2024.06.17

ディーセント・ワーク

ディーセント・ワーク

読み方:ディーセント・ワーク

ディーセント・ワーク とは

ディーセント・ワークとは、労働の権利が保障され、 社会的な保護を受けて生産的な仕事を行うことを指します。ディーセント(Decent) とは「適正」「ふさわしい」という意味です。 1999年の国際労働機関(ILO :International Labour Organization)総会の報告で、ディーセント・ワークという言葉が用いられました。近年では雇用環境の悪化やグローバル化、SDGs (Sustainable Development Goals:持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指す言葉)へのつながりから注目を集めています。 日本では厚生労働省がディーセント・ワークの内容を4つに整理し、それらが適切に実践されているかを評価する7つの評価軸を設定しています。

ディーセント・ワークの戦略

  • 仕事の創出
    必要かつ十分な仕事量があること はディーセント・ワークの戦略の1つです。国や企業は「いつ仕事がなくなるか分わからない」という労働者の不安を取り除くため の雇用安定や処遇改善だけでなく、高齢者や障がい者などの雇用に取り組む必要があります。
  • 社会的保護の拡充
    安全で健康的に働ける職場づくりの確保や、社会保障の充実もディーセント・ワークを実現するうえで必要です。
  • 社会対話の促進
    職場内の問題や 対立を平和的に防ぐために、管理者や行政によるサポートを充実させる社会対話の促進も戦略の1つとして重要視されています。
  • 仕事における権利の保障
    労働者の権利を尊重、保障し安全に働けることを目標に掲げたものです。 具体的には「ワークライフバランスの充実」や「安心して働くためのルール強化」などが挙げられます。

ディーセント・ワーク の7つの評価軸

  • 仕事とプライベートの両立が可能、年齢を問わず勤続可能な職場であるかを評価する「WLB軸」
  • 性別や雇用形態を問わず、すべての労働者が公正かつ平等に活躍可能な職場であるかを評価する「公正平等軸」
  • キャリアアップの機会が確保され、やりがいを持って働ける職場であるかを評価する「自己鍛錬軸」
  • 継続的な生活が営める収入を得られているか評価する「収入軸」
  • 労働者が企業と同等の立場で話し合いが可能な職場であるかを評価する「労働者の権利軸」
  • 設備や器具の確保や、ハラスメントの防止による良好な人間関係の構築や維持が可能な職場であるかを評価する「安全衛生軸」
  • 労災保険をはじめ、雇用保険や健康保険などの社会保障制度が確実に導入されている職場であるかを評価する「セーフティネット軸」

ディーセント・ワークの関連語

  • 労働法
    労働法とは労働基準法や労働組合法などの労働に関する法律の総称です。主な役割は労働者を保護するためにさまざまな規則を設ける、雇用主と労働者間の関係の調整などが挙げられます。労働法の対象となるのは正社員や派遣社員、契約社員、パートやアルバイトです。
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