導入事例
川崎近海汽船株式会社
「口コミ」と「体験」NewtonXの定着率をUP
セラクCCCと協力して、より高度な活用を目指す
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川崎近海汽船株式会社は1966年の設立以来、「海上輸送のベストパートナーとしてお客様のニーズに全力で応え、人に優しい豊かな社会の実現に向けて貢献する」を経営理念に、半世紀を超えて活動しています。近年では祖業である内航部門に加えて近海部門やフェリー部門、さらには近年においてオフショア支援船部門にも業容を広げ、船舶に関連する幅広い分野に活躍を広げています。
今回はIT・DX推進室室長の安原常之様と室副部長の藤野戸紀文様、シニアアドバイザーの海老名健司様に、セラクCCCが開発した法人向けChatGPT導入・活用サービス『NewtonX』導入の経験から見えてきた生成AI定着のポイントについて伺いました。
グループ会社での導入を機に生成AI導入を決定
当社は2020年からIT・DX推進室を中心に、DX推進の取り組みを進めています。生成AIに関しても、OpenAIのGPT3.5が爆発的に普及し始めた時期には、「ほかに優先課題があるためすぐ導入するのは難しいが、将来的に取り組まなければならない」と考えていました。
当社社長が参加したグループ会社の会議で生成AI導入が決まったことをきっかけに、当社でも導入を進めることになりました。グループ会社と当社は利用しているクラウド環境が異なり、同様のノウハウやサービスを活用することができないため、独自の製品選びが必要でした。
セキュリティ機能と操作性で選んだNewtonX
生成AIについてリサーチするなかで、まず気になったのがセキュリティリスクです。もちろん、ガイドライン策定やその周知徹底も大事ですが、情報漏洩を防ぐため製品にどのような機能が備わっているかも重要です。NewtonXには、IPアドレス制限やOpenAI側での学習にデータを利用されない仕組みといった、十分な対策機能が用意されていると思います。
またNewtonXのトライアルの際、入力操作の快適さに感銘を受けました。地味な機能ですが誤操作防止の設計は秀逸です。ChatGPTは質問文の入力途中で誤ってEnterキーを押してしまうと回答が始まってしまいますが、NewtonXはEnterキーを改行に利用し、質問文の送信には専用ボタンを用意しているため、意図しない送信を完全に防いでくれます。他のツールとの併用時にもストレスを感じずに直感的に操作できる、ユーザフレンドリーなUIデザインは、NewtonXの大きな魅力だと言えます。
ほかに、GPT-4の高度な機能を、競合他社よりも低いコストで利用できる点もNewtonXの強みだと思います。生成AI未経験の社員が多かった当社ですが、セラクCCCさんの柔軟な対応により、不安を解消してスムーズに導入を進めることができました。充実したサポートを無償で受けられる体制は、生成AIの導入を考えている企業にとって大きな魅力だと思います。
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想像以上だったNewtonX導入の効果
NewtonX導入により、メール文や社内報告書の作成、外国語の翻訳に加え、Excel で利用するVBAマクロのコードやTableauの複雑な計算式作成といった高度な作業も効率化できました。文書作成にかける時間を約5割短縮できたという例もあり、恩恵は非常に大きいです。
当社ではほかに、以前は検索エンジンを使っていたリサーチやアイディア出し、ブレインストーミングなどにもNewtonXを利用しています。気になったポイントについて質問を繰り返して深掘りするといったように習熟によって用途が広がるため、将来的により大きな効果を期待できると思います。
導入推進への取り組みから見えてきた生成AI定着のポイント
当社では、76名の利用希望者を対象にトライアルを実施し、その結果を踏まえて36名でNewtonXの利用をスモールスタートしました。当初は、利用頻度が低いユーザ、定着に至らなかったユーザも一部見られました。そこで、まずはヘビーユーザに焦点を当て、実務に合った具体的なノウハウを蓄積することに努めました。同時に、マネージャークラスのヘビーユーザから部下への利用促進を働きかけてもらうことで、口コミによる組織全体の利用拡大を目指しました。
「生成AIはスマホやパソコンと同じように、将来的には誰もが使うツール」だと考え、以前は上司が添削していた新人のレポートや提出書類の業務フローを「一度NewtonXに訊いて直す」ように変えた部署もあります。このように、実際の業務で使う機会を作って慣れてもらうことで、現在は利用者の定着率が80%に上がりました。
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伴走支援への期待
セラクCCCさんをはじめとして各社が提供しているChatGPT利用サービスの基本的な機能には、それほど大きな差はないと思います。導入前に違いを比べやすいのは、拡張的な機能や細かい操作性の違い、費用面あたりでしょうか。ただ、比較は難しいですが、伴走支援の有無やその内容について考慮したほうがよいかもしれません。
当社はさまざまなクラウドサービスを利用していますが、どのベンダも自社サービスの提案に注力しがちで、ユーザ視点での課題解決策を求めるのは難しいのが現状です。しかし、セラクCCCさんの「伴走支援」は、ユーザ視点に立ち、共に課題解決に取り組んでいただけるため、長期的な視点で大きなメリットをもたらすと考えています。
セラクCCCさんから活用レベルアップのためにいくつかご提案をいただいていましたが、これまでは当社側の準備が整っていませんでした。しかし定着がある程度進み、積極的な活用やノウハウ共有に関するモチベ―ションの高いユーザが増えてきたため、これからは引き続き、未利用者への利用促進と並行して活用の高度化にもご協力いただければと思います。