導入事例

株式会社KANSOテクノス

生成AIの導入・活用のポイントはセキュリティと定着支援

関西電力グループの一員である株式会社KANSOテクノスは、「環境」「土木」「建築」の3分野で広く活躍する総合環境エンジニアリング企業です。豊かな地域社会の実現と、かけがえのない地域環境の保全に向けて、分野の垣根を越えたシームレスな連携で社会基盤を支えています。

今回は、東京支店 技術グループの近藤俊祐様と環境事業部 環境フロンティアグループの 榎並佑亮様に、生成AIの法人利用に際しての注意ポイントと、セラクが開発した「法人向けChatGPT導入・活用サービス『NewtonX』定着の取り組みについてお伺いしました。

ChatGPTからスタートした生成AI活用

当社では2023年の春頃、個人的に東京支店の技術グループの社員がChatGPTに触りはじめ、「凄いサービスが登場した」とグループ内で話題になりました。当時は技術グループでこれからPythonコーディングをやっていこうという時期で、初心者でもChatGPTを利用してPython学習と実務で使えるコード生成を並行できることもあり、興味を持ってもらいやすかったと記憶しています。

東京支店技術グループ15名の約3分の1がChatGPTを利用しはじめ、1ヶ月経過する頃には、社内利用に関するルール策定や環境整備を求める声が出ました。ChatGPTの公開が2022年11月である点を考えると、他社と比べても導入に向けての動き出しは早い方だったと思います。

生成AIにはさまざまな用途がある

東京支店では技術グループが中心となり生成AI導入を進めましたが、今では環境事業部など、他部署へも利用は広がっています。

生成AIを利用する業務も増えました。当初はPythonコーディングをはじめとして外国語の論文翻訳や内容要約、調査報告書の下書きといった専門業務が中心でしたが、現在では議事録作成のような事務業務へも利用の幅を広げています。
ほかにも、従来は上司や同僚へ質問していた内容や、Web検索していた「表現の言い換え」、アイディア出しなどちょっとしたさまざまな用途に利用しています。社員からは、『NewtonX』からの回答を参考にすることで自分ひとりでも客観的に考えられるといった声もあり、導入の効果は単純な効率化だけに留まりません。

株式会社KANSOテクノス

課題は安全に利用するためのセキュリティ

生成AIを活用する際の、大きな課題の1つが「セキュリティ」です。実際2023年の3月には、ChatGPT自体のバグにより、一部ユーザがほかのアクティブユーザの情報を閲覧できてしまうといったインシデントが発生し、問題になりました。

当社でもChatGPTを利用しはじめた時期に情報システム部門に相談しましたが、当時は生成AI自体を利用する社員が少なく、まったく新しいサービスだったこともあり、利用に関するルールが十分に整備されていない状態でした。そこで、法人契約が可能で安全に複数アカウントを管理できるChatGPTに代わるサービスを探すことにしました。
ChatGPTを利用していたメンバーの使いやすさを第一に考えましたが、当時は各社のサービス内容に大きな差はなかったため、サービス自体よりも信頼感で『NewtonX』を選びました。セラクさんとは社内研究の一部を外注してプログラムを作っていただいた縁があり、企業間での信頼関係ができていたという理由が大きかったですね。

2024年2月から『NewtonX』を導入していますが、当社の情報システム部門のセキュリティチェックをクリアしているため、業務情報や実際に調査で取得したデータをそのまま入力して利用できます。ダミーデータではなく、正確な数字を入力しないと適切な回答が得られない場合もあるため、セキュリティ強化だけでなく、ChatGPTと比べて大きく使い勝手も向上しました。

定着支援サービスの価値

『NewtonX』の強みは、セキュリティだけでなく、定着支援サービスにもあると思います。
ChatGPTに触った経験のない社員の利用率が伸び悩みましたが、セラクCCCさんに何度も説明会や勉強会を開催していただく、社内コミュニケーションツールを利用して情報発信や意見交換を盛んにするといった活動を通じて、ある程度改善できました。勉強会で実際に操作している様子を見たり、自分も触ってみたりするのは、定着率を高めるという観点からも、価値あるユーザ体験だと思います。打ち合わせや説明会の後に間を開けず、次回の活動について色々と積極的にご提案いただけるのもありがたいです。

今後もセラクさんと連携し、社内勉強会などで理解を深めながら、生成AIを業務に取り入れられるようにしていきたいと考えています。

お客様プロフィール
株式会社KANSOテクノス

企業名:株式会社KANSOテクノス

所在地:大阪市中央区安土町1丁目3番5号

事業内容:環境、土木、建築分野における総合環境エンジニアリング

公式サイト:https://www.kanso.co.jp/

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