育成就労制度
読み方:イクセイシュウロウセイド
育成就労制度とは
育成就労制度とは、2024年に出入国管理法の改正が可決されたことを受けて、今までの技能実習制度に代わって新しく創設された制度です。技能実習制度では、実習生が日本の技術を海外に伝えることで日本の国際貢献を図ることが目的の制度でしたが、実態がその目的からかけ離れているという指摘がありました。新しい制度である育成就労制度は、人材を確保・育成することで人手不足や労働力不足などを解決することが目的です。
育成就労制度の概要
- ・転籍が可能になる条件が拡大された
従来の技能実習制度でも、受け入れ先企業が倒産した場合、やむを得ない事情として転籍が可能となるケースはありました。しかし、育成就労制度では転籍が可能になる事情の条件が拡大し、手続きも柔軟になります。また、同一企業での就労が一定期間を超えている、日本語試験に合格するなどの条件付きですが、外国人労働者の申し出による転籍も可能です。
- ・監理団体の名称が変わり、監理支援機関になった
育成就労制度において監理団体が監理支援機関に名称変更するとともに、監理支援機関として認められる条件が厳しくなります。また、外部監査人の役職が新たに設置されるため、外国人労働者の不法就労や人権侵害などの防止に役立ちます。
- ・就労を開始する条件として、日本語能力が必須になる
育成就労制度では、外国人労働者が就労を開始する条件として、日本語試験への合格もしくは日本語講習の受講が必須となります。そのため、日本語に対する能力がある程度身に付いていることを前提に、就労へと結びつけます。
育成就労制度の関連語
- ・技能実習制度
外国人労働者を日本で受け入れ、外国人労働者出身国の技術発展を図り、国際的に貢献する目的で1993年に創設された制度です。技能実習制度で課題となった制度本来の目的と就労の現実との差を埋めるため、技能実習制度を見直し育成就労制度へと移行することが提案されました。
- ・特定技能制度
人手不足が懸念されている職種や業種において、外国人労働者を即戦力として就労させることを目的として、2019年に創設された制度です。技能実習制度において、業種によっては特定技能へと移行できないデメリットを解消するため、育成就労制度では、特定技能へと移行できる業種を増やすように整備されます。