ピープル・アナリティクス
読み方:ピープル・アナリティクス
ピープル・アナリティクスとは
ピープル・アナリティクスとは、人事に関して収集・分析したデータを採用や教育、評価など人事業務の意思決定や課題解決に役立てる手法のことです。統計的に解析できるため、一般的な人事評価より精度の高い人事評価を実現できます。今後、IT技術の進化により大量のデータの蓄積・収集・分析が容易になることから、ピープル・アナリティクスの活用が一層進むと考えられます。
ピープル・アナリティクスのメリット
- 企業側のメリット
判断軸がぶれないため、「効率的かつ正確であること」です。採用や人事評価に導入した場合、誰が担当しても個人の主観が入りづらく、基準があいまいになりません。
- 従業員側のメリット
管理職の主観や感情ベースでなく、データによる公正な評価・説明を受けるため納得感があります。業務に対してもモチベーションを維持しやすいです。
ピープル・アナリティクスの注意点
- 従業員のプライバシーを守る
人事データは繊細な個人情報を多く取り扱うため、「必要なデータのみを収取する」「従業員のための解決策を検討する」という本来の目的を常に意識して慎重に取り扱う必要があります。
- データを整理する
部署や事務などで「フォーマットが統一されていない」「似たデータが存在する」などデータの整理ができていないと分析が難しくなります。
- 客観性を重視する
人が入力するデータは主観的なバイアス(偏り)がかかっていることを前提に注意して取り扱う必要があります。
ピープル・アナリティクスの導入事例
- 大手ソフトウェア企業
ピープル・アナリティクスを実行する前の職場環境は、広い空間に従業員が間隔を空けて座っている状態でした。しかし、データ分析の結果から多少スペースが狭くなっても、関係する部署の従業員が集まっているほうがよいことがわかり変更しました。すると社内のコミュニケーションが改善され生産性向上、業務品質向上につなげることに成功しました。
- 大手通信企業
新卒採用時にピープル・アナリティクスを用いたAIを活用しています。以前は人事が新卒の選考に対応していましたが、今はAIに担わせることで公平な選考を行えるようになり、新卒採用時の負担を約75%削減できました。2020年からはAIによる動画面接も実施しており、採用する人材をより効率よく行えるようにしています。