はじめに
近年、様々な企業がデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)に注力してきています。デジタル技術を利用してビジネスを変革するDXですが、2018年に経済産業省が「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」を取りまとめたことをきっかけに意識し始めた企業も多いのではないでしょうか。「DX推進ガイドライン」の発表後も、政府はDXについて様々な資料を公表し、企業のDXの必要性を示してきています。2020年12月に取りまとめた経済産業省のDXレポートでは、「今すぐ企業文化を変革しビジネスを変革できない企業は、デジタル競争の敗者に」と訴えています。そして今後はDXを成功させることが、企業がデジタル競争に勝ち残るためのカギとなっていくといわれています。しかしながら、DX推進に取り組むことが急務であるということがわかっていながらも、DXを進めることができていない企業が非常に多いのが現状です。本記事ではDX推進の課題と、DX推進におけるマネージドサービスの有用性をご説明します。
経済産業省│DXレポート
日本企業におけるDX推進の課題
日本企業のDXは世界的にみて、遅れをとっているといわれています。日本の企業においてDXが進まない大きな理由として、システムの老朽化とその運用負荷の大きさがあります。既存システムの老朽化によりITシステムの中身は複雑化、多層化し、日々の運用業務の負荷は拡大しています。それにより、DXへの取り組みに着手すらできていない企業も多く存在します。DXに取り組むには新しい知識や技術などを取り入れることが必要ですが、その余力すらないというのが現状です。そしてIT環境が複雑化するとともに、講じなければならないセキュリティ対策も複雑化してきています。しかしながら、複雑化、高度化したITシステムの運用ができる人材が圧倒的に足りていないということは現在も今後も残る課題です。
DX推進におけるマネージドサービスの有用性
DX推進はシステム企画や業務改善などのコア業務に集中するために日々の運用業務の負荷を下げることが重要で、近年ではDX推進のステップとして、既存のITシステムの運用管理をアウトソースするマネージドサービスを利用する企業が増えつつあり、注目を浴びています。
マネージドサービスとは
マネージドサービスとはサーバやネットワークなどのITシステムの運用、保守、システム障害への対応などの管理全般を一括して任せることができるサービスです。
それではDX推進におけるマネージドサービスの有用性とそれによって得ることができる効果をみていきましょう。
日々の運用業務からの開放
DX推進におけるマネージドサービスを利用することで得られる一番のメリットは、大きな負担となっている既存ITシステムの運用管理から解放されることです。ITシステム導入時の設計・構築、導入後の監視、運用、障害発生時の対応、ヘルプデスクなどを一括して任せることで、既存ITシステムの運用管理の負荷を下げ、結果としてDX推進に必要なリソースを確保でき、運用担当者はコア業務に集中できるようになります。
そしてマネージドサービスは、既存のITシステム運用の負荷を下げるだけではなく、さらに次の3つの効果が得られます。
ビジネスニーズへの対応力の向上
ビジネス規模の拡大やビジネス環境の変化に伴って、迅速で柔軟なリソース調達が必要となります。クラウド技術を使ったマネージドサービスを利用することで、必要に応じたリソースを適切なタイミングで柔軟に増減させることも任せることができます。例えばアクセスが一時的に集中するときはその間だけサーバのスペックやディスク容量を上げ、大量のアクセスに対応することも迅速にできます。迅速かつ適正に対応することで、変化し続けるビジネスニーズに対する対応力の向上が見込めます。
サービスレベルの向上
マネージドサービスを利用することで、自社では確保しにくい、高い専門性と経験を有する技術者を活用することができます。それによって安定性の高いITシステムの運用管理や自社では実現が難しい24時間365日対応が可能となり、サービスレベルの向上につながります。
セキュリティレベルの向上
マネージドサービスを利用し、高い専門性と経験を有する技術者がITシステムを適切に運用管理することで、運用上のミスを防ぎ、その結果、セキュリティレベルが向上します。さらにSOC(セキュリティ・オペレーションセンター)を利用し、専門技術者にセキュリティの運用、監視を任せることで、自社だけでは実現が難しい高いレベルのセキュリティ対策ができます。近年ではサイバー攻撃の手口が高度化、多様化し、その対策を全て自社で行うには、高度なセキュリティ技術を扱える人材と膨大なコストが必要です。
まとめ
今回はDX推進の課題とマネージドサービスの有用性について解説しました。
既存のITシステム運用の負荷、人材不足によりDX推進が妨げられていると感じていれば、マネージドサービスの導入を検討されてはいかがでしょうか。セラクのマネージドサービスでは、ITシステムの運用管理を一括で行うサービスを提供しており、お客様の状況に応じたご提案も可能で、お客様に最適な運用方法で課題を解決いたします。DX推進において、24時間365日の運用監視や急な障害対応などに時間を割かずに、コア業務に集中できるようになります。
また、セキュリティ対策についても、セラクの専門性を持つセキュリティ技術者によるSOC(セキュリティ・オペレーションセンター)運用やセキュリティ診断などを通じて、お客様に応じたセキュリティ体制を整えます。
ITシステムの運用に関して不安・お悩みなどございましたら、まずはセラクにご相談ください。セラクでは、経験豊富なエンジニアが24時間365日の体制で、高品質なサポートをお約束いたします。Microsoft AzureやAWS、そのほか国内サービスにおける実績が豊富にあり、特に、Microsoft Azureに関しては、200名を超える有資格者が在籍しており、確かな技術でお客様の運用を適切に支援いたします。