育児・介護休業法
読み方:イクジ・カイゴキュウギョウホウ
育児・介護休業法とは
育児・介護休業法とは、労働者が子どもの育児や看護、家族の介護を行う際に、継続して雇用されることを保障し、仕事と家庭生活の両立支援を目的とした法律です。制定の背景は、少子高齢化で労働者人口が減少する中、高齢家族や子どもの介護・看護を理由に離職する労働者が増え、労働力の減少が進んだことです。労働者の離職に歯止めをかけるために、育児・介護休業法では特別休暇や労働時間短縮などの項目を規定しています。
育児・介護休業法の制度
- ・育児休業制度
1歳に満たない子どもがいる労働者について、育児支援のため休暇を設ける制度です。原則として、子どもが1歳を迎える前日まで取得できますが、例外として子どもが1歳を過ぎても保育所に入れない場合は、最長2歳まで育児休暇を取得できます。また、対象労働者とその配偶者ともに育児休業を取得する場合は、条件付きで子どもの対象年齢が1年2か月まで延長されます(パパ・ママ育休プラス)。
- ・産後パパ育休(出生時育児休業)
男性の積極的な育児休業取得を後押しするため制定された制度です。産後パパ育休制度による育児休業期間は、子どもの出生後8週間のうち4週間以内です。通常の育児休業制度より短期間であるため、柔軟に育児休業を取得できる特徴があります。
- ・子の看護休暇制度
小学校入学前(2025年4月1日より、小学3年生修了前)の子どもがいる労働者について、予防接種の付き添い、病気や怪我の世話などについて、看護休暇を取得できます。休暇の対象となる病気や怪我に制限はなく、労働者が必要であると判断すれば申請可能です。対象となる子どもが1人いる場合は5日、2人の場合は10日間の休暇取得ができます。
- ・介護休業制度
怪我や病気、身体・精神障害などの理由が生じ、2週間以上の介護を必要とする家族(配偶者や父母、子など)がいる場合に取得可能です。対象となる家族1人につき3回まで、合わせて93日間の休暇が与えられます。ただし、有期雇用社員は取得予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日の間に、契約期間満了になることが確定していない労働者のみ取得可能です。
- ・介護休暇制度
歩行や排せつ、意思伝達などが困難な要介護状態になった家族(配偶者や父母、子など)を介護するために、休暇を得られる制度です。休暇取得は、要介護状態の家族が1人の場合は5日、2人の場合は10日間取得できます。
育児・介護休業法における労働時間短縮
- ・子どもの育児・看護
3歳未満の子どもをもつ労働者において、短時間勤務制度として1日6時間の労働時間を原則とすることが適用されます。短時間勤務制度が適用される期間は、子どもが3歳の誕生日を迎えるまでです。
- ・高齢家族の介護
要介護状態の高齢家族を介護しなければならない労働者において、企業側は所定労働時間を短縮する措置をとる必要があります。対象となる労働者の高齢家族1人につき、介護福祉サービスの利用を開始する連続3年以上の期間内に2回以上、労働者の所定労働時間短縮が必須です。