コラム
2025.02.27

クラウドサービスとは?基本から導入のポイントまで徹底解説

クラウドサービスとは?基本から導入のポイントまで徹底解説

はじめに

クラウドサービスの利用は現代の企業活動において不可欠となっています。しかし、クラウドサービスを導入する際には、その特性を理解したうえで、適切なプランニングが必要です。
この記事では、クラウドサービスの基本概念から始め、どのようにしてクラウドサービスを選択し、導入するかについて詳しく解説します。また、使いこなすための重要なポイントと、業務に役立てる方法も紹介します。

クラウドサービスとは?

クラウドサービスとは、インターネット経由でデータの保存やソフトウェアの利用ができるサービスのことです。個人や企業が自分のコンピュータに直接ソフトウェアをインストールすることや、大量のデータを保存するための物理的なサーバを持つ代わりに、インターネットを通じてリモートのサーバにアクセスしてこれらの機能を利用することが可能です。

クラウドサービスの提供形態

クラウドサービスを提供する形態には主に「パブリッククラウド」と「プライベートクラウド」の二種類があります。パブリッククラウドは、インターネット上で一般に提供されるサービスで、複数の顧客が同じリソースを共有します。これに対してプライベートクラウドは、特定の企業が専用に使用するために設計されたクラウド環境で、より高いセキュリティと制御を提供します。どちらの形態もニーズに応じて選択され、場合によっては両モデルを組み合わせたハイブリッドクラウドが利用されることもあります。このようにクラウドサービスは多様な形で提供され、各企業の具体的な要件に応じてカスタマイズされます。

クラウドサービスの種類と特徴

クラウドサービスはその利用形態により大きく三つのカテゴリーに分類されます。これにはIaaS(Infrastructure as a Service)・PaaS(Platform as a Service)・そしてSaaS(Software as a Service)が含まれます。これらのサービスはそれぞれ異なるニーズに応じて設計されており、企業の目的によって選択されます。

IaaS(Infrastructure as a Service)

IaaSは、インターネットを通じて基本的なITインフラ(サーバ・ストレージ・ネットワーク)をレンタルするサービスです。このサービスを利用することで、ユーザは物理的なハードウェアを自分で購入・管理する必要がなくなります。例えば、Webサイトを運営するためのサーバをレンタルしたり、大量のデータを保存するためのストレージスペースを確保したりすることができます。IaaSの代表的な例にはAmazon Web Services (AWS)のEC2、Google Cloud PlatformのCompute Engineなどがあります。

PaaS(Platform as a Service)

PaaSは、アプリケーションの開発や実行に必要なプラットフォームをインターネット経由で提供するサービスです。これにより、開発者は環境構築やサーバの管理に時間を割くことなく、ソフトウェア開発に集中できます。PaaSには、プログラミング言語の実行環境・データベース管理システム・開発ツールなどが含まれており、例としてはMicrosoft Azure、Google App Engineなどがあります。

SaaS(Software as a Service)

SaaSは、アプリケーションをインターネット経由でユーザに直接提供するサービスです。ユーザはソフトウェアを購入してインストールする代わりに、サブスクリプションで利用でき、常に最新のバージョンを使用することができます。SaaSアプリケーションはメンテナンスやアップグレードがサービスプロバイダによって行われるため、社内の負担を軽減します。Google WorkspaceやMicrosoft Office 365、Salesforceなどがこのカテゴリーに属しています。

Microsoft AzureとAWSについての詳細はこちら、
「Microsoft AzureとAWSって何?」DX実現のためのクラウドサービス基礎知識 」をご覧ください。

クラウドサービスのメリットとデメリット

クラウドサービスは多くの企業で導入されていますが、メリットと同時に、特定の状況下でのデメリットも理解することが重要です。ここでは、クラウドサービスのおもなメリットとデメリットを詳しく掘り下げていきます。

クラウドサービスのメリット

クラウドサービスのおもなメリットは、拡張性と柔軟性です。必要に応じてサービスを追加または削除することができ、実際の使用量に基づいて料金が発生します。クラウドサービスを利用することで、企業は高価なハードウェアやソフトウェアを購入する必要がなくなり、初期投資の削減に大きく寄与します。また、クラウドプロバイダがサーバのメンテナンスやアップデートを行うため、これらの技術的な管理から解放され、自分の本来の業務に集中することができます。
そして、クラウドサービスはインターネット経由で場所を選ばずにデータへアクセスしたり、作業を行ったりすることが可能です。これにより、リモートワークやフレキシブルな勤務形態が実現し、効率的な作業環境を整えることができます。

クラウドサービスにおけるそのほかのメリットについてはこちら、
【動画解説付】CAPEX、OPEXからみるコストと価値の最適化
BCP対策のカギはデータの保護!クラウド活用で効果的な対策を」をご覧ください。

