リチーミング
読み方:リチーミング
リチーミングとは
リチーミングとは問題解決およびチーム再構築のために行う教育技法を指します。1990年代にフィンランドの精神科医と社会心理学者により生み出されました。本来は問題を抱えた子どもたち向けの教育的技法として開発されましたが、社会人に対しても有効であることが後に証明されました。現在はヨーロッパを中心とした地域で企業研修として活用されています。
リチーミングが重要視された背景
リチーミングが生み出された1990年代前半のフィンランドは、経済不況で失業率が芳しくない時代でした。この時期に企業研修に導入された「リチーミング」は企業の業績を上げ、フィンランド経済の低迷期を救った一因ともいわれています。
リチーミングの特徴
リチーミングでは、「問題志向アプローチ」よりも「解決志向アプローチ」に重点を置きます。これは、「問題に直面した際の対応として、原因の究明や責任の所在を追及するよりも解決法を知る方が有効である」という考え方です。解決に向けてアプローチすることで問題に直面した際、当事者も前向きな心構えで問題解決に取り組めます。互いの可能性を信用し、意見を肯定するリチーミングのアプローチが、チーム再構築の原動力となります。
一方、課題点は大きく2つあります。1つ目は、問題の原因究明より解決法の立案に重点が置かれているので、必ずしも原因解消につながるアプローチとは言えないことです。問題の原因究明もある程度組み合わせることが重要になります。2点目は、リチーミングは人の心理的な効果に影響を与えることが結果になるため、効果の測定が難しいことです。アンケートを用いたデータ分析で効果を定量化することが求められます。
リチーミングを行ううえで必要な12のステップ
リチーミングを行ううえで必要な12のステップがあります。
- チームの理想的なビジョンについて、話し合い共通認識を持つ
- チームの理想的なビジョンに近づけるための最終目標を決定する
- チームの理想的なビジョンについて、意見を出し合い議論する人材を集める
- 最終目標達成時に獲得可能な利益は何か、話し合い共通認識を持つ
- 最終目標に向けて注力する点を文書化し共有する
- 今後どのような成長が見込まれるか予想を立てる
- チームとして活動していく中で発生する困難を受け入れる
- 自信をつけるよう、成功に対するイメージトレーニングを行う
- 今後の活動内容についてスローガンを考案し、目立つ場所に掲示する
- 自身の成長について記録し、定期的に振り返りを行う
- 今後起こり得る失敗を予測し対策を講じる
- 成功した際は周囲に感謝を伝え、祝福する