試し出勤
読み方:タメシシュッキン
試し出勤とは
試し出勤とは、うつ病や適応障害などの精神疾患が理由となり、休職した労働者の職場復帰が可能かを見極めるために、リハビリを兼ねて行われる施策です。精神疾患を抱えた労働者を徐々に職場適応させることで、唐突な職場復帰を原因とした病気の再発防止が期待できます。この制度は法律で明文化されていないため、実施は各企業の判断となります。
試し出勤の種類
試し出勤の例として、「模擬出勤」「通勤訓練」「試し出勤」の3種類が挙げられます。
- 模擬出勤
求職者がもともと働いていた時間帯と同じあるいは短い時間内でデイケアに通い、仕事を模した軽作業や集団でのミーティングを行います。また、一般的な勤務時間帯内に図書館や喫茶店で一日を過ごすこともこの例として挙げられます。
- 通勤訓練
自宅から職場までの出勤経路を移動し、職場付近まで到着した後は、一定時間を過ごしたのち自宅まで戻ります。職場復帰のために体を慣らすことが目的です。
- 試し出勤
実際に職場で仕事を行い、職場復帰可否の判断を兼ねて継続出勤を行う施策です。対象労働者の職場復帰による負担を軽減するために、企業は適切な配慮や支援を行う必要があります。
試し出勤を導入する際に気を付けるべき点
試し出勤を導入する際にはトラブル防止のため、試し出勤を行う際のルールについて、主治医の判断も交えつつ社員と企業の間で十分に話し合うことです。具体的には、試し出勤として継続的に仕事を行う際、対象労働者の作業時間を段階的に長くするか判断する、危険だと判断された場所で仕事をさせないことなどが挙げられます。
試し出勤の関連語
- 職場復帰支援プログラム
職場復帰支援プログラムは、精神的な不調により休職した労働者を正しい方法で職場に復帰させるための活動です。職場復帰支援プログラムでの活動内で立てる計画に盛り込む復帰支援法の一つとして、試し出勤が利用できます。