不正競争防止法
読み方:フセイキョウソウキンシホウ
不正競争防止法とは
不正競争防止法とは2018年11月に、事業者同士が対等に事業を行えるように施行された法律です。事業者の私的な利益のみならず、市場や消費者、取引先といった全体の利益、すなわち公共の利益の両方を守ることを目的にしています。1934年3月から公布されたこの法律は計14回の改正がされ、2018年に11月に施行されているものが現在の不正競争防止法となります。もし違反した場合は民事法としての責任が科せられます。また、重大な違反の場合は刑事罰に科せられる可能性もあります。そのうえ、内容としても営業秘密をはじめ、事業者の業務上の利益と市場秩序の維持を守ることに加え、事業者の成果を保護する規制もあるため特許法などの知的財産権も関わっています。
不正競争防止法に関わる営業秘密とは
営業秘密とは、業務上有用で公然に知られておらず、秘密として管理されている情報を指します。以下の3要素を備える必要があります。
- 有用性
- 非公知性
- 秘密管理性
このように不正競争防止法はさまざまな側面を内包していますが、セキュリティ対策では秘密管理性および非公知性が重要になってきます。
例えば、パスワードや生体認証を設定すれば秘密管理性の要件を満たすことにつながり、アクセス権限を設定すれば非公知性の要件を満たすことにつながります。また、非デジタルな方法であれば社外秘や部外秘と明示することでも秘密管理性を満たすことにつながります。
ただし、特定の処置を施せば必ず営業秘密として保護されるという決まった基準はありません。裁判所が判断を包括的な観点から下すことになるため可能な限り善処するのが望ましいとされています。
不正競争防止法の事例
営業秘密を適切に管理しないと(不正使用、不正取得、不正開示)、刑事責任も問われる場合もあります。実際に大手電機メーカの提携企業先の技術者が海外の企業に当該電機メーカの研究データのリークを行い、逮捕および起訴される事態になりました。また、顧客情報も営業秘密の対象になり、不正競争防止法および個人情報保護法が適用されます。