2024.06.06

マトリクス組織

マトリクス組織

読み方:マトリクスソシキ

マトリクス組織とは

マトリクス組織
<マトリクス組織の例>

マトリクス組織とはマトリクス図のように、複数の軸(営業や開発など)の組み合わせにより、網の目状に構成された組織形態のことです。一般的な例として、従業員は一つの部署に所属し業務を行いますが、マトリクス組織では別の軸(地域や製品など)の事業にも所属します。たとえば軸の要素が「営業」と「製品」で構成されている場合、縦軸の「営業」部門に従事しますが、同時に横軸の「製品」事業にも従事します。

マトリクス組織の特徴

  • ウィーク型
    プロジェクトにリーダーを選任せず、意思決定を各メンバーの裁量で行います。個人の発想やアイデアで業務が進むため自由度が高く、問題が発生しても臨機応変な対応が可能です。比較的小さな規模のプロジェクトで用いられることが多く、事案に対し責任区分を明確にして対応できるかが重要になります。

  • バランス型
    所属するプロジェクト内からリーダーを選出します。自分が遂行しているプロジェクトのため業務状況を把握しやすく、必要に応じ的確な指示を出すことが可能です。リーダー以外に部門の上司もプロジェクトの権限をもっているため、役割分担を明確にすることで、メンバーは安定したコミュニケーションを維持して、業務を遂行できます。

  • ストロング型
    マネジメント業務に精通しているマネージャーをプロジェクトに配置します。マネジメントについて豊富な経験と知識があるため、明確な指示系統のもと効率的な采配が可能です。マネージャーはプロジェクトのすべての意思決定権をもっているため、強力な組織構造を生み出します。

マトリクス組織のメリット

  • 企業目標を共有しやす
    従業員は複数のプロジェクトに従事するため、プロジェクト間の状況がよく見え、各プロジェクトの業務を把握できます。それに伴い、企業目標の全体像にも理解がおよぶため、目標が従業員の中で共有化され、目的意識が高まります。

  • 新規事業を立ち上げやすい
    新プロジェクトを立ち上げる際に、一般では新従業員の採用やプロジェクトチームの編成などを行う必要があります。しかし、マトリクス組織の場合は各部署から専門知識やスキルをもった人材をすぐに選任できるため、新規事業を素早く立ち上げることが可能です。

マトリクス組織のデメリット

  • 業務が複雑化しやすい
    マトリクス組織では、所属するプロジェクトごとに上司やチームリーダーが存在する場合があり、それぞれの指示や要求に対応する必要があります。そのため、業務の優先度や時間配分に難しさが生じ、業務の遂行に支障をきたす恐れがあります。

  • 評価制度が複雑化しやすい
    マトリクス組織では、一人の従業員が複数の事業やプロジェクトに所属し、それぞれの業務で異なる目標や成果を目指すため、評価制度も見直しが必要になります。組織の構成が複雑になると評価方法も複雑になるため、評価を担当する人や取りまとめる部署に負担がかかる可能性もあります。
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