまとめる | =AI.TABLE(A2:B10, "売上の分析") A2のデータを解析し、売上に関する重要な指標を表形式で出力する |
まとめ
ExcelとChatGPTの連携により、煩雑なデータの入力・編集・分析などが簡単になります。ChatGPT for Excelアドインを追加することで、Excel内で直接AIを活用でき、複雑なデータセットの質問やコマンドの処理も容易です。ChatGPT for Excelアドインの追加は、Excelのアドインメニューから行い、APIキーを設定するだけで始められます。この連携により、日々のExcel作業が効率的かつ正確に行えるようになります。