コラム

2023.04.23

デジタイゼーション、デジタライゼーションとは?DXに必須の「2つのデジタル化」を解説

デジタイゼーション、デジタライゼーションとは?DXに必須の「2つのデジタル化」を解説

はじめに

DX(デジタルトランスフォーメーション)という当初は目新しかった言葉も、今やすっかり社会に広まりました。しかしその言葉や重要性は理解しながらも、DXを実現できている企業はまだまだ少ないのが実態です。
DX実現には2つのデジタル化が必須といわれています。この2つのデジタル化にあたる「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」、またこれらとDXの関係性についても解説していきます。

1つめのデジタル化|デジタイゼーションとは

DX実現には2つのデジタル化が欠かせないといわれています。そのうちの1つがデジタイゼーション(Digitization)。アナログな作業やデータをデジタルに置き換えることです。
経済産業省が発表した「DXレポート」のなかでも、デジタイゼーションを「アナログ・物理データの単純なデジタルデータ化」と定義しています。
デジタイゼーションの主な目的は、データをデジタル化し管理・活用の利便性を高めることです。データを活用できる環境になり業務効率化を図れますが、業務フローやプロセスを一変させるまでの効果はないため「守りのデジタル化」とよばれます。

2つめのデジタル化|デジタライゼーションとは

もう1つのデジタル化とされるのがデジタライゼーション(Digitalization)。デジタライゼーションは業務プロセスのデジタル化を指します。
「DXレポート」でも、デジタライゼーションを「個別の業務・製造プロセスのデジタル化」と定義しています。
さまざまな形でデータを活用し業務プロセスの改革や改善を図るなど、単なる効率化や生産性の向上だけに留まらない効果を期待できます。デジタライゼーションは業務プロセスを変えるだけでなく、新たなビジネスモデルや付加価値を生み出すことにもつながるため、「攻めのデジタル化」ともよばれます。

デジタイゼーション、デジタライゼーションの具体例

ここではデジタイゼーション、デジタライゼーションの具体例とそれぞれで得られる効果をみていきましょう。

具体例1.名刺情報をデジタル化→顧客情報の共有が簡単に、営業活動にも活かせる!

対面で受け取った名刺は数が多くなればなるほどファイル整理や管理が大変です。不意に必要となった際にファイルから探し出すにも手間がかかり、名刺情報を一つのリストにまとめる作業もまた煩雑なものです。

デジタイゼーション:

こうした場合に名刺管理ツールやスキャナを用いて名刺を読み取れば情報はデジタルで保存され、管理も簡単になり必要な情報もすぐに探し出せるようになります。

デジタライゼーション:

データ化された情報は社内共有できることから、その名刺を受け取った担当者だけでなく別の社員や部署間でも容易に活用が可能です。またMAやSFA、CRMなどの営業管理ツールと連携させることで、名刺データを効果的に活用できます。

具体例2.会議の流れをデジタル化→ペーパーレス化と正確な会議記録に一役!

会議に使用する資料は、数や人数が多ければ多いほど印刷に時間も費用もかかります。また会議で作成した議事録は終了後に上司や参加者と内容擦り合わせのため印刷・配布し確認、確定後は備忘録や会議不参加者へ情報共有のために印刷・配布といったように、議事録作成者の負担も増えるばかりです。

デジタイゼーション:

会議に必要な情報をデジタル化しそれをメールやオンラインストレージで共有すれば、資料印刷や配布の手間は不要になり、また紙やインクの資源も無駄にならずペーパーレス化を図れます。

デジタライゼーション:

オンライン会議ツールを資料のデジタル化とあわせて活用すれば、会議そのものをデジタル化できます。会議参加者は決まった場所に集まる必要はなく、移動の時間や費用もかかりません。
また議事録を会議中にパソコンで作成すれば終了後その場ですぐに共有ができ、さらに録画機能を使えば後から内容確認もできるなど、確実な記録作成に効果的です。会議に参加していない社員へも決定事項を素早く正確に共有可能です。

2つのデジタル化とDXとの関係

DXは「デジタル技術を活用し、ビジネスにおける変革を実現する取り組み」を指します。「DXレポート」でも、DXを「組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化、“顧客起点の価値創出”のための事業やビジネスモデルの変革」と定義しています。
デジタイゼーション・デジタライゼーション、2つのデジタル化が業務効率や業務フロー、業務プロセスといった「組織内での変容」を促すのに対し、DXは「組織に留まらない変革」を目指します。
すなわち企業がDXを実現させるためにはデジタイゼーション、デジタライゼーション、2つのデジタル化の工程をうまく進めることが重要であると考えられています。

デジタルトランスフォーメーション(DX)

下記の2工程を経て新たな価値創出のための
事業やビジネスモデルの変革を行うこと

デジタイゼーション(Digitization)

従来のアナログ・物理データ

↓ データをデジタル変換

管理、活用の利便性が高まる

デジタライゼーション(Digitalization)

従来の業務プロセス

↓ デジタルデータを活用

業務プロセスを効率化できる

デジタイゼーション・デジタライゼーションは
DX成功の第一歩

DX実現のためにデジタル化を進めるにしても、ただ闇雲にデジタル技術を導入し片っ端からアナログをデジタルに置き換えていけばいいというわけではありません。「DXで自社をどのように変革したいか」という方向性をしっかり持ち、自社のデジタル化計画を進めることが重要です。
そのために組織のトップはビジョンや戦略、また全社員が新たな業務の進め方や働き方に順応できるように行動指針を示す必要があります。さらに変革は一部門から徐々に進めるのではなく、部門間の相互依存関係もふまえ全社で一斉に実施するのが望ましいでしょう。明確化した自社のDX目的に向かってデジタイゼーション・デジタライゼーションに取り組みましょう。

まとめ

本記事ではデジタイゼーション・デジタライゼーション、2つのデジタル化の概要や具体例、DXとの関係性について解説しました。
DX実現のためのデジタル化には時間も費用もかかるため、長期計画が必要です。アナログをデジタルデータに変換し、そのデータを活用するデジタル技術も数えきれないほどの種類があり、自社に適したデジタル技術を見つけ出すのも容易ではありません。こういった場合はDX支援に実績のあるプロに相談してみることも有効です。
セラクはDX推進支援に力を入れており、国内トップクラスの実績と支援ノウハウおよびカスタマーサクセス人材を有し、企業の生産性向上・競争力強化をサポートしてきました。自社のDXを実現させたい、デジタル化へ取り組むサポートがほしい、などの要望がございましたらセラクへ一度ご相談ください。

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