ピグマリオン効果
読み方:ピグマリオンコウカ
ピグマリオン効果とは
ピグマリオン効果とは、他人から期待されると成績が向上したり、仕事でよい効果を出せたりする心理効果の一つです。アメリカの教育心理学者が提唱したことから「ロイゼンタール効果」とも呼ばれています。なおピグマリオンとはギリシャ神話に登場する王様の名前です。自らが彫った女性像に恋をして像が人間になることを願い、その願いを神により叶えられるという逸話です。この逸話の「期待すれば応えてくれる」「期待が相手によい影響を及ぼす」という部分からピグマリオン効果と命名されました。
ピグマリオン効果の注意点
- 部下が慢心している場合
部下が自身の能力や評価が高いと思い込み慢心している場合は注意が必要です。慢心している場合、自分に何が足りないのかを見つめなおすことができません。この場合に部下を褒めても、今の状況に満足して成長を止めてしまう恐れがあります。
- 期待をかけすぎた場合
部下に期待をかけすぎる場合も注意が必要です。期待を込めると部下も実力以上のものを出そうと頑張ります。しかし、過剰な期待はプレッシャーとなり、部下のモチベーションを低下させる要因にもなりかねません。挫折にもつながり成長を止めてしまう危険性もあります。
ピグマリオン効果の反対的効果
ピグマリオン効果の反対の効果として「ゴーレム効果」があります。ゴーレム効果とは、相手が何も期待していない、見込みがないと思っていると本当に悪い結果になってしまう現象です。
以下のような事例が、ゴーレム効果に相当します。
- その人に悪い印象を持ったまま接すると本当に関係が悪くなる
- 教師が「成績が上がる見込みがない」と決めつけて接すると、生徒の成績が下がる
ピグマリオン効果の関連語
- ホーソン効果
他者からの注目が原動力となりよい結果を残そうとして力を発揮する心理効果です。注目を浴びた際に、「相手の期待に応えたい」「他者に良く見られたい」という意識が実際の行動に作用し、結果としてよい成果を生み出します。従業員のモチベーションアップや離職率の低下を期待できるため、ビジネスシーンで活用されるケースが多いです。
- ハロー効果
ハロー効果とは、ある対象を評価する際に特定の印象に引きずられ、全体の評価も歪めてしまう心理効果です。ハロー効果には、ポジティブとネガティブの2つのハロー効果があります。ポジティブ・ハロー効果は人材のある特定の評価が高いと感じたときに、人材全体の評価も高くしてしまう現象です。その反対でネガティブ・ハロー効果はある一部の印象が悪いと感じたときに、人材全体の評価も下げてしまう現象になります。