クラウドサービスのデメリット

クラウドサービスは多くの利点を提供しますが、いくつかのデメリットも存在します。まず、クラウドサービスを利用するためにはインターネット接続が必須です。インターネットが不安定だったり、接続が途切れたりすると、クラウド上のデータやサービスにアクセスできなくなります。これは、特にインターネットのインフラが十分でない地域で問題となることがあります。
次に、クラウドサービスではデータが外部のサーバに保存されるため、プライバシーやデータのセキュリティに関する懸念が生じます。サービスプロバイダは通常、高いセキュリティ基準を維持していますが、データ漏洩やハッキングのリスクは完全には排除できません。
さらに、クラウドサービスの利用は、プロバイダの決定に強く影響を受けることになります。プロバイダが事業を停止したり、サービスを中止したりすると、重要なデータを失うリスクに直面することもあります。

クラウドサービス導入のステップとポイント

クラウドサービスの導入は、企業の運営効率を向上させ、競争力を高めるための重要なステップです。しかし、その過程は複雑であり、適切な計画と実行が必要です。ここでは、クラウドサービスを導入するための準備から、移行プロセス、そして成功の秘訣までを詳しく解説します。

導入前の準備と検討事項

クラウドサービスを導入する前に、まずは自社のニーズと目的を明確に定義することが重要です。どのシステムをクラウドに移行するか、どのクラウドサービスが最適かを決定するために、現在のITインフラと業務フローを詳細に分析します。また、クラウドサービス提供者を選ぶ際には、セキュリティ・コンプライアンス・サポート・拡張性の面で比較する必要があります。
コストも重要な検討事項の一つです。オンプレミスのシステムと比較して、クラウドは初期投資を抑えることができますが、長期的な運用コストや隠れた費用にも注意が必要です。

クラウドサービスの費用面についての詳細はこちら、
対応内容別のコスト表で解説!運用体制とコストから考える「クラウド運用」の最適化 」をご覧ください。

クラウド移行を成功させる秘訣

クラウドへの移行は、計画的に進める必要があります。移行は段階的に行い、最初に小規模なデータセットや重要性の低いアプリケーションから始めることが推奨されます。これにより、移行中に発生する問題を早期に特定し、リスクを最小限に抑えることができます。
成功の秘訣は、社内全体の参画と活発なコミュニケーションにあります。従業員が新しいシステムを理解し、効果的に利用するためには、適切なトレーニングとサポートが不可欠です。また、定期的なレビューとフィードバックを通じて、導入後のプロセスを改善し続けることが重要です。

クラウドセキュリティの重要性と対策

クラウドサービスの普及に伴い、そのセキュリティ対策の重要性がますます高まっています。クラウド環境は多くの利便性を提供しますが、それに伴うセキュリティリスクも無視できません。ここでは、クラウドセキュリティのリスクを理解し、効果的な対策を講じる方法を探ります。

セキュリティリスクの理解

クラウドサービスを利用する際には、データの漏洩・不正アクセス・サービスの中断など、さまざまなセキュリティリスクが存在します。これらは外部の攻撃者によるものだけでなく、内部からの脅威や、誤った設定によるものも含まれます。たとえば、多くのクラウドデータ漏洩事件は、誤ったアクセス設定や不適切なクラウドリソースの管理に起因しています。したがって、リスクを最小限に抑えるためには、これらの脅威を正確に理解し、適切に対処する必要があります。

クラウドサービスのセキュリティについてはこちら、
企業のセキュリティ運用、出来ていますか? 」をご覧ください。

セキュリティ対策の具体例

クラウドセキュリティを強化するためには、複数の対策を組み合わせることが重要です。まず基本となるのは、データの暗号化です。保存されているデータだけでなく、送受信されるデータも暗号化することで、万が一のデータ漏洩時にも情報が読み取られるリスクを減らすことができます。次に、アクセス管理が挙げられます。多要素認証の導入や、最小限の権限を持つ原則を適用することで、不正アクセスを防ぐことが可能です。
また、定期的なセキュリティ監査と脆弱性評価を行うことで、セキュリティの弱点を早期に発見し、修正することができます。クラウドプロバイダが提供するセキュリティツールとサービスを活用することも、効果的な対策の一つです。
クラウドセキュリティは継続的な努力を要する分野であり、技術の進化とともに新たなリスクが常に出現します。そのため、最新のセキュリティトレンドと脅威を常に監視し、セキュリティ対策を進化させ続けることが不可欠です。クラウドサービスを安全に利用するためには、これらの対策を適切に実施し、常に警戒を怠らないことが求められます。

セキュリティ対策の具体例についての詳細はこちら、
多要素認証(MFA)とは?クラウドサービス別に徹底解説 」をご覧ください。

まとめ

クラウドサービスの導入は、多くの企業にとって大きな利益をもたらす可能性がありますが、その選択と実装には慎重な検討が必要です。成功への鍵は、自社の特定のニーズに合わせて適切なクラウドサービスを選ぶことにあります。この記事で概説したように、クラウドサービスの種類・メリットとデメリット・セキュリティの問題、そして導入のステップとポイントを理解することが、効果的なクラウド戦略を立てる上で非常に重要です。
クラウドサービスの導入は単なる技術的な変更ではなく、業務の手順や組織文化にも影響を及ぼすことがあります。従業員のトレーニングと意識向上が成功には不可欠であり、全員が新しいシステムやプロセスを理解し、効果的に活用できるように支援することが重要です。導入にあたっては、外部の専門家に相談することも選択肢の一つと言えるでしょう。
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