10BASE5(ケーブル規格)
テンベースファイブ
10BASE5(ケーブル規格)とは
10BASE5とは、イーサネット(パソコンなどの信号を送受信するために用いる有線ネットワーク規格)の仕様を表す名称の1つです。1983年に標準化が進められた規格「IEEE802.3」の最初期に定められました。名前のそれぞれの意味は「10」が通信速度の10Mbps、「BASE」はベースバンド伝送方式、「5」は最大500メートルの伝送距離を表しています。直径約1センチメートルの同軸ケーブル(通称:イエローケーブル)を使用し、バス型配線(同軸ケーブルの銅線にすべてのコンピュータを接続する方式)で接続します。バス型配線接続時は同軸ケーブルの両端にターミネータ、ケーブルに針状の部品を持つタップを取り付けます。その後、MAU(Medium Attachment Unit)やトランシーバといった機器をタップに固定します。MAUとトランシーバの固定を終えたら、ネットワークコントローラを取り付けたコンピュータとAUI(Attachment Unit Interface)ケーブルを接続します。
10BASE5(ケーブル規格)の特徴
10BASE5はケーブル耐久性やノイズの耐久性が高いだけでなく、最大ケーブル長500mという長さで配線が可能です。一方でケーブルが太く建物内での配線作業が困難、タップの取り付けに手間がかかるといった問題がありました。これらの問題を解消するため、ケーブルが細く取り回しが容易な新たなケーブル規格の10BASE2が登場しました。また10BASE5が普及した頃は黄色のケーブルが主軸でしたが、現在では黄色以外のケーブルも存在します。
10BASE5(ケーブル規格)の関連語
- 10BASE2
10BASE2とはイーサネットの仕様を表す名称の1つです。1985年に「IEEE802.3a」として標準化されていました。名前のそれぞれの意味は「10」は」が通信速度の10Mbps、「BASE」はベースバンド伝送方式、「2」は最大200メートルの伝送距離を表しています。10BASE5と比較すると、ケーブルが直径5mmと細く取り回しが容易になりました。10BASE2についてはこちらをご覧ください。
- イーサネット
イーサネットとはIEEE802.3で国際標準化されたネットワークケーブル規格です。OSI参照モデル第1層「物理層」と第2層「データリンク層」で定義されています。イーサネットの規格ごとに最大伝送速度が異なります。たとえば「10BASE5」や「10BASE2」の場合は、最大伝送速度10Mbpsで通信が可能です。以前は半二重通信が主流でしたが、現在では全二重通信が普及しています。