はじめに
近年のDX推進や働き方改革促進により、クラウド導入企業の数は増加傾向にあります。それとともに近頃聞かれるようになってきた言葉が「クラウド破産」です。なんともインパクトのある言葉ですが、クラウドサービスを利用するうえで、知っておきたい、備えておきたい事柄でもあります。本記事ではクラウド破産とはどういったものかを理解し、そうならないための対策方法をご紹介します。
クラウド破産とは
クラウド破産とは、クラウドサービス利用料金が思いもよらないほど高額請求されてしまうことを指します。正しく使用していたつもりが、ある日突然請求額が想像以上に跳ね上がり、最悪の場合では経営が立ちいかなくなるなどのおそれもあります。クラウドサービス料金が高額になってしまう原因は様々ですが、ユーザ側の運用方法が適切でなかった場合に起こるケースが多くみられます。
なぜ起きる?クラウド破産の原因とは
ここではクラウド破産に陥りやすい原因をみてみましょう。
過剰なサーバスペック
利用目的に対して、クラウドサーバのスペックが高すぎるため、費用が嵩んでしまったケースです。クラウド移行前のシステム稼働率を適切に把握せず、必要以上のスペックのサーバを用意して余剰リソースが発生していたり、クラウド事業者に勧められるままに自社の利用状況に合わない機能を提供され、費用を払い続けていたなど、クラウドサーバがオーバースペックとなってしまうことが原因です。
サービスが起動しっぱなし
業務中に長時間席を外したり、休日・休暇の際、クラウドサービスを起動し続けたまま放置した結果、不要なコストが発生してしまうといったケースもあります。クラウドの料金体系は様々ですが、従量課金制のクラウドサービスを利用している場合、使用量・使用時間に応じて料金請求されるため、うっかり放置してしまえば当然のことながらサービス使用時間は継続され、コストがかかってしまいます。
アカウントの権限設定が適切でない
アカウント権限の割り当てが適切に行われず、本来必要のない社員にまで権限を与えてしまった結果、各々が好き勝手にサービスを利用してしまうなど大量のリクエストを発信してしまい、不要なコストがかかってしまうこともあります。適切なクラウド管理、権限設定ができていなければ、知識のないユーザが誤った使い方をした場合、クラウド料金が高額になるだけでなく、セキュリティリスクも伴います。
クラウド破産しない!取るべき対策
クラウド破産を起こさないために、自社でできる最低限の対策は取っておきましょう。
最適なクラウド管理者を任命する
クラウドサービスの高額請求を回避し、クラウドを適切に運用するためには、クラウドに知見を持つクラウド人材による運用と管理が必要です。自社の利用状況を把握し過剰にリソースを利用していないか、自社に必要なサービスか否かを見極め、自社の予算やトータルコストまで考えなければなりません。またアラートやトラブルの際にすぐに対処できるだけのスキルを持っていればなお安心です。こうしたクラウド人材による適切なクラウド運用を行えば、不意のリスクも未然、または最小にとどめることが可能です。
社内で正しい使い方を徹底させる
社員が誤った使い方をしないためには、クラウドの利用方法を社内で浸透させる必要があります。自社のクラウドサービスの料金体系や、誤った使い方をした場合のリスクなど、全社員が正しく認識することで、不要なサービスを利用したり、無駄な操作をすることがなくなり、クラウドの正しい使い方が定着されるでしょう。
まとめ
クラウドを適切に運用していれば、高額請求の可能性やトラブルが起きる可能性は低くなります。しかし、自社のクラウドサービスの料金体系を正しく認識していない場合や、権限設定があいまいな場合など、思わぬ高額請求を受ける危険性は常にあります。自社の運用方法を整理し、見直すことを考えてみましょう。
クラウド管理を行える適任者が自社にいない、クラウド運用に不安がある、コストの見直しを図りたい、などお悩みの場合は、マネージドサービスを利用いただくこともご検討ください。マネージドサービスとは、サーバの運用保守からシステム障害への対応まで、システム管理全般をアウトソースするサービスです。マネージドサービスを利用すれば、クラウド運用のリソースを抑えることができ、サービスレベルの向上を図ることが可能です。
